2022.05.31

「もっと手軽に冷凍スイーツ」~転化糖(スタボリン)の効果~【研究開発課がお客様の疑問を解決!】


お客様からの様々なお問い合わせや日々の製造で生じる疑問に、弊社の研究開発課で日々行っているテストやご提案でお答えします。

ーご相談内容ー
夏場は売り上げが下がる傾向にあります。アイスクリームなど販売できればいいのですが、手間がかかります。夏場の売上確保のため、何か良い商品提案があれば教えてください。

確かにアイスクリームは冷やしながら混ぜる、もしくはアイスマシンを使用しなければ滑らかな食感にするにはとても難しいかと思います。アイスマシンを使用したら製造は簡単になりますが、販売のオペレーション、ストック方法などの問題も出てきます。その問題を解決するため、ここ数年人気の「冷凍スイーツ」をご提案します。

冷凍スイーツが人気の理由

冷凍スイーツとは、冷凍庫から出してすぐ食べられるスイーツのことです 。
解凍した状態でもアイスのように溶けることなく形を保ち、半解凍の状態でも食べることができます。暑い夏に手軽に食べていただきやすく、夏場の売上確保の一助になると思います。

【作り手(お店)目線のメリット】
・夏場の売上確保
・チャンスロスがない(解凍の必要がないので、すぐ提供可能)
・廃棄ロスを減らせる(生ケーキに比べ賞味期限を長くとれる)
・生産計画を立てやすい
・ネットショップなど販売チャネルを拡大できる

【買い手(お客)目線のメリット】
・ストックできる(食べたいときにすぐ食べられる)
・食感の変化を楽しめる(解凍状態によって食感や味わいが変化します)

冷凍スイーツの第一歩!製造管理しやすい「アイストリュフ」

ガナッシュでありながらアイスのように冷凍のまま食べられる冷凍スイーツ。冷蔵庫で少し解凍すると柔らかな食感になります。半解凍でよりなめらかな食感になるなど、食べるタイミングを変えることで違った食感が楽しめます。

バリエーションも増やしやすい「フルーツアイスサンド」


サブレの間にムースを挟んだサブレサンド。ムースにはオレンジセグメントとレ ヴェルジェ ボワロンのポワールピューレを使用。さっぱりとした味わいが特徴です。 アイスクリームのように攪拌しながらつくるのではなく、泡立てた生クリームのムースを使った冷凍スイーツです。レシピではオレンジセグメントとレ ヴェルジェ ボワロンのポワールピューレを使用していますが、他のピューレに置き換えることでバリエーションを増やすこともできます。

センターに合わせてお好みのチョコレートでコーティングすることで、より特徴を出すこともできます。またチョコレートに液体油脂を入れることで柔らかさも調整可能。

冷凍スイーツの食感を柔らかくできるスタボリン(転化糖)


アイストリュフ、フルーツアイスサンド、両方とも通常の配合であれば、冷凍状態ではしっかり固まり、解凍しないと食べやすい食感にはなりません。

しかし、材料のグラニュー糖のうち30~100%を転化糖(スタボリン)に置き換えることで、冷凍状態でも食べやすい食感を保ちます。また半解凍や冷蔵状態でもおいしく食べることができます。

では、なぜ転化糖を使用すると食感が柔らかく食べやすい状態になるのでしょうか。

転化糖とは、ショ糖が酸や酵素によって加水分解した際に得られるブドウ糖と果糖が1対1の糖です。ショ糖も転化糖も成分は同じブドウ糖と果糖です。ショ糖はしっかり結合していますが、転化糖はブドウ糖、果糖がそれぞれ存在している糖になります。

つまり、

ショ糖=ブドウ糖+果糖(1分子になっている)

転化糖=ブドウ糖、果糖(それぞれ存在している)

ということになります。

その効果としては以下のようなことが挙げられます。

① 吸湿性、保水性がアップ
② 結晶化、粒状化を予防、防止
③ 焼き色、食感向上
④ 砂糖より高甘味度

そして冷凍スイーツに関しては特に上の②の結晶化、粒状化を予防、防止する効果が食感に作用します。通常、冷凍すると水分や糖分の結晶化、粒状化が起こります。それに対して転化糖(スタボリン)は結晶化、粒状化を予防、防止する効果があるため、冷凍の状態でグラニュー糖より柔らかい食感になるのです。

 

より理解いただきやすいよう、比較動画を用意しましたので、その違いをご確認ください。

▼グラニュー糖だけのムース

▼グラニュー糖を転化糖に置き換えたムース

まとめ

今回の記事では、夏場の売上対策の一つとして近年人気の高い冷凍スイーツについてご紹介しました。コンビニやスーパーだけでなくオンラインショップでの需要も高まっている冷凍スイーツ。

材料の一部を転化糖(スタボリン)に置き換えることで、より手軽に冷凍スイーツを販売することが可能です。冷凍できるということは、製造調整もしやすく、オンラインショップでの販売も可能になります。

アイスやジェラートのように専用の設備を揃える必要が無く、パティスリーの冷凍設備で製造できます。一度チャレンジしてみるのはいかがでしょうか。

この他にも、研究開発課では海外の商品を日本でより使いやすくするためにテストを行ったり、日々の製造で疑問を抱えているお客様の要望に応えるようテストを行ったりしています。今回の記事以外の内容でも、何かご相談やご質問がございましたらお気軽にお問合せください。

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