2017/06/09

バスク地方のお菓子

先日、バスク地方を訪れ、パティスリーをたずねました。

バスク地方はフランスとスペイン両国にまたがります。大西洋に面した通称海バスクとピレネー山脈の足元に広がる山バスクの2つに分かれますが、今回は海バスクへ。

ビアリッツ

ミルモン

ミルモン

大西洋に面したサロンドテで有名なミルモン

ミルモン

ショーケース内にはプティガトーとともに、やはりガトーバスクが幅を利かせています。

LES HALLES 常設市場

市内中心部にあるLES HALLES 常設市場です

ガトーバスクの専門店

ガトーバスクの専門店が数店舗入っていました。

ガトーバスクの専門店

ミルモンなどのパティスリーよりもかなりお買い得な価格設定。4人分の中サイズで7.90€。

ショコラトリー・アンリエ

ショコラトリー・アンリエ

ショコラトリー・アンリエ。バスクはフランスのショコラ発祥の地です。その昔、新大陸を発見したスペインは現地で見つけたカカオ豆を大量に持ち帰り、欧州のチョコレート文化が始まりました。スペインと国境を接するこの地方にはスペインからの職人が多く移住し、チョコレート文化がフランスに始めてもたらされたのがバスク地方というわけです。

きれいなボンボンショコラ

きれいなボンボンショコラが並びます

きれいなお菓子が並びます

チョコレート以外も充実。洗練されたアンリエならではのきれいなお菓子が並びます。真ん中やや左下の黒い大きなケーキがベレ・バスク。これもまた、この地方のお菓子です。

メゾン・アダム

続いて、移動して、サン・ジャン・ドゥ・リュズの街へ。

メゾン・アダム

名産の唐辛子ピマン・デスプレットが装飾にびっしり使われているメゾン・アダムへ。
ここは17世紀に当地で結婚式を挙げたフランス皇太子ルイ14世とスペイン王女マリーテレーズにそのマカロンを献上したことでも有名なお店です。

マカロンタワー

お祝いの定番、マカロンタワー。色とりどりの華やかなマカロンパリジャンとは違いますが、このマカロン・ドゥ・サンジャン・ドゥ・リュズも立派です。

チョコレートも充実

もちろんチョコレートも充実

マカロン

すでに箱にスタンバイされているマカロン。お土産でたくさんの人が買われるのでしょうね。一体1日に何個焼いているの?と聞いたところ、店員さんもわからないと。「ものすごくたくさん」と答えてくれました(笑)

パリエス

パリエス

続いてパリエス。アダムと並んでこの小さな街の双璧です。

パリエス店内 パリエス店内

こちらの名物もマカロンですが、ムシューと名付けられ商標登録されています。アダムよりもモダンなお菓子が並びますが、ガトーもバスクもしっかり。

オイアルツン

次は国境をまたいでスペイン側へ。サンセバスチャンの街にやってきました。オイアルツン。

パステル・バスコ(PASTEL VASCO)

夕方だったこともあり、多くのお菓子は売れてしまっていましたが。ガトーバスクはしっかりとありました。スペイン語ではパステル・バスコ(PASTEL VASCO)といいます。フランス側のそれよりもかなり素朴な味わいです。

オタエギ

オタエギ

続いてオタエギ

パンチネタ(PANTXINETA)
写真中央はこの店発祥でバスクの郷土菓子に発展したパンチネタ(PANTXINETA)というお菓子。パイ菓子で中にはレモンクリームカスタードが入っています。

MOFティエリー・バマス氏の店舗

翌日は再び国境をまたいで、フランス側に。アングレットという小さな街にお店を構えるMOFティエリー・バマス氏をたずねました。
MOFティエリー・バマス氏の店舗
アングレットの中心地に着くと一目でわかるピンク色。間違いようがありません・・・
MOFティエリー・バマス氏の店舗

広い店内には生菓子から焼き菓子、チョコレートがたくさん並べられています。

生菓子
マカロン
焼き菓子
チョコレート
さすがMOFですね。地方のこんなにも小さな街でこのようなお菓子たちに出会えるとは想像していませんでした。お菓子たちの表情が凛としています。それもそのはず。ここはシェフとしてMOFパティシエのティエリー・バマス、その下には2015年のワールドチョコレートマスターズで優勝したヴァンサン・ヴァレがいるお店なのです。
厨房

厨房も見学させていただきましたが、あれっ、と思うほど小さな厨房。この本店のほかに他の街に2店舗あり、現在3店舗で展開中ですが、4店舗目をビアリッツ市内に建設中とのこと。複数の販売拠点があるのに、その小ささには正直驚きました。

質の高いお菓子を提供するのと同時に作業効率も徹底的に考えられて仕事されているとのこと。うまく機械を導入して、少人数でも非常に質の高いお菓子を作り出しています。

もちろんすべて機械で効率よく、というわけではありません。

チョコレートはモールドがメインですが、ガナッシュやプラリネを入れる作業はすべて手作業。ヴァンサンは50分で3500個以上作業することができると言っていました。質とスピード、その両方をこなせる腕があるのもまた確かです。

とてもよいお店でした。機会があればぜひ、訪れてみてください。

今回訪れたお店

PATISSERIE MIREMONT
1 BIS, PLACE CLEMENCEAU 64200 BIARRITZ

CHOCOLATERIE HENRIET
PLACE GEORGES CLEMENCEAU 64200 BIARRITZ

MAISON ADAM
4, PLACE LOUIS XIV 64500 ST JEAN DE LUZ

PARIES
9, RUE GAMBETTA 64500 ST JEAN DE LUZ

OIARTZUN
CALLE IGENTEA 2, 20003 SAN SEBASTIAN

OTAEGUI
CALLE NARRICA 15, 20003 SAN SEBASTIAN

PATISSERIE THIERRY BAMAS
3, RUE CHARLES KRAEMER 64600 ANGLET

ページ先頭へ戻る