製造のルール・文化を変える、
ウォータージェットカッター「シェフカット」とは?
製造の効率化、繊細なカットによる商品価値の向上をもたらすことができる、フランス イドロプロセス社 の「シェフカット」。この商品の魅力をみなさまに知っていただくために、2月に大阪で開催されたモバックショウ(第29回国際製パン製菓関連産業展)の日仏商事ブースにて、大阪北堀江にある「ル・ピノー」の阿部浩文取締役に登壇いただき、デモンストレーションを実施しました。
デモンストレーションで語られた言葉には、現場で実際に活用している職人ならではの、職場環境や作業効率の改善につながる学びや気づきが溢れていました。今回の特集では、阿部氏にお話しいただいたとても興味深いエピソードとともに、「シェフカット」の魅力をお届けしていきます。

INDEX

ル・ピノー
パティシエ、取締役
阿部浩文 氏
▼Profile
1994年大阪生まれ。神戸大学に在籍、辻製菓専門学校卒業。神奈川県の「パティスリーエチエンヌ」「ラ・ベルデュール」をはじめ、日本各地のパティスリーで技術の習得をする。のちに現在在籍する「ル・ピノー」にてパティシエ兼取締役に就任。
ル・ピノーHP:https://le-pineau.com/
製造のルール・文化を変えるとはどういうこと?
まずデモンストレーション冒頭では、阿部氏から導入のきっかけについてお話をいただきました。その中で特に印象的だったのは「導入してから店の文化が変わった」という言葉。そこには、業界がはらんでいる様々な問題をシェフカットで解決するためのいくつかのヒントが隠されていました。
-まずはシェフカットを導入したきっかけを教えていただけますか?
専門学校卒業後に全国各地のパティスリーに在籍し修行させていただくなかで、ウォータージェットカッターの導入店と非導入店の両方を経験しました。
例えば非導入店では、ムースを仕込んで冷凍しておき、使うときに半解凍させて一つずつ手で切っていましたが、導入店ではムースが固く凍った状態のまま機械に入れ、ボタンを押すだけでカットが完了していました。
その他にも、これまでは型に流し込んで作っていた動物の形のムースも、カードルで仕込んだものをウォータージェットカッターに入れて動物の形に切ればOK。ウォータージェットカッターを導入した店では、これまで人による品質管理が必要であったすべての仕事を簡略化させており、非導入店と比べると比較にならないほどの生産効率の差があることに衝撃を受けたのが最初のきっかけでした。
-手作業とは次元の違うウォータージェットカッターの圧倒的な能力に、業務改善の可能性を見出した阿部氏ですが、生産効率だけではない新たな魅力も発見されたとのこと。
先ほどの導入店では、最初からウォータージェットカッターを使って生産効率を上げる思考で作業工程を組み立てていました。「この商品のこの製造工程はウォータージェットカッターで切れるから、生産効率が良いこの商品にしよう。」というように、ウォータージェットカッターがある前提の商品開発をしていました。
毎日の作業も商品開発もスタッフ全員にとって、ウォータージェットカッターを当たり前に使う環境、そんな存在にしたいと考えたのが導入の一番大きなきっかけです。
非常に高額な機械、だからこそコストに対してのリターンを考えた。

「ウォータージェットカッターを導入することで確実に一人分以上の仕事をこなし、人の手ではできない仕事まで可能になります。さらに機械には教育をする時間がかからないため、二重の意味で時短になります。たとえ高額な機械であっても十分なリターンがあれば、導入する価値はある。」
阿部氏がこのように断言する背景には、すべてのオーナーが直面している重大な課題が存在しています。
「近年業界では、ただでさえ少ない職人の確保が難しく、せっかく人材を確保できたとしても、教育をして使える人材に成長させた後辞めてしまうことも少なくありません。同時に、長時間労働の是正、人件費の引き上げなど労働条件の改善に向けた社会全体の取り組みもあり、企業側にとっては職人一人あたりの価値が上がっているのも確か。こうした深刻化する人材不足や採用難、人件費の高騰などお金ではなかなか解決できない問題において鍵になるのは、なるべく人間に依存しない製造環境ではないでしょうか。」
こうしてウォータージェットカッター「シェフカット」を自身のお店「ル・ピノー」に導入した阿部氏。シェフカット導入後は、職人の数が減っても品質を落とすことなく、これまで以上に生産量を増加しながらも、労働時間の短縮に成功したとのことです。
スタッフは仕事を早めに切り上げて十分に休んだり、空いた時間を技術習得や商品開発に充てたりと、導入をきっかけにして職場全体のルールがいい意味で変化していき、それにともないお店の文化が変わっていくのを実感しているそうです。
シェフカットは非常に高額ではありますが、「生産効率の向上」「人件費削減」「教育コスト削減」「時短」などのあらゆる問題解決に繋がり、高額な投資に対しても十分なリターンが期待できる機械だといえます。


【実用編の動画はこちら】効率的に商品をカットするシェフカットをご覧いただけます。
うちの店にマッチするウォータージェットカッターを考えたら、その答えが「シェフカット」だった。
-ウォータージェットカッターは国内でも何種類か販売されていますが、その中でなぜシェフカットを選ばれたのか理由を教えていただけますか?
「あたらしく機械の導入を検討する際、設置場所を増設できない、騒音が出せない等といった現実的な問題に必ず突き当たります。実際にル・ピノーは大阪市内の住宅街にあり、機械設置のために場所を増設するのは難しく、また、周辺住民に迷惑をかけるため騒音は出せないという制限がありました。以前に在籍していた、シェフカットとは別のウォータージェットカッターを導入していた店では、周辺住民からの苦情を防ぐため、早朝と夜間は使用禁止で、限られた時間帯しか使うことができませんでした。ウォータージェットカッターを最大限に活用するためには昼夜問わず稼働させたかったので、静音性は絶対に欠かせない性能だと考えました。加えて、限られたスペースでも無理なく設置できるコンパクト設計であることも重要で、シェフカットはその両方を兼ね備えていました。コンパクトでありながらも十分なパワーとカット速度を保ちつつ、様々なデザインやサイズを手軽に試せる操作性の良さもあり、すべてが叶う理想的な機械であることが導入の決め手になりました。」
簡単設定で、人為的なミスを防ぐシェフカット
ウォータージェットカッター「シェフカット」は、カットサイズと希望の型を選択してボタンを押すだけの簡単設定。最後に速度を決めれば、あとはコンピューターが自動計算でカットのルートを最短距離で割り出してくれます。ロスを最小限に抑える一筆書きの自動計算、それこそが人力では叶わない機械の成せる業といえます。

シェフカットの導入によって変化していく製造環境
ミスを減らし生産効率を上げるだけでなく、機械がある前提で商品開発に取り組むことにより、多くの良い変化をもたらすシェフカット。例えば、原材料の高騰している商品を、凝った形のオリジナルデザインで補うことで、お客様に十分な満足感を味わっていただけることもあります。また、人の手で切るには細かすぎてできない作業もシェフカットを使えば容易に実現できるため、デザイン性の高い魅力的な商品を生み出すこともできます。シェフカットを中心として、店の業務導線や時間管理、商品開発までをも組み立てることで、これまで以上に生産効率が格段に上がり店全体に好循環をもたらすことができるのではないでしょうか。
【デザイン編の動画はこちら】繊細かつ自在なシェフカットをご覧いただけます。
今回はシェフカットを導入したことをきっかけとしてお店の業務改善を遂げたパティスリーのエピソードをお届けしました。
来たる2025年6月10(火)~13日(金) 東京ビッグサイトにて開催されるFOOMAでは、今回ご紹介したシェフカットを日仏商事から出展いたします。ご興味のある方はぜひ会場までお越しいただき、シェフカットの魅力を間近で体感してください。
▶FOOMA情報はこちら:https://www.foomajapan.jp/
また期間中会場までお越しいただけない場合は、以下よりお問い合わせください。
お待ちしております。
