2022.01.18

手づくりにしかできない仕上がりで魅せる『ラ ローズ ノワール』~第1弾 タルトシェル編~【Chef’s choice vol.05】 

Chef’s choiceとは…
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何を選び、どう使うか。
“これはいいね”とシェフが選ぶ素材を料理にどう展開するのか……。
素材を軸にしたシェフの読みをひも解きます。
不定期になりますが、本マガジンでひとつの素材をテーマに「Chef’s choice」を配信していきます。

今回は「ラ ローズ ノワール社」のタルトシェルについてご紹介します。

この素材についてご意見をいただたシェフは、
レストラン ラフィナージュ(東京・銀座)オーナーシェフ 高良 康之さんです。

「ラ ローズ ノワール」がハンドメイドにこだわる理由は、ハンドメイドでしかできないクオリティがあるから


-どのような料理にお使いになりますか?
アミューズやパーティーメニュー、デセールにいいですね。アミューズはお客様が一番最初に口にされるものですから、その一品でお店の印象が決まってしまう重要なものです。そうした意味からも、「ラ ローズ ノワール」は「気が利いてるな。」とインパクトを与えると思います。パーティーメニューについては言わずもがなです。「ラ ローズ ノワール」のアイテムは驚くほどたくさんあります。〝タルトシェル〟や〝バスケット〟には甘いタイプもありますから、〝チョコレートシェル〟のようにデセールにも使えます。料理の視野を広げるためにも積極的に取り入れたいですね。

-ラ ローズ ノワールを最初に見た時の感想を伺えますか?
実は、これはちょっと小さすぎるかもと正直思ったんですよ。でも、「タルトシェル」をそのまま食べてみて、食感もいいしバターの香りもする、練り込んであるスパイスもいい感じで、ずいぶん丁寧につくってあるなと思いました。実際にメニューにしてみると、小さすぎると思った大きさが一口で食べるにはとてもいいサイズ感で、調理の現場がよく分かっているなと感心しました。

「ラローズ ノワール」のコンセプトは〝世界の料理人やパティシエの手助けをするために、かゆい所に手が届くハイクオリティの商品をラインナップすること〟だそうです。その手づくりの様子が分かる動画がありますのでご覧ください。スタッフの人数や手さばきに感心させられます。

ラ ローズ ノワールの動画はこちらをクリック

「ラ ローズ ノワール」は、1991年にスイス人パティシエ、ジェラール・デュボワ氏が香港に開いたブーランジェリー・パティスリーで、昔ながらの製法ですべてを手づくりで製造しています。

これをレストランでつくろうとすると、とても手間がかかりますね。生地を寝かせて伸ばして、型にフォンサージュして焼きますが、こんなに小さな丸や四角のタルトシェルはそう綺麗には仕上がりません。この生地を垂直にフォンサージュするのは結構難しいし、型も販売されていないでしょう。

かわいく食べやすいタルトシェルで、プティタルトのパーティープレートをつくる。



-「ラ ローズ ノワール」の〝タルトシェル〟の使い方を教えていただけますか?
それでは「ラ ローズ ノワール」の〝タルトシェル〟を使って、〝タルトシェルのヴァリエ〟をつくってみましょう。
〝チーズとそら豆のタルトシェル〟は「タルトシェル ラウンド」にキッシュの生地とグリュイエールチーズ、ピマンデスペレット(エスペレットの唐辛子)を入れて、120℃のオーブンで8分焼き、焼いた空豆とトリュフを添えました。

2つ目は「タルトシェル スクエア」に炒めたポロ葱とポロ葱のフラン生地を入れ、同じようにオーブンで焼き、温かな生地の上にズワイ蟹を盛り、芽葱を飾り〝ズワイ蟹とポロ葱のフラン〟に仕上げました。

3つ目の〝ウニのキッシュ〟は「タルトシェル ラウンド」にキッシュの生地と炒めたほうれん草、ベーコンを入れオーブンで焼き、キッシュをよく冷ましてウニをあしらいます。今度は「タルトシェル スクエア」にマッシュルームのデュクセルとフラン生地を入れオーブンで焼き、充分に冷ましてからキャビアとシブレットをあしらい〝マッシュルームのフランとキャビア〟をつくりました。

最後の〝仔羊とロックフォールのタルトシェル〟は、仔羊のミンチを赤ワインとクミン、フォン・ド・ヴォーで炊き上げ、「タルトシェル ラウンド」にキッシュの生地と共に加え、オーブンで焼きます。これにロックフォールチーズとカシューナッツ、はちみつをのせ、パセリのみじん切りを添えました。

「ラ ローズ ノワール」の〝タルトシェル〟は最初は生地が厚いなと思いましたが、中にアパレイユを流し込んで焼くと、これくらいの厚みがあった方がいいと思います。薄いものは水分を吸ってクチャッとなって、焼成が終わって中には火が入っているのにまわりは湿っている。かと言って焼き直すと中にすが入ってしまう。そんなタルトシェルが凄く多いです。機械でつくるものはこの厚さが出せないのでしょう。「ラ ローズ ノワール」の〝タルトシェル〟は厚さがあるので崩れる感じがまったくありません。

サクッとしているし、しっとり感もあってとても口当たりがいいです。実はこの生地の厚さがちょうどよかったのですね。火の抜けがよくサクッと焼けたタルト生地は香りと歯ごたえがとてもよく、それぞれのアパレイユの特徴も現れていて、トッピングした具材との組み合わせが楽しめます。

一つ一つが個性的に仕上がって、「ラ ローズ ノワール」はここまで計算しているのでしょう。

アパレイユを流し入れて焼くと、生地の厚さが丁度いい


▲(左)ウニのキッシュ (右)仔羊とロックフォールのタルトシェル

「ラ ローズ ノワール」の〝タルトシェル〟の生地は厚く、内側がコーティングされているため水分の吸収が最小限に抑えられ、焼成するとサクッとした食感に仕上がります。料理の最終形態を想定してすべてが計算されているのです。

次回はパーティーメニューにピッタリのサクサクと軽い食感の『バスケット』とデザートで見栄えする『チョコレート』をシェフ目線で紹介いただきます。

どうぞ、お楽しみに!

▼出典元
“素材の品質と作り手の心を料理の現場へ伝える”食材情報誌「素材のちから」
公式サイト:http://www.sozainochikara.jp/
紙面情報などは、ぜひ上記URLからご覧ください。
※この記事は素材のちからより許諾を得て紙面の一部の内容を転載しております。
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