2021.10.14

美味しいクリームパンに思わずうっとり。ヴィエノワズリーも人気のパティスリー 【オクトーブル】

皆さんこんにちは!

パティスリーの主力商品といえばもちろんお菓子ですが、今回はお菓子だけでなく、ヴィエノワズリー(菓子パン)も人気のお店「オクトーブル」様へ取材して参りました。パン屋さんのパンとはどう違うのか、気になりますね。

今回は弊社の扱うルサッフル商品をご活用いただいたことで改善されたこと、冷凍耐性のあるイーストや発酵の特徴についてもお伺いしました。日本やフランスの名店で修業をされた神田氏のご活躍の様子をお届けいたします。

▼Profile
ルコント、ノリエット、マルメゾンにて修行後フランスへ。
ローラン・デュシェーヌ(フランス)、ジェラール・ミュロ(フランス)
ピエール・エルメ(フランス)、リンツジャパンと名だたるシェフのお店で修業を重ねる。
2013年4月よりオクトーブル(OCTOBRE)開業。


-簡単にお店の紹介をお願いします
2013年に開業して、9年目に入りました。お店のコンセプトは「地域密着」。地元の人が来てくれるようなお店を目指しています。
スタッフは基本的に全員が製造も販売も担当しており、人数はアルバイトを含めて5人います。

もともと父親がこの場所で鉄工所を経営しており、その跡地にオープンしました。私が「リンツジャパン」で修業して3年が経った頃に父が引退することになり、それをきっかけに修業を終えてお店をオープンすることに決めました。

-人気の商品や看板メニューは何ですか?
パンでいうと「クリームパン」です。味はプレーンとチョコレートの2種類。またクロワッサンや食パンも結構売れています。お菓子ではモンブランやレアチーズケーキが良く売れています。そのほかチョコレート系のケーキはファンが多いと思います。
スペシャリテはチョコレートの「グランパレ」です。この商品名は「マルメゾン」の大山さんに命名していただきました。濃厚なチョコレートのガナッシュにフランボワーズ、ローストしたヘーゼルナッツの食感がアクセントの商品です。


▲「グランパレ」他、魅力的なケーキがたくさん


▲「チョコクリームパン」も人気

フランスの修業では、日本での経験が大変役に立ちました。作業は見てすぐに分かりましたし、作業の仕方や順番、見極めについても、その場の空気感で分かりました。細かなルールはそれぞれのお店で違いますが、基本的な作業の仕方は、意外と日本と変わらなかった気がします。フランスで働いてきた経験のあるシェフのもとで働いてきたので、フランスでもあまり違和感なく働けました。

 

-客層や、来店客が増える時間帯について教えて下さい
土・日・祝日はファミリー層が多いですが、平日は親子連れやご年配の方が多いです。来店時間は朝と午後3時以降が多く、土日は昼からひっきりなしに来店されています。ちなみに朝は、曜日に関係なくパンを買いに来て下さる方が多いです。


▲店内の様子

▲華やかなショーケース

▲食事系のパンも充実

▲焼きたてのヴィエノワズリー

 

-パンの販売はいつ頃から始めましたか?
もともと、ヴィエノワズリーやパンをやるつもりで開店準備をしてきました。オープン後数カ月くらい経ってから、クロワッサンなどから販売を始めました。

-商品のバラエティーや生産量はどうでしょうか?
商品は定番化しており、同じ商品を作るようにしています。春が過ぎて夏にさしかかる今の時期は、まんべんなく作っています。アイテム数は15~20種類で、季節によって生産量を変えています。


▲クロワッサン


▲クロワッサン・オ・ザマンド

 

-セミドライイーストをご採用いただいているとのことですが、商品を知ったきっかけはなんですか。また今まで使っていたパン酵母は何ですか
私の店のように、パンのアイテム数が多いのに仕込み回数が限られていると、1回に仕込む生地量がどうしても多くなります。そうなると、安定感が大切なのです。現在は成形冷凍法で作っています。

冷凍に対応するパン酵母を探してこれまでサフの赤と生イーストを使ってきましたが、営業の方から、セミドライイーストは長時間冷凍庫に入れていても発酵力が落ちず、冷凍にも耐性があることを教えてもらいました。

-セミドライイーストの情報を知って、採用を決めた理由や感想を教えて下さい。
手始めに何種類かの生地をセミドライイーストレッドにしましたが、今では全てセミドライイーストで仕込んでいます。私たちはパン屋さんと違って毎日パンを仕込むわけではないため一回に仕込む量が多いです。またパン屋さんのように一度に沢山売れませんので、毎日の製造量にバラツキが出てしまいますが、セミドライイーストを使うと、そのような環境下でも製品の安定感が違います。

一度作った生地は、日が経つにつれて膨らみにくくなったり遅くなるなど、どんどん劣化していきますが、セミドライイーストに変えてから品質に差がなくなった気がします。それが“安定感”なのだと思います。

また、パンだけでなくたくさんのお菓子を仕込むため、労働時間や作業性にも配慮しながら効率良く作っていくためにも、セミドライイーストを使うようになりました。


▲バターをたっぷりと使用したトレス

▲カラメルが香ばしいクイニーアマン

-今後挑戦したいパンはありますか
以前からハード系のパンにとても興味があるので、今後は勉強してみたいです。今はキッシュやクロックムッシュを作っていますが、地域の方が沢山いらっしゃるので、ゆくゆくはサンドイッチや総菜パンなどがあるといいなと思います。

-パン屋さんが作るパンと、オクトーブルさんで作るパンとの違いはありますか
パン屋さんとパティスリーでは、考えている方向性や、力を入れている部分が違うと思います。たとえば、クリームパンとひとくちにいっても、パン屋さんではたくさん作らないといけませんので、生産性も重要な要素だと思います。

そこで市販のフィリングを使うことも良くあると思いますが、パティスリーは量を作る必要がありません。パティスリーにとってカスタードクリーム(クレームパティシエール)は大切な材料なので、とてもこだわっています。

▲大人気のクリームパン。売り切れ必至です。


-パンの製造にあると便利な機材・機械、お店になくて困った機材・機械はありますか?
パン屋さんにはもっと便利な道具があるかもしれませんが、それを知らないため(笑)、今はこの環境で満足しています。
たとえばミキサーもパン屋さんのとは異なり、お菓子のミキサーのアタッチメントを変えて使います。ドゥコンディショナーやホイロは欲しいのですが、工房のスペースの問題があります。

 ▲生地の折り込み作業の様子

-コロナ禍で困ったことは何ですか。来店客の変化や分かったことなどがあれば教えて下さい。
困ったことはないですが、ケーキよりもパンが売れるようになったことは感じています。一時期パンがとても売れた時があり、以前作っていたパンをメニューに加えていろいろな種類のパンを出すようにして完売した時期もありました。
パンのなかでも売れるものと売れないものがありますが、売れるものばかりを置くのではなく様々な種類のパンをバランスよく並べておかないと、買い続けてくれたお客さんはあまりいませんでした。

食べていただき、味や値段で“いいな”と思われると、新しいこともやりやすくなることが分かりました。1つ1つのパンにそれぞれファンがついているような印象です。「あのパン、ないの」「これもうなくなっちゃった?」と言われます。
実は、クリームパンもはじめは4~5個しか売れませんでしたが、有名なパンのジャーナリストの方がたまたま食べて下さり、メディアを通じて広めてくれました。

 

-今後のお店の構想について教えて下さい

今後は、生菓子よりも焼菓子などのギフトを強化していきたいです。かき氷やソフトクリームなどもあると楽しいと思います。現状、お店ではSNSを使っていませんが、お店にいらしたお客様が発信して下さって、それを見た人が数珠つなぎで来店につながっています。
そのため、ここに来ると何でもある、来て良かった、買って嬉しいと思っていただけることをもっと考えていきたいです。
これまで、母の日にはお花屋さんとコラボして焼菓子とお花のセットを作ったり、クリスマスにはディーンアンドデルーカとコラボレーションをしてきました。

 

▲選ぶのが楽しいギフトにぴったりの様々な焼き菓子

 

編集後記


コロナ禍の時期でも人気の絶えないお店、オクトーブル様のご紹介いかがでしたか?
シックな店内と素敵なお菓子たち、そして大人気のヴィエノワズリー。こだわりが沢山つまった、魅力的な商品ばかりですね。菓子職人ならではのノウハウを生かして創られたヴィエノワズリーをはじめ、お菓子やお店の雰囲気も楽しんでいただけます。近くにこんなお店があったら、休日の朝食を買いに行きたいなぁと思いました。

 

取材協力


 

オクトーブル (OCTOBRE)
住所:東京都世田谷区太子堂3-23-9(Googleマップで見る
TEL:03-3421-7979
営業時間:10:00~19:00
定休日:火曜日
アクセス:東急田園都市線三軒茶屋駅から徒歩10分、東急世田谷線西太子堂駅から徒歩11分、東急世田谷線若林駅から徒歩14分
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