フランスのサロンに出展していたルイック。日本に入荷していたことも知っていたのだが、せっかくの機会を逃さず試飲していると、「日本に輸入してくれないか?」とまさかの逆オファー。二つ返事で了承した割に、帰国後のコンタクトに手間取り、やっとリリースまでこぎつけました。
醸造所はフランスとスペインの境界の、ルシヨン地方にあるランサックに位置する。全部で11haという広い畑(うち、白品種は2ha)には、樹齢100年を超えるカリニャンをはじめ、マカブー、グルナッシュ・グリ、グルナッシュ・ブラン、シラーといった南仏の多様な品種が何区画かに分かれて植わっている。耕作にはキャタピラーやトラクターを使っているが、畑にまくのはせいぜいボルドー液と植物を煎じた液体くらい。それも可能な限り使わないような、グリーン・ハーヴェストでブドウを育てている。醸造も自然に行っており、主にセミ・マセラシオン・カルボニックで、全体の20%ほどは温度管理(冷却)を部分的に行っているが、醸造中の亜硫酸塩は無添加。ボトリングで若干使用することもあるが、全て7mg/L以下である。必要に応じてセラー内での熟成も行っている。彼のセラーにポンプは無く、ワインの移動は全て重力によるもの。名前の通りPossible=出来ることだけ、最低限の介入で最高のワインを造る、素晴らしい生産者。