2020/02/26

ベーカリーでフードデリバリーってメリットはある?実際に活用しているお店に聞いてきました

フードデリバリー

皆さんこんにちは、N&Fマガジン編集部です!

あ~お腹空いた~、でも寒いし会社から出るのが嫌…

そんな時に便利なのが、フードデリバリーサービス。
ひと昔前だと、フードデリバリーのメニューといえばピザやお寿司が主流でしたが、最近はそのサービスも充実し、飲食店と提携を行い、会社や自宅でお店さながらのお料理がいただける時代になりました。

神戸市在住の筆者は、定期的に東京の事務所に行く機会があるのですが、お昼御飯が本当にネックなんです。

コンビニエンスストア、フードトラック、飲食店、どこに行っても長蛇の列(泣)
東京だけでなくオフィス街で働いている方は、同じ悩みを抱えているのではないでしょうか。

そこで救世主になりそうなのがこのフードデリバリーサービス!
こんな便利なサービスを活用しないわけにはいかない!

 

目次


2018年はデリバリー市場が4,000億円越えに

Uber Eats導入店に聞く!導入する際に知っておきたいことをまとめてみました

販売方法には工夫を!

今後、フードデリバリーサービスの需要は伸びる?

 

2018年はデリバリー市場が4,000億円越えに


フードデリバリー

デリバリー市場だけで4000億円って、数字だけみてもすごいですよね。

そもそもこれだけデリバリーサービスが普及したのはどんな理由があるのか?

それにはこんな理由が考えられます。
スマホの普及だけでなくデリバリーサービス自体が急激に進化したことが考えられます。

ひと昔前までは、お店のメニューを見ながら電話して注文というのが普通でした。
お届け時間も30分以内などざっくりとした時間の中、自宅やオフィスで待つ感じでしたよね。
そんな曖昧な状況の中で待つのは少々イライラする場面も。30分で届く保証もないですし。
今でこそクレジット決済が当たり前ですが、その当時は配達員に現金を支払うという…。
配達員もお釣りを準備しておかないとダメですし、現金を持ち歩くのはセキュリティ面でもよくないですよね。

それがスマホの普及とともに、専用アプリから好きなお店を選び、好きなメニューを選んで注文するだけ。
しかも配達員が今どこにいるかリアルタイムで分かるため、待ち時間も把握でき、決済はキャッシュレス。
本当にストレスフリーで便利になりましたよね。

こんな状況も後押しし、デリバリーサービスも増加し飲食店でもそのサービスの導入率が高まっています。

最近、都心・オフィス街を颯爽と走る配達員をよく見かけませんか?
その中でも大きい黒か緑のカバンを背負った「Uber Eats」の配達員が多く感じます。

私も早速Uber Eatsのサイトを見てみると、登録されているお店も多くメニューも豊富でワクワクしてきました。
さらに詳しくサイトを見ていて気付いたのですが、ベーカリーやパティスリーがほとんどない…。
パンで絞り込み検索をしても、ハンバーガーかサンドウィッチばかりが検索にヒットする。

弊社の材料を多く使用していただいているユーザー様がベーカリー、パティスリーだけに少々悲しくなりました。

そもそも、導入店舗が少ないのはなぜ?導入している店舗は実際はどうなの?
色々と疑問が湧いてきたので、実際に導入している店舗に聞いてきました!

Uber Eatsを導入しようと思っているベーカリーの皆さん必見ですよ!!

 

Uber Eats導入店に聞く!導入する際に知っておきたいことをまとめてみました


Uber Eats導入店

-導入のきっかけ
今回取材をした店舗では、Uber Eatsが日本に上陸した頃に、Uber Eatsの営業や既に導入した知り合いからの紹介で導入を決めたそうです。

その中で、店舗ビジネスの難しさに懸念を感じ始めた事もあり導入を決めた店舗もありました。
店舗ビジネスをする際にどうしてもネックになるのが、立地条件。
立地次第で、売り上げが明確に左右することもあると思います。
そこでネットビジネスを活用すれば、立地に関係なく売り上げを安定できるのは?
と言っても通販サイトを自社で運営するには運営コストが高くなり、広告費も必要。
専任のスタッフも必要なので、コストはそれなりにかかるのでハードルが高いと言えます。

通販でパンを販売する場合は、どれだけ早くても翌日です。
また調理系のパンを通販するのは難しいため、販売するパンも絞られてきます。
通販で焼きたてもしくは当日に焼いたパンをお届けするコンセプトで活用するには厳しいです。

Uber Eatsの場合であれば、そんな心配をせずに始められるので理想に近い販売スタイルという意見もありました。

-実際はどうなの?気になる導入コストや運用コスト
実際Uber Eatsを始めてみようと思ったけど、コスト面が気になるところ。
導入から運用にかかるコストについてはこんな感じです。

▼導入時のコスト
初期費用は10万円くらいとのこと。この10万円は
・専用タブレットのレンタル
・翻訳サービス
・Uber Eatsのサイトに掲載する商品の撮影
キャンペーンなどで一定の条件を満たすと割引になることもあるそうです。

受注や販売管理を行う専用タブレット

受注や販売管理を行う専用タブレット

▼運用コスト
お店の運営方法によって様々ですが、今回取材したお店では専任スタッフがいるわけではなく、店舗スタッフが兼任して行っているケースがほとんどでした。
また、デリバリー用の専用の包材はなく、店舗で販売する際と同じ包材を流用しているお店が多く、運用面でのコストはさほどかかっていないイメージです。

▼手数料
手数料が正直高い!
Uber Eatsの場合は、売上金額の『35%』を手数料として支払う必要があります。

例えば、
2,000円/件の注文を受けた場合。
Uber Eatsに700円(2000円×0.35)を支払う必要があるので、お店側に売上として振り込まれる金額は1,300円

この手数料から配達員の給料とUber Eatsの機能利用料が支払われるのそれくらいの費用がかかるのは致し方ないか。
ちょっと待って!!
その売り上げから、包材費や材料費、人件費を差し引くとどうなるの??

原価やその他のコストをしっかり考えておかないと、商品によっては売れば売るほど赤字になるケースも。

販売商品一例

販売商品一例

ではこの高額な手数料に対応するには、お店ではどうしているのか。

お店にお聞きすると、
販売価格に手数料を上のせされているケースが多かったです。
これは今回の取材先に関係なくUber Eats導入店がよく行っている対策の一つ。
なかにはセット販売をし、価格バランスを調整している店舗もありました。

 

販売方法には工夫を!


-運用面で気を付ける事は
ベーカリーの場合、飲食店と違い注文があってからパンを製造をするのは困難です。
ではお店ではどうやってパンを準備しているのか?
ほとんどのお店で、店舗で販売しているパンと在庫を併用していました。

この場合に気を付ける事は「在庫管理」です。
Uber Eatsに掲載しているパンがお店で売れてしまい、同タイミングでUber Eatsから注文があった場合、掲載しているパンが出せないケースも。
このような事がないように、単品販売しているお店では在庫管理が重要になるということ。

そのリスクを避けるため、単品販売をせずセット販売をして対策しているお店もありました。
例えば、
「ハード系のパン5種セット」というメニューを作り、注文があった際に在庫しているパンから選択してセット
にすれば、在庫リスクの回避もできる。

ベーカリー

-実際に受注件数はどれくらい
コストに続き気になるのは、受注件数。
どれだけの売り上げになるの??と思った方も多いはず。

実際には、土日に関係なく各店の1日の受注件数は多くて5件くらい。
少ない時は1件の時も。

ベーカリーでのUber Eats活用はまだまだ発展途上の段階で、対策は必要というのが各店の意見でした。

-実際導入して分かったメリットは
①新規顧客開拓
今まで店舗に来られたことがなかったお客さんがUber Eatsで商品を購入し、その後店舗に買いに来たケースも。
導入したことで一つの広告宣伝となり、リアル店舗来店のきっかけ作りになる。

②当日中にパンをお届けできる
Uber Eatsの場合は当日中にパンがお届けできる。
通販での販売が難しかった調理系パン(サンドウィッチなど)の販売も可能となり、販売できる商品に幅ができる。

-逆に実際に導入して分かったデメリットは
①検索にヒットしない
実際に筆者が、Uber Eatsの検索ページで「パン」で絞り込み検索をすると、ほとんどがハンバーガーかサンドウィッチがヒットし、ベーカリーで販売しているパンはなかなか出てきませんでした。

これは販売店側でも困っており、店舗名で検索をされないとなかなか販売ページにたどり着かないというのが、現状とのこと。
検索上位に表示されるような広告制度も現在はなく、検索にヒットする条件や販売する商品の見直しは必要になってきそうです。

②運営方法との相違
Uber Eatsは注文があってからお店で調理し、できたての料理をお届けするスタイルが主流。
できたてのライブ感が重視される中で、ベーカリーの場合は在庫しているパンを販売というのが、利用客とのイメージとマッチしていない可能性もあり。

-リピート客獲得のためにしていることは

フードデリバリー

Uber Eats利用者からすると、様々なお店がありメニューの選択肢が多いのは嬉しいですが、販売店としてはその
中から自分の店を選んでもらうのはそうそう簡単なことではありません。
そんな中、受注があったお客さんをいかにリピート客にするかは重要なことです。

今回取材に行ったお店では、リピートにつなげる施策として、
・ショップカードを入れる
・おすすめの商品を一つおまけで入れる
・手書きのメッセージを入れる
などなど、色々と対策はされていました。

実際にこの対策のおかげで、リピートにつながったり、友人に口コミで紹介してくれたケースもあったそうです。

 

今後、フードデリバリーサービスの需要は伸びる?


今後さらに需要は高まる事が推測できます。
というのも、今後は単身世帯の増加や、高齢者へのスマホ普及率のアップが背景にあることから、これまで以上に幅広い年齢層がデリバリーを利用していきそうです。

また、2019年10月に消費税増税に伴う軽減税率導入によって、イートインよりもテイクアウトやデリバリーを選択するユーザーも高まると予想されています。

-導入する前に考えておきたい対策は
①メニュー構成
今回の取材を通じて、Uber Eatsを始める際には、以下のようなメニュー構成を追加しても良さそうです。
▼ライブ感のあるメニュー
デメリットの紹介で記載した、利用客とのギャップ。
このギャップを埋めるために、ライブ感のあるメニューをラインナップに追加しても良いかも。
例えば、
・サンドウィッチでもホットサンド
・クロックムッシュ
・タルティーヌ
などなど事前に冷凍や冷蔵で下準備もできますし、できたてのライブ感を味わえるメニューを増やすと良さそうです。

▼セット提案またはサイドメニュー。
定番のパンをメインにするのであれば、スープやコーヒーなどのドリンクをサイドメニューに追加して、ランチセットやディナーセットなどにする事で需要は高まるかもしれません。
スープであれば、最近では業務用のレトルトも充実しています。
それに野菜やソーセージなどを追加してオリジナルスープにする事も可能です。

▼パーティー、ギフト商品
Uber Eatsの利用者で、自己消費で利用される方もいますが、取材を進めているとホームパーティーやおもたせとして商品を購入されている方もいるそうです。
突然の来客で、ギフト商品をUber Eatsで注文というスタイルもそう遠くはないかもしれません。
例えば、
定番のパンにドリンクやスープ、ハムやチーズなどをセットにしたホームパーティーセットなども良さそうです。
ハムやチーズであればお店でも併売できますし、ある程度賞味期限も長いのでロスにもならないのでは。

そして、ラスクやクグロフ、シュトーレン、食パンとジャムのセットなどおもたせにも対応できそうです。

なかなか外食ができない子育て世代のホームパーティー(ママ会や誕生日会など)や突然の来客時のおもたせなど需要は高まるかもしれません。

②広告宣伝
Uber Eatsを始める場合、自店で運営しているSNSや店頭でのチラシを活用して事前にPRしたり、導入後も積極的にデリバリーサービスのPRをする事は重要です。
またSNSではデリバリーエリア内にターゲットを絞り広告を掲載することで、需要増も見込めます!

フードデリバリー

 

まとめ


今後、需要増が予想されるフードデリバリーサービス。
店舗運営は、リアルとネットをうまく活用していくことが重要になってくるかもしれません。

フードデリバリーサービスを始めたいと思われた方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

 

取材協力


●イスズベーカリー
イスズベーカリー
住所:神戸市中央区布引町3丁目2番2号
TEL:078-241-4180(代表)
☞公式HP ☞Uber Eats販売ページ

 

●ブーランジェリー レコルト
ブーランジェリー レコルト
住所:神戸市兵庫区大開通7丁目5-16
TEL:078-599-6436
☞公式HP ☞Uber Eats販売ページ

 

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