フランスのクリスマスマーケットに潜入【パティシエ通信 Vol.05(後編)】
クリスマスの風物詩クリスマスマーケットに行ってみました

今回のパティシエ通信Vol.5(後編)は、
フランス・ジャルニー在住のパティシエール”岸さん”より、フランスで開催されているクリスマスマーケット『マルシェ・ド・ノエル』についてレポートをしていただきました。
それでは”岸さん”宜しくお願いします。
ノエルの風物詩「マルシェ・ド・ノエル」
前編ではノエル時季に食べられるお菓子についてご紹介しましたが、後編ではフランスのクリスマスマーケット「マルシェ・ド・ノエル」に行って来ましたので、そちらについてご紹介します。
クリスマスマーケットの本場というとドイツを思い浮かべられる方も多いかと思いますが、フランスも負けていませんよ!!
フランスで最大級の「マルシェ・ド・ノエル」はドイツのすぐお隣のストラスブールで開催されており、規模はドイツにも引けをとりません! というわけで、私は去年に引き続き今年もフランス最大規模のクリスマスマーケットが開催されている、アルザス地方のストラスブールに出向きました。
ストラスブールを訪れて
今年もワクワクしながら、ストラスブールに向かいました!
現地に着いてまず出迎えてくれるのが、大きいクリスマスツリーです。
この日は非常に寒く雪がうっすら積もっていました。

クリスマスツリーを見て癒され、早速マルシェに向かいました。
マルシェに着くとまずびっくりするのが、お店の多さです。
この会場内には300軒以上の小さな山小屋が軒を連ねて並んでいます。
私はこの光景を初めて見た時は本当に圧倒されました。

マーケットでは、 「食べ物」・「食器」・「小物」・「衣類」等、クリスマスとアルザス地方にちなんだ様々なものが販売されています。
その光景は、とても賑やかで可愛いくて、料理やお菓子の良い香りがしており、私にとってはまさに夢の世界です。
やはりパティシエであれば気になるのがノエルのお菓子達です!
「シュトーレン」・「パンデピス」・「ブレデル」・「ベラベッカ」など、沢山のお菓子に出会えるんです。
なかでもアルザス地方特有のお菓子が次の2つです。
ブレデル
アルザス地方のノエル菓子で、クリスマス仕様の型などで焼かれたクッキーのことです。
豊富な種類があり、味だけでなく、形は「ハート」・「もみの木」・「ひし形」・「クローバー」・「月」・「星」など様々な物があり、目で見ても楽しくなるクッキーです。
ベラベッカ
こちらもアルザス地方の伝統的なお菓子で、アルザス地方の言葉で「洋ナシのパン」という意味になります。
名前に「パン」とついていますが、中には洋梨をはじめ10種類ほどのドライフルーツやナッツがぎっしり詰まった、密度の高いお菓子になります。
それではマルシェで販売されていたお菓子の一部をご紹介します。

ノエルのお菓子ボノム(人型のクッキー)やブレデル

リンゴにチョコレートやアメをコーティングしたお菓子
お腹が空いても安心 このマルシェでは様々な料理や飲み物も販売されていますので、お腹が空いた時は色々買って一休みもできますよ。
私のオススメは、ヴァンショー(ホットワイン)です!
赤と白の二種類ありますが、個人的にはヴァンショーは赤が好きです。
ヴァンショーとは、 赤ワインにオレンジの皮やシナモン、スターアニスなどの香辛料を入れて温めた飲み物です。
アルコールは熱でほぼ飛んでおり、何杯でも飲めてしまうのが怖いです。
会場では、家でも作れるようにヴァンショーの「エピス(香辛料)セット」も売られているのでお土産や自分用に買うのもオススメですよ。
そして、お腹もいっぱいになりワインも飲み、いい気分になった後は自分へのお土産を買いに、雑貨・小物エリアへ。
クリスマスツリーに飾るオーナメントやスノードーム、ぬいぐるみなどクリスマスにちなんだ雑貨も多数販売されています。


次の写真は、私が今回マーケットで購入した商品です。

ブレデル クリスマス仕様の型などで焼かれたクッキー 、ストラスブールの有名な焼き物の1つ、ベッチドルフのマグカップ 、天使の置物
マルシェ周辺のパティスリーやブーランジュリーもマルシェに負けるかとばかりにノエル仕様の装飾がされていました。
この時季はパティスリーもとても賑やかな雰囲気になります。


今回は時間の関係で電飾などでより賑やかになる夜まではいることはできませんでしたが、昼間でも十分楽しめるイベントだと思います。
パティシエ、ブーランジェの皆さんは、この時季にフランスに旅行で来るのはなかなか難しい とは思いますが、一生に一度でもこの雰囲気を味わいに是非フランスに来ていただきたいです!!
“岸さん”ノエル時季のお忙しい中、「前編」・「後編」にわたりレポートをしていただきありがとうございました。