2017/04/27

ワインの生産者を訪ねて 2017年春

先日、日本から当社のソムリエが来仏し、ワイン生産者を訪ねました。現在仕込み中の2016年モノのワインの出来栄えを確かめ、予約(買い付け)をしたり、生産者の今後の展開や日本での彼らのワインの評判などを情報交換。

全7日間で当社取り扱いの一部と新規生産者、計14の生産者を訪ねています。今年も南はスペイン国境周辺地域から始まり、徐々に北上し、ロワール地方で訪問を終えました。

一部を紹介します。

昨年は飛行機のストのせいで到着が1日遅れ、その影響で訪問を中止せざるをえなかったわけですが、わざわざ泊まっているホテルまで朝早くにワインを持って駆けつけてくれたアントニー。マタン・カルムの当主です。今年は無事に畑と醸造施設を訪問できました。お昼ごはんには手作りの煮込み料理でおもてなししてくれるほど、本当に誠実な人です。

昨年から取り扱いを始めたバルメットの当主、リュリュことリュシアン。彼はとても楽しい人で、周りの人間を全員笑顔にします。ずーっと、しゃべって、笑っています。フランス人の生産者仲間の間でも有名で、みんなが「あいつ、最高だよな」って言うほど。おもしろおかしい人間ですが、ワイン作りは真剣で、ワインの試飲時は語りだすと止まらない、通訳泣かせな人です。

こちらは2年ぶりの訪問になったスローズのギヨーム。暑い暑い南仏プロバンスの地において、実にすっきりとした飲み口のさわやかなワインを作ります。彼も非常に誠実な生産者で実直にワイン作りに取り組んでいます。記憶力も抜群で、2年前の訪問時に試飲したワインのこともすべて覚えているほど。こちらが冷や汗をかきました。。。

左はマコンに居を構えるジェローム・ギシャール。日本でも大人気の生産者でおなじみですね。奥様がたくさんのおつまみを用意してくれて、試飲会も醸造所前の庭でピクニック状態に。すべてがすごくおいしかった。いつもなんですが、ジェロームはこれもあるぞ、これはどうだ、とリストにない秘蔵のストックワインをいくつも出してきては我々を驚かせます。試飲も終わりかけた夕方、なんと、そこにあのリュリュが乱入!リュリュのところからジェロームのところまで600キロ、車で6時間以上かかります。いったい、何があったのか?終始みんなで大爆笑の楽しい訪問に。

畑も拡大中のセバスチャン・フルレ。こちらも入ってくるワインを待ち焦がれる人が多いロワールの人気生産者です。しかし天候不順で2016年はシュナン・ブランの収穫量が少なく、今後も争奪戦は継続必至。試飲と畑訪問の翌日、自宅でのバーベキューに招いてくれました。この日は夜中まで語り合って、ホテルに戻ったのは1時半。信頼関係を構築し、これからもお互い二人三脚でやっていこうと誓え合えたのでした。

こちらはフランソワ・ブランシャール。SO2なしでワインを造るフランスでも数少ない、真のナチュラルワイン生産者です。物腰しなやかで実直な人間ですが、ぶどうやワインに関してはしっかりとした考えを持った信頼のできる人間です。彼のワインに癒されている人も多いのではないでしょうか。

取り扱いの生産者の一部をご紹介しましたが、新たな生産者を発掘するべく、同時に新規の訪問も行っています。

最後に最新情報。
ロワール、ブルゴーニュ(特にシャブリ)、シャンパーニュ、アルザス、サヴォア、ジュラ地方の畑は4月末の数日間、深刻な霜の被害に見舞われました。場所や生産者により被害の大きい小さいはあるものの、2年連続の霜害で頭を抱える生産者も少なくないと聞いています。

すこし見えにくいですが、こちらの手前のぶどうの木が霜にやられた後です。この時期、ぶどうの木は芽吹くわけですが、若い芽が白く変色しているのがわかるかと思います。本来であれば、地面の草木のように緑、黄緑といった色で生き生きとしているのですが、白く枯れてしまっています。こうなるともうこの芽からは今年はぶどうができません。

ひどいところでは畑の80%以上がこの霜害の被害にあったところもある、とのことですから、我々にとっては非常に残念な天候となりました。今年もこれら地方のワインについて、モノによっては数が少ないことがこの時点で確定したようです。

 

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