2026/01/21

フランス通信vol.09 進化するパリのヴィエノワズリー

お菓子の王国フランス。特に、海外からの観光客がひっきりなしに訪れるパリでは、地元の人たちを大事にしながらも、SNSを通じていかに魅力的でオリジナリティのある商品を打ち出すかが集客の大きなカギとなります。

美しいケーキでいまもなお行列の絶えない「セドリック・グロレ」などはその代表格ですが、近年ではパティスリーのみならず、ヴィエノワズリーも進化しています。
ヴィエノワズリーとは、クロワッサンやパン・オ・ショコラなどに代表される、卵・バター・砂糖を使ったリッチなパン菓子の総称です。
今回は、パリで人気のオリジナリティあふれるヴィエノワズリーをいくつかご紹介します。

プランクール(PLEINCOEUR)

まずは、「ワールド・ベスト50」パリの5つ星ホテル、シュバル・ブランのチーフ・パティシエを務めるなど、いま最も注目を集めるパティシエ。そんな彼が17区に2024年にオープンしたパンとパティスリーのお店です。

「プランクール」の店内

▲「プランクール」の店内

プランクールのテーマは、フレデリック氏の家族や仲間の絆、自身の育ったノルマンディー地方。これまでの彼の華やかなキャリアとは印象の違った、厳選された新鮮な食材を使用した家庭的でありながら創作的なヴィエノワズリーを出しています。そのなかから2つのスペシャリティを紹介します。

クイン・オ・ポム(KOUIGN AUX POMMES)

クイン・オ・ポムは、クイニーアマンとタルトタタンのフュージョン。
バターの量が多く表面の固い伝統のクイニーアマンの生地とは違ってライトな食感が新鮮に感じます。中のリンゴも甘味が抑えられ、素材の食感と自然な酸味が引き立っていて、とても食べやすい一品。かつてはしっかりと甘さを出したフランスのお菓子も昨今はかなり甘さを抑えている印象です。

フイユテ・リ・オ・レ(FEUILLETÉE RIZ AU LAIT)

2つに分けて食べられるような形が特徴的な、折込み生地のデニッシュの中に入っているのは、なんとリ・オ・レ。リ・オ・レというのはフランスの家庭では伝統的な、お米とミルクで作るデザート。シェフのお母様のレシピが元という、子供の頃の思い出からの創作お菓子です。
上にキャラメルソースがかかっており、中には甘味を抑えたリ・オ・レ。
さくさくとしたフイユテ生地と、なかからとろりとしたリ・オ・レが出てくる絶妙な食感のコンビネーション。側面には、キャラメリゼしたソバの実をコーティングした贅沢な一品です。

なかにはリ・オ・レがたっぷり

▲なかにはリ・オ・レがたっぷり

2025年には同じ17区にチョコレートとヘーゼルナッツの工房を併設した「アトリエ・プランクール(Atelier Pleincoeur)」をオープン。17区は移民文化と昔ながらの町の雰囲気がほどよくミックスした地域。パリを訪れた際には散歩がてら足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

【店舗情報】
プランクール(Pleincoeur)
住所 : 64 Rue des Batignolles, 75017 Paris
営業時間:8:00-20:00(無休)
HP:https://pleincoeur.com/
インスタグラム:https://www.instagram.com/pleincoeur_official/

アトリエ・プランクール(Atelier Pleincoeur)
住所:12 Rue Mstislav Rostropovitch, 75017 Paris
営業時間:8:00-19:00(無休)

マミッシュ(MAMICHE)

「マミッシュ(MAMICHE)」は、若い女性デュオが始めたパリ9区にある新世代ベーカリー。自家製の小麦粉やAOPバター等のこだわりの素材を使い、飾らない素朴なパンを作り続ける、いつも行列が絶えない人気店です。

マミッシュの店内

▲マミッシュの店内

バブカ(Babka)

このお店で紹介するのは、いまパリで人気のバブカ。
元々東欧からきたこのパンは、近年フランスにすっかり定着し、こちらでも一番の人気商品です。マミッシュでは、インパクトのある大型サイズを切り売り。お客は希望のサイズを伝え、スタッフが量り売りしてくれます。しっとりした生地にしっかり練り込まれたチョコレート風味が引き立ちます。

ルレ・カネル(Roulé Cannelle)

手作り感のあるルレ・カネル(シナモンロール)も、やわらかく弾力のある生地に香り高いシナモンが均等に練り込まれ、抜群の美味しさです。アイシングがかかっていないので、甘すぎず食べやすいのもポイント。

【店舗情報】
マミッシュ(Mamiche)
住所 : 45 rue Condorcet, 75017
営業時間:8:00-20:00(火-金)/ 8:00-19:00(土)
HP:https://www.mamiche.fr/
インスタグラム:https://www.instagram.com/boulangeriemamiche/
※2号店を32 Rue du Château d’Eau 75010にオープン。

ジェフリー・カーニュ(Jeffrey Cagnes)

「ジェフリー・カーニュ」は、パリで最も古い老舗菓子店「ストレー(Stohrer)」のエグゼクティブ・シェフ・パティシエを務めたジェフリー・カーニュ氏が2021年にオープンしたパティスリー。ストレーには昔ながらの伝統的なフランス菓子が並びますが、自身のお店では彼自身の感性で再解釈したモダンなお菓子やヴィエノワズリーが人気。国際的にも注目を集める若手実力派のパティシエです。

バブカ・ピスターシュ(Babka Pistache)

若い世代に大人気なのは、バブカ・ピスターシュ(Babka Pistache)。
ピスタチオクランチの下に緑に着色したホワイトチョコレートクリーム、そして、生地にピスタチオペーストが練り込まれ、ボリューム満点の一品です。

オラネ(Oranais)

新商品のオラネ(Oranais)は、アプリコット・ビエノワズリー。
クロワッサン生地の表面をカリカリに仕上げ、中のアプリコットコンフィは甘酸っぱさがソフトに抑えられ、生地の食感にマッチしています。
中央の色鮮やかな大粒のアプリコットは食感もしっかりしていて、ボリュームと美味しさを兼ね備えています。

【店舗情報】
ジェフリー・カーニュ(Jeffry Cagnes)
住所 : 73 Rue Montorgueil, 75002 ※市内他に3店舗を展開
営業時間:9:00-20:00(月-土)/ 9:00-19:00(日)
HP:https://jeffreycagnes.fr/
インスタグラム:https://www.instagram.com/jeffreycagnes/
Facebook:https://www.facebook.com/cagnesjeffrey
TikTok:https://www.tiktok.com/@jeffreycagnes?

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