【展示会出展レポート】モバックショウ2025に出展しました
2025年2月18日(火)~2025年2月21日(金)の4日間、インテックス大阪で開催された「2025モバックショウ(第29回国際製パン製菓関連産業展)」には延べ31,615人の来場者がありました。この記事では、会期中の弊社ブースの様子をレポートでお伝えします。
ご来場いただけなかった方はもちろん、ご来場いただいた方もぜひご覧ください!
①「効率化で課題解決」ゾーン
今回の弊社のブーステーマは「効率化で課題解決」「フードダイバーシティ」「高付加価値を体感」。ユーザーニーズに沿った3つのソリューションをフランス国旗のトリコロール(青・白・赤)に見立て、3つのゾーンに分けてご提案をさせていただきました。

「効率化で課題解決」ゾーンでは、人手不足、長時間労働、原材料価格高騰といった業界を取り巻く課題に対して、効率化をテーマに解決策をご提案いたしました。
ベーカリーでの安定した生地製造に欠かせないルサッフルのイースト製品をはじめ、ラ ローズ ノワールのタルトシェルなどの半製品やマカロン、CSMからは火を使わずに手軽にイタリアンメレンゲを作れる「ヴェネチアーナ」や卵不使用のカスタードパウダー「デリスインスタント」など、みなさんの仕事の効率化をお手伝いする商品をご紹介させていただきました。

▲ルサッフルのブースの様子
連日注目を集めた製菓製パンデモンストレーション

▲成澤芽衣シェフのデモンストレーションの様子
「効率化」をテーマに連日開催されたデモンストレーションでは、国内外の製菓製パンの有名シェフが実演し、たくさんの見学者が訪れました。
2017年にフランスのバゲットコンクールで優勝し、外国人そして女性として初の快挙を成し遂げた「ブーランジュリー・コルネイユ(フランス)」の成澤芽衣シェフは、現地フランスのベーカリースタイルや考え方についてお話しながら、お店で販売しているバゲットやいくつかのパンをデモンストレーション。

▲パン・オ・マイス(左)とパン・オ・ノワ(右)

職人の手ごねを再現するツインアームミキサー「カリプソ」
今回のデモンストレーションでは、ボンガードから新しくリリースされたツインアームミキサー「カリプソ」を使っての実演です。
職人の手ごねに近い状態でミキシングができるツインアームミキサーは、パンづくりにこだわりのある職人たちの間で注目度の高いアイテム。自身のお店でもツインアームミキサーを使っているという成澤シェフは「空気を抱き込みながら優しくミキシングをすることで生地へのダメージが少なく、また、長時間使用しても生地の温度が上がらないので氷を当てる必要もない」とツインアームの有用性を語っていただきました。

▲職人の手ごねを再現したボンガード社のツインアームミキサー「カリプソ」
時間短縮・効率化を支える、シェフが愛用するイースト
また、フランス現地では労働時間の制限が厳しいので、パン職人たちは多くの種類のパンを作るために、生地の種類は増やさず、ベースの生地から派生させて作っていくのが一般的で、常に時間と効率化を念頭に置いてパンを作っているのだとか。
そんななか、成澤シェフが信頼を寄せているイーストが「リロンデル1895」。長時間発酵や冷凍生地に適しており、糖配合が0~15%と幅広く、沢山のイーストを試した結果、リロンデル1895に辿り着き、いまではリロンデル1895のみを使っているそうです。
成澤シェフは、日本でリリースされる2年前からずっとリロンデルを使用しているヘビーユーザー。「すごく使い勝手のいいアイテム」と太鼓判を押されていました。

▲ルサッフル「リロンデル1895」
リロンデル1895のリリース130周年を迎えたルサッフル社は日仏商事メインブースの向かいに特設ブースを出展、これまでのラインナップやブランドの歴史を紹介し、日本の根強いファン職人たちが大勢訪れ、ブランドとの交流を図りました。

▲ルサッフル社の特設ブース
製パンコーナーでは成澤芽衣シェフ以外にも、M.O.Fブーランジェのパトリック・フェラン氏、ルサッフル社ベーキングセンター主任研究員製パン技術アドバイザーのジャンルイ・ブヴィエ氏など、フランスの有名シェフによるデモンストレーションが行われ、どのデモンストレーションも国内の有名シェフたちが熱心に見学にくるほどの盛況ぶりでした。

▲M.O.Fブーランジェ パトリック・フェラン氏によるデモンストレーション

▲ルサッフル社ベーキングセンター主任研究員製パン技術アドバイザーのジャンルイ・ブヴィエ氏によるデモンストレーション

▲画期的な分割成形機「パネオトラッド」の実演も
「店の文化を変える」シェフカット
イドロプロセス社のウォータージェットカッター「シェフカット」のデモンストレーションでは、「ル・ピノー」のシェフパティシエ/取締役の阿部浩文シェフに、実際にお店で販売しているアイテムのカット実演をしながらお話していただきました。
シェフカットのある店とない店の両方を経験した阿部シェフが感じたのは、圧倒的な「生産効率の差」でした。

▲「ル・ピノー」阿部シェフ
阿部シェフ
「今までは手でカットして、仕上がりを先輩やシェフが確認するという作業が、シェフカット導入によって簡略化され、完璧にきれいにカットされているので、その都度商品の状態を確認する必要もなくなる。操作も簡単なので入りたての子にも任せることができるので、まさしく会社の仕事の仕方、文化を変えるマシンだなと思いました」
人手不足のなか、人間に依存しない生産スタイル

▲実際にお店で販売しているアイテムをカット
また、シェフカットは生産効率の向上のみならず、人手不足の解消にも大いに貢献しているとのこと。
阿部シェフ
「業界では、ただでさえ少ない職人の確保が難しく、人件費もどんどん上がってきています。せっかく人材を確保しても3、4年教育してきて使える人材になった頃に辞めてしまうこともあります。そうなると、いかに人間の生産に依存しないかがカギだと考えました。その解決策として、私の場合はシェフカットを導入しました。職人の数を以前の2/3にして、品質を落とすことなく、これまで通りの生産を維持、または増やすことも可能になりましたし、以前は19、20時頃に作業が終わっていたのが、今では16時半には終わっていて、従業員に残って勉強するなどの選択肢を与えることもできます。こういったメリットは日々実感しています」
シェフカットを導入することにより「生産効率の向上」、「人件費削減」、「教育コスト削減」など、あらゆる課題を解決できているので、高額な機械ではあるものの、リターンは十分だと感じているそう。
この他にも、機械展示のコーナーでは、ドラジェマシン「THT45」、デポジッター「GM400」、タルト成形機などの実演を行いました。

▲SPSI社のデポジッター「GM400」の実演の様子
②「フードダイバーシティ」ゾーン
白色のゾーンは「フードダイバーシティ」。
食文化や食習慣、健康志向など、ニーズが多様化するなかで、注目される。インバウンドによるグローバル化だけでなく、日本人の中でも食の多様化が進み需要も高まりつつあります。
「ウェルネス」、「プラントベース」、「ドリンク」の3つのテーマに沿って、フードダイバーシティに対応した商品の提案をいたしました。
「ウェルネス」
「ウェルネス」のコーナーでは、健康志向に応える食材として、ライ麦、オーツ、ひまわりの種といった穀物や種子をバランスよくミックスしたコンクミックス「ヴァルドコルン」や、「消化」をテーマにしたパンを、ルサッフルのルヴァンシリーズ「フレキシ ルヴァン デュラム」と「フレキシ ルヴァン ライ」の2商品とともにご提案いたしました。
これまで活性を持ったルヴァンリキッドは賞味期限が短く、輸出入が不可能な状態でしたが、「フレキシルヴァン」はルサッフル社が試行錯誤の末開発した、活性を持った画期的な粉末ルヴァンです。粉に混ぜるだけで、本格的で豊かなルヴァンの風味を実現できます。

▲「フレキシ ルヴァン デュラム」(左)と「フレキシ ルヴァン ライ」(右)
これまで活性を持ったルヴァンリキッドは賞味期限が短く、輸出入が不可能な状態でしたが、「フレキシルヴァン」はルサッフル社が試行錯誤の末開発した、活性を持った画期的な粉末ルヴァンです。粉に混ぜるだけで、本格的で豊かなルヴァンの風味を実現できます。
「プラントベース」
「プラントベース」コーナーでは、増加するインバウンドで高まるヴィーガンのニーズに対応できるプラントベースやヴィーガン対応の商品をご提案。新商品の100%植物由来の次世代バター「ビー ベター マイフレンド」を筆頭に、ヴィーガンのコーンやタルトシェル(ラ ローズ ノワール)、天然色粉「モナリザ」などをご紹介いたしました。
「ビー ベター マイフレンド」は、サステナビリティ先進国のオランダで生まれた、100%植物由来の代替バターです。軽く豊かな口当たりと、ナチュラルな色・風味がフルーツやチョコレート、スパイスなどの素材をより引き立てます。同量の「ビー ベター マイフレンド」を現在お使いの乳バターに1:1で置き換えるだけなので、簡単にレシピの移行ができることも特長。原材料の高騰やプラントベースの需要にも対応できる、これからの時代に欠かせない注目の商品です。

▲次世代の代替バター「ビー ベター マイフレンド」
「ドリンク」
「ドリンク」コーナーでは、ノンアルコール需要に対応したモクテルやジュースなど、パーティーシーンを彩るドリンクをご提案いたしました。昨年発売されたばかりの新商品、フレンチレモネード「エリクシア」や、プレミアム コールド プレス ジュース「エミール ヴェルジョワ」を展示、試飲をしていただきました。

▲フレンチレモネード「エリクシア」
③「高付加価値を体験」ゾーン
赤のゾーン「高付加価値を体験」では、高品質な原材料をはじめ、フルーツ、チョコレート、洋酒との斬新な組み合わせから生まれる新しいアイデアレシピなどをご提案いたしました。
M.O.F のレシピ監修による商品が登場
目玉はなんといっても今年1月に新しくリリースされたばかりのグラスフランセーズ(アイスクリーム)「ベルーガ」。M..O..Fグラシエであるダヴィッド・ヴェスマエル氏をレシピ監修に迎え、妥協のない原材料と伝統的な製法で生み出された、フランスのエスプリを詰め込んだグラスフランセーズです。
ブースではグラスとソルベのラインナップ全13種類のなかから6種類のフレーバーの試食を実施いたしました。かつてないハイクオリティのグラスフランセーズに、試食された方々はみなさん目を丸くしておられました。

▲新商品のグラスフランセーズ「ベルーガ」
コアントローのコラボレシピ
レミー コアントローのブースでは、製菓製パン業界で130年以上愛用され続けているリキュール「コアントロー」を使用した香り高いレシピ2つを提案。
ひとつは、ナッピ社のアマレナチェリーとコアントローのコラボ商品「アマレナ オ コアントロー」を使った「ケイク オ フリュイ コンフィ」、もうひとつはフランスの伝統菓子サヴァランを、トラブリの濃縮コーヒーエキス「カフェエキストラ」でアレンジした「サヴァラン オ カフェ」を、ともに試食を交えて提案いたしました。
コアントローの香り高いオレンジリキュールとの組み合わせにより、足し算ではなく掛け算で風味に奥行きを与え、試食後に熱心に商品説明を聞いておられるお客様も数多くいらっしゃいました。

▲トラブリ「カフェエキストラ」
50種のフルーツピューレから自分だけのペアリングを
昨年秋にコーポレートアイデンティティの刷新をしたレ ヴェルジェ ボワロン社。
50種もの豊富なピューレラインアップを揃え、複数のピューレを組み合わせことで新たな価値を生み出すペアリングを提案。ブースでは、ベルガモットとポワールを組み合わせた「パート ド フリュイ ギモーヴ ベルガモット ポワール」と、シトロンジョンヌ、マリメロ、カラマンジを組み合わせた「サブレ プラリネシトロン」をご紹介しました。
また、展示会では初の試みとなる、お客様が自由にピューレを組み合わせることができるペアリング試食を実施。皆さん商品開発をするような真剣な表情で、フルーツピューレのペアリングを色々と試されていました。

▲50種類ものフルーツピューレのペアリングの可能性はまさしく無限大

▲ピューレのペアリングによるお菓子のレシピ2種を提案
コロナ禍の影響もあり、関西では久々の本格開催となった今回のモバックショウ。弊社ブースにもたくさんの方にご来場いただき、大盛況のうちに終えることができました。デモンストレーションを含めた種々のご提案が、皆様の課題解決のヒントになりますと幸いです。
今回ご来場できなかった方にもレシピをご紹介

今回の記事やMOBAC内でご紹介したレシピは、Cabinet(キャビネ)でダウンロードが可能です(要会員登録)。ぜひMOBAC特設ページをご覧ください。