2018/06/21

フランスTVで優勝 ピエール・エルメ氏も大絶賛した日本人チーム

フランスのテレビ番組 Le Meilleur Pâtissier (ベストパティシエ)。

一般参加者がテーマに沿った実技で製菓の腕を競う6チャンネル(M6)の人気番組です。

そのプロフェッショナルバージョンである Le Meilleur Pâtissier Les Professionnels (ベストプロフェッショナルパティシエ)が昨年に引き続き放映されました。各店舗3名の職人がチームを組み、与えられた課題を時間内にテレビカメラの前で仕上げるという製菓コンクールです。

フランスを中心としたパティスリー各店舗(カナダやモロッコからも参加)から多数の応募があり、コンクールのテレビ撮影に参加できる予備予選を突破した16チームのみが撮影当日ノルマンディー地方にあるシャトーに集められました。

Le Meilleur Pâtissier Les Professionnels (ベストプロフェッショナルパティシエ)

シャトーでは4チームごとにブロックが組まれ、4ブロックに分かれて本予選を戦います。ブロックごとに与えられるテーマが違うものの、各ブロック共通でまずは150個のガトー・アンディヴィデュエルを作成。ピエール・エルメ氏を審査員長とする審査員たち(フィリップ・コンティチーニ、シリル・リニャック、オードレイ・ジュレの各氏、計4名)の評価を受けます。4チームのうち、まずはこのガトー・アンディヴィデュエルの審査で一番得点の低い1チームが脱落。生き残った3チームで、次のお題であるピエス・アーティスティックとアントルメの両方を作成。同様に審査が行われ、先のガトー・アンディヴィデュエルの点数と合わせて、合計点数が一番高得点だったチームが決勝戦に駒を進めるという番組独自のルールでした。

決勝戦に駒を進めた4チームは最初の課題(レセプション菓子)をこなし、審査によって点数をつけられますが、落第するチームはありません。その後、最終課題(ピエス・アティスティックとタルト・オ・ショコラ)をこなし、審査の結果、最初の課題の点数と合わせて、一番の高得点をたたき出したチームが優勝です。。

番組は5月末から放送開始。まずは予選ブロックから。4週間にわたって各ブロックの予選の模様が放送されました。審査員たちが実技時間帯から会場に入って作業に目を光らせます。作業途中に味を見たり、作業の様子に突っ込んだり、好意的な意見もありますが、容赦のない辛辣な突っ込みも多く、見ていてハラハラさせられます。競技時間に続く、審査時間帯でも厳しい意見が多く飛び交います。

日本人チームも参戦

パリ7区に店舗を構えるモリヨシダの吉田守秀シェフもこのコンクールに同店スーシェフの萬さんと参戦。このお二方に数年前のシャルル・プルーストコンクール参戦が縁で仲良くなった大西達也シェフ(コンパルティールヴァロール)がチームに加わり、3名で課題をこなし、予選は圧勝で決勝に駒を進めました。

6月18日に放送された決勝戦でも他チームを圧倒。吉田さん、萬さん、大西さん3名のチームワークもよく、最終的に120点満点中105点の高得点(2位は92点)を出し、圧巻の優勝劇でした。特にお菓子の味のよさとピエスのテクニック、審査員もみな、称賛の嵐です。べた褒めのレベルでした。特にエルメ氏が大変気に入ったようで、最後のタルトオショコラの試食の際はおかわりまでし、小さく切り分けようとした人間に「もっと、もっと(大きく切って)」といい、もらったタルトをおいしそうに食べている姿が印象的でした。

料理人、パティシエ、パン職人。フランスでは近年、食に携わるプロフェッショナルのシェフたちがつとにメディアに取り上げられ、各カテゴリーで芸能人なみのセレブリティシェフが生まれています。

その登竜門のひとつともいえる同番組での勝者となった吉田シェフ。フランスでの今後の活躍が大きく期待されます。

テレビ局M6の番組公式サイト
https://www.6play.fr/le-meilleur-patissier-les-professionnels-p_6762

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