2016.09.15

LA BOULANGERIE THIERRY MARX 訪問

先日、パリ8区にあるLA BOULANGERIE THIERRY MARX を訪れる機会がありました。

この秋、東京銀座に出店する同店。今年はじめ、日本での出店の準備の一環で、東京でのテストキッチンのレンタルの依頼があったことから、弊社の設備を貸与。これに端を発して、お付き合いが始まりましたが、9月頭にパリのお店に伺わせていただきました。

お店はパリでミシュラン二つ星レストランを展開する、ティエリー マルクス氏の名前が使われています。レストラン ティエリー マルクスのパン部門が独立して、店舗経営する、という形ですね。

レストランはパリの中心地サントノーレ通りに面した、ホテル マンダリンオリエンタル内にありますが、こちらBOULANGERIE はそこからやや離れた8区のRUE DE LABORDEにあります。メトロの駅で言えば、9番線のSAINT AUGUSTIN が最寄り駅です。

シェフのジョエル ドゥフィーヴ氏。MOF(フランス最高職人)のひとり。

お店にはシェフのドゥフィーヴ氏のほかに、ハード系のパン職人が2名、サンドイッチなどの調理系が2名、ヴィエノワズリー、パティスリー(タルト)系で2名の職人さんたちがいらっしゃいます。サンドイッチなどの調理系のレシピは総シェフのティエリー マルクス氏が考え、パンと合わせるのをドゥフィーヴ氏と2名でディスカッションしながら、決定していくということでした。

ハード系、ヴィエノワズリー系とも定番商品は7種類ずつ、これらに加えて、週代わりのアイテムを1~数種類、提供しているとのことです。パティスリーもタルト系を数種類。お店で出すアイテムはバラエティは少ないですが、おいしいもの、オーガニック、(見た目の)きれいなものをキーワードにお客様へ提供するものを作っている、とのことです。

粉はオーガニックのみ使用しています。

お店で使用しているルヴァンも見せていただきました。基本的にはルヴァンを用いているようで、作るパンによって、デュールとリキッドを使い分けているとのこと。

冷蔵庫から出していただいたルヴァン デュール(上)とルヴァン リキッド(下)。それぞれの一部にに水と小麦粉を混ぜて、種継ぎを行うとのこと。デュールはデュールで、リキッドはリキッドそれぞれで種継ぎを行います。デュールを作るのにリキッドをベースにするといったようなことはありません。毎朝、翌日分の種継ぎを行っています。

デュールとリキッドの違い、固体と液状という違いのほかに、決定的な違いがあります。もちろん、その違いがデュールはデュールで、リキッドはリキッドでそれぞれ種継ぎをしている理由でもあります。

デュールはどちらかというと「しっかりと酸味がある」という特徴を持ったルヴァンであるのに対して、リキッドは「やわらかい乳酸系の酸味を持つ」ルヴァンである、ということ。この特徴の違いがそれぞれのパンへの使用基準にもなっています。酸味を味わいにのせたい大型パンにはデュールを使い、酸味はあまり必要なく、豊かな風味と保存性をよくするためにバゲットなどにはリキッドを使用しているのです。

上述のルヴァンを使用しているバゲット生地。低温で寝かしている最中のものを出して見せていただきました。製法自体は基本的にはミキシングはあまりかけず、こねた生地を一晩以上しっかりと低温で寝かせて、風味を出したものを、分割、成型、焼成しています。もちろん、この時点で生地からよい香りが。しっかりと風味が乗っている予感です。

 

しっかりと焼きこまれたハード系のパンたち。よい香りが漂います。

もちろん、ヴィエノワズリーもパティスリーもおいしそうなものばかり。味とオーガニックであることの他に重要視している「見た目のよさ」というキーワードもしっかりと反映されています。

お店はオフィス街に位置しているため、朝はどちからといえばゆったり目にすごすことができるそうですが、お昼ともなれば、ものすごく忙しくなるそう。こんなにおいしそうなパン屋さんが近くにあるこの界隈の人がとてもうらやましくなります。

私が訪問したのが朝9時でしたので、サンドイッチ類を見ることはできませんでしたが、お昼ともなれば、サンドイッチが飛ぶように売れるそうです。

マドレーヌ、サンラザール界隈にホテルを取られる方は朝食にお勧めです。イートインスペースもあり、朝からおいしいヴィエノワズリーを味わえます。そのほかの地区の方もメトロやバスにのって足を運ぶ価値のあるお店です。ぜひ、訪れてみてください。

LA BOULANGERIE THIERRY MARX
51, RUE DE LABORDE 75008 PARIS

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