バスク地方のお菓子
先日、バスク地方を訪れ、パティスリーをたずねました。
バスク地方はフランスとスペイン両国にまたがります。大西洋に面した通称海バスクとピレネー山脈の足元に広がる山バスクの2つに分かれますが、今回は海バスクへ。
ビアリッツ
ミルモン
ショコラトリー・アンリエ
ショコラトリー・アンリエ。バスクはフランスのショコラ発祥の地です。その昔、新大陸を発見したスペインは現地で見つけたカカオ豆を大量に持ち帰り、欧州のチョコレート文化が始まりました。スペインと国境を接するこの地方にはスペインからの職人が多く移住し、チョコレート文化がフランスに始めてもたらされたのがバスク地方というわけです。
チョコレート以外も充実。洗練されたアンリエならではのきれいなお菓子が並びます。真ん中やや左下の黒い大きなケーキがベレ・バスク。これもまた、この地方のお菓子です。
メゾン・アダム
続いて、移動して、サン・ジャン・ドゥ・リュズの街へ。
名産の唐辛子ピマン・デスプレットが装飾にびっしり使われているメゾン・アダムへ。
ここは17世紀に当地で結婚式を挙げたフランス皇太子ルイ14世とスペイン王女マリーテレーズにそのマカロンを献上したことでも有名なお店です。
お祝いの定番、マカロンタワー。色とりどりの華やかなマカロンパリジャンとは違いますが、このマカロン・ドゥ・サンジャン・ドゥ・リュズも立派です。
すでに箱にスタンバイされているマカロン。お土産でたくさんの人が買われるのでしょうね。一体1日に何個焼いているの?と聞いたところ、店員さんもわからないと。「ものすごくたくさん」と答えてくれました(笑)
パリエス
続いてパリエス。アダムと並んでこの小さな街の双璧です。
こちらの名物もマカロンですが、ムシューと名付けられ商標登録されています。アダムよりもモダンなお菓子が並びますが、ガトーもバスクもしっかり。
オイアルツン
次は国境をまたいでスペイン側へ。サンセバスチャンの街にやってきました。オイアルツン。
夕方だったこともあり、多くのお菓子は売れてしまっていましたが。ガトーバスクはしっかりとありました。スペイン語ではパステル・バスコ(PASTEL VASCO)といいます。フランス側のそれよりもかなり素朴な味わいです。
オタエギ
続いてオタエギ
MOFティエリー・バマス氏の店舗
厨房も見学させていただきましたが、あれっ、と思うほど小さな厨房。この本店のほかに他の街に2店舗あり、現在3店舗で展開中ですが、4店舗目をビアリッツ市内に建設中とのこと。複数の販売拠点があるのに、その小ささには正直驚きました。
質の高いお菓子を提供するのと同時に作業効率も徹底的に考えられて仕事されているとのこと。うまく機械を導入して、少人数でも非常に質の高いお菓子を作り出しています。
もちろんすべて機械で効率よく、というわけではありません。
チョコレートはモールドがメインですが、ガナッシュやプラリネを入れる作業はすべて手作業。ヴァンサンは50分で3500個以上作業することができると言っていました。質とスピード、その両方をこなせる腕があるのもまた確かです。
とてもよいお店でした。機会があればぜひ、訪れてみてください。
今回訪れたお店
PATISSERIE MIREMONT
1 BIS, PLACE CLEMENCEAU 64200 BIARRITZ
CHOCOLATERIE HENRIET
PLACE GEORGES CLEMENCEAU 64200 BIARRITZ
MAISON ADAM
4, PLACE LOUIS XIV 64500 ST JEAN DE LUZ
PARIES
9, RUE GAMBETTA 64500 ST JEAN DE LUZ
OIARTZUN
CALLE IGENTEA 2, 20003 SAN SEBASTIAN
OTAEGUI
CALLE NARRICA 15, 20003 SAN SEBASTIAN
PATISSERIE THIERRY BAMAS
3, RUE CHARLES KRAEMER 64600 ANGLET