2017/10/06

フランスの旬のフルーツを紹介【パティシエ通信Vol.04(前編)】

日本ではあまり見かけないフランスの旬のフルーツについて調べてみました。

フランスのフルーツ

今回のパティシエ通信Vol.04は、
フランス・ジャルニー在住のパティシエール”岸さん”より、フランスで使われている「フルーツ」についてレポートをいただきました。

それでは”岸さん”宜しくお願いします。

 

フランスで使われている旬のフルーツ


今回は、春から夏にかけてフランスで最盛期を迎えた「フルーツ」についてご紹介します。

旬のフルーツは格別のおいしさで、春夏秋冬のあるフランスでも、日本と同じように四季折々の味覚が楽しめます。
特にフランスでは、春から夏にかけて旬のフルーツが盛りだくさんになる季節です。

この時季はパティスリーのショーケースも、フルーツ一色になるのが特長なんですよ!!

それでは春から夏に最盛期を迎えた「フルーツ」の一部をご紹介します。

  • フレーズ(いちご)
  • アプリコット(あんず)
  • スリーズ(さくらんぼ)
  • プルーン
  • ミラベル(西洋すもも)
  • クエッチ(プラム)
  • ブルーベリー
  • フランボワーズ

等が代表的です。次の写真はマルシェで販売されていた旬のフルーツです。

アプリコット

アプリコット

「ミラベル」(写真左) 「プルーン」(写真中央)

「ミラベル」(写真左) 「プルーン」(写真中央)

「フレーズ」(写真上) 「グロゼイユ(赤すぐり)」(写真下)

「フレーズ」(写真上) 「グロゼイユ(赤すぐり)」(写真下)

「スリーズ」や「グリオット」も充実

「スリーズ」や「グリオット」も充実

その中でも、日本でフレッシュフルーツとしてはあまり見かけないフルーツは、 「ミラベル」 「クエッチ」ではないでしょうか。

旬のフルーツの中で私の一番のお気に入りなのは「ミラベル」です!!

夏の半ばから秋の終わり頃にかけて最盛期を迎える「ミラベル」は最高に美味しく、使い勝手のよい万能フルーツではないかと思います。

ミラベル

「ミラベル」は日本国内では“西洋スモモ”と呼ばれており、 黄金色の上品な甘さのプラムです。

味は非常に甘くて桃に似ており、ブドウのようなみずみずしさがあります。
皮ごと食べられますが、中に種があるので食べるときは要注意ですよ。

地元のマルシェの方に聞くと、
「ミラベルの旬の時期はとても短い」 そうで、約3~4週間程度なのだとか。

実は、世界で流通している「ミラベル」のほとんどがフランス産と言うのも驚きで、フランス北東部ロレーヌ地方のものが特に有名で、世界で生産されるミラベルの7割はこの地域で栽培されているそうです。
また、ロレーヌの地方都市メッスでは毎年8月末になると 「Fêtes de la Mirabelle(ミラベル祭り)」 が開催されるほど、地元に根付いたフルーツなんですよ。

お菓子ではタルトに使われたり、ジャムやお酒、ジュースなど、さまざまな商品が販売されています。 面白いのが「ミラベル」がミックスされたコーラなども販売されています。
私が行ったスーパーでも、「ミラベル」の特設コーナーができていました。

ミラベルのドリンク

「ミラベル」だけでなく、ご紹介したフルーツのほとんどが、新鮮で甘みが十分あり加工する必要がない為、ほとんどのパティスリーで「タルト」として販売されるのも特徴的です。

 

旬のフルーツを使ったタルト


8月中旬ごろから私が働いている”フレッソン”でもミラベルののタルトが販売されています。

アプリコットのタルト(写真左) ミラベルのタルト(写真右)

アプリコットのタルト(写真左) ミラベルのタルト(写真右)

ヴァカンスでパリに訪れた際に寄ったカフェでも旬のフルーツを使ったタルトが販売されていました。

桃とローズマリーのタルト(写真左) アプリコットのタルト (写真上) リュバーブのタルト (写真右)

桃とローズマリーのタルト(写真左) アプリコットのタルト (写真上) リュバーブのタルト (写真右)

今回、旬のフルーツをご紹介したのには理由があります。
私は、日本で働いていた経験もあり、日本で使えるフレッシュフルーツには沢山出会いました。
ただ残念だったのが「リキュール」や「ピューレ」でしか使った事がないフルーツも沢山ありました。
「リキュール」や「ピューレ」が悪いと言う事ではなく、私も実際使用していましたし、そのおかげで知ったフルーツも沢山ありました。
だからこそ
「リキュール」や「ピューレ」で使用されているフレッシュフルーツってどんな物なんだろう
フランスではどんな感じでお菓子に使われているんだろう
という気持ちがどんどん膨らんでいきました。

それがフランスに来て、パティスリーで働いていると当たり前のようにフレッシュフルーツとして使われています 笑
この当たり前が、日本人からすると非常に新鮮なんですよ!!

そしてフレッシュフルーツだからこそ表現できるお菓子も沢山あります。

そんな思いがあるからでしょうか、私は春から夏に地元のマルシェに行くとすごくワクワクするんですよね。
日本では出会えない素材に出会えるのも、私がフランスに来た理由の一つです。

今回のレポートはここまでです。

パティシエ通信を担当して初めての長編レポートで、後編に続きます!! 後編では、私がお気に入りの「ミラベル」の産地メッスに出向き、ミラベル祭と言うお祭りに行ってきましたのでその内容をレポートします。
後編もお楽しみに!!

“岸さん”レポートありがとうございました。

次回パティシエ通信Vol.04(後編)も 是非ご覧ください。

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