2026/01/29

パンの魅力を底上げする、セミインダストリーでのフレキシ ルヴァン活用法


活性のある画期的な粉末ルヴァン「フレキシ ルヴァン」。この新しいルヴァンに開発時から注目し、現在愛用いただいている、ベイクルーズグループでベーカリー部門のテクニカルインストラクターを務める矢澤氏に、パン職人、そしてセミインダストリーの視点からその魅力を語っていただきました。

フレキシルヴァンに関する詳細はこちら

株式会社BAYCREW’S
シェフ・ブーランジェ
矢澤 央 氏

▼Profile
ベイクルーズ初のブーランジェリー「BOUL’ANGE」、ブーランジュリー&カフェ「RITUEL」のパンを作るベーカリー部門のテクニカルインストラクター。

フレキシ ルヴァンなら、小麦のポテンシャルを120%引き出せる


フレキシルヴァンシリーズ

▲フレキシルヴァンシリーズ

‐フレキシ ルヴァンとの出会いについて教えてください。
ブビエさん(ジャンルイ・ブビエ氏/ルサッフル社テクニカルアドバイザー)が、フレキシ ルヴァンが発売になる前に「こんな商品があるから使ってみて」って持ってきてくれて。今までなかったタイプのものだから半信半疑でやってみたら、あらら、すごいじゃんって。
それでてっきりすぐ発売だと思って日仏さんに聞いたら、まだ試作段階ということで。それから2年待ちましたよ。長かったですねえ。

‐フレキシ ルヴァンのいちばんの魅力はなんでしょう?
もちろん使いやすさもあるんだけど、やっぱり美味しくなるのが一番。僕の考えるゴールは、美味しいパンを作ることですから。フレキシ ルヴァンをきちんと使えば、小麦の一粒一粒を完全にアルファ化させて、小麦がもつ甘さとか香りとか、そのポテンシャルを120%引き出せると思っています。
ときどき、新人のスタッフを集めてランチタイムにパンの試食会をやっているんですが、そこでフレキシ ルヴァンを使ったバゲットとそうでないものとを、何も言わずに出すんです。そうしたら、特にフレキシ ルヴァンのデュラムを使っているバゲットの方は、女性でも気がついたら一本食べちゃっているんですよ。それぐらい違う、食べやすくて美味しい。効果が確実で、しかもそれが食べる人にしっかり伝わっているのがいいんですよね。

‐他にはどんなメリットを感じましたか?
ボリュームが出ることと、安定性ですね。窯でしっかり伸びてくれる。粉が水分を吸う時間をしっかり取れて、冷蔵でオーバーナイトしたり、仕込んで玉で冷凍したあと冷蔵で解凍したり、いろいろ試したけど安定しているんですよ。焼成時間も若干少なくて済むし、ブレも少ない。
火抜けが良くなって、消化が良く日持ちも良くなって、買った後に家で冷凍してリベイクしても美味しく食べられる。フレキシ ルヴァンだと水分移行がゆっくりになるから、日持ちは1.5倍ぐらいは伸びる感じですかね。

美味しいパンを作るというゴールへの、有効なアプローチの一つ


自分で時間と手前をかけて、伝統的な自家製のルヴァンを使うのも素晴らしいことだと思います。フレキシ ルヴァンを使用する場合も、自家製のルヴァンを使用する場合も、本当に美味しいパンを作りたいという想いの点では変わらないと僕は思いますね。美味しいパンを作るためのアプローチの一つに、フレキシ ルヴァンがあると。
実際のところ、自家製ルヴァンの管理はプロでもかなり難しい。品質を安定させるのは至難の技ですから。安定したルヴァンを手軽に使えるのは良いことだと思います。

株式会社ベイクルーズが展開するブーランジェリーブランド「BOUL’ANGE(ブール・アンジュ)」

▲株式会社ベイクルーズが展開するブーランジェリーブランド「BOUL’ANGE(ブール・アンジュ)」

株式会社ベイクルーズが展開するブーランジェリーブランド「RITUEL(リチュエル)」

▲株式会社ベイクルーズが展開するブーランジェリーブランド「RITUEL(リチュエル)」

フレキシ ルヴァンを使用して、売上が約2倍になったパンも


‐実際の商品だと、どんなパンに使用されていますか?
主にハード系ですね。で、間接的にはクロワッサンにもパートフェルメンテを入れています。あとはパネトーネとか。特にバゲットとモンターニュはフレキシ ルヴァンを使うようになってからよく出るようになりましたね。バゲットは以前の2倍は作っていますよ。

BOUL’ANGEで販売されているハード系商品。フレキシルヴァンを使用

▲BOUL’ANGEで販売されているハード系商品。フレキシルヴァンを使用

2025年クリスマスシーズンに販売された「パネトーネ」

▲2025年クリスマスシーズンに販売された「パネトーネ」

パネトーネの種にフレキシルヴァンを使用

▲パネトーネの種にフレキシルヴァンを使用

‐その要因はなんだと思いますか?
ひとつはボリュームかと思います。しっかり膨らんでボリューム感があるので、売り場で見た時に魅力的に感じますよね。で、いざ買って食べてみたら美味しいので、リピーターになってもらえる。モンターニュは見た目が岩みたいだし、まさか売れるとは思わなかったのに、今や人気商品ですから。これは味が評価してもらえたということだと思いますね。

RITUELの人気商品「モンターニュ」

▲RITUELの人気商品「モンターニュ」

‐今後はどんなパンに活用したいですか?
やっぱりパン屋としては、ハード系、ブリオッシュ、クロワッサンかな。この3つは外せないです。美味しくなって日持ちもするって、お客さんにとってもメリットあるから、本当は全部のパンに使いたいぐらいですけどね。(笑)
フレキシ ルヴァンでルヴァンが身近になることで、パンにハマるきっかけというか、入門になるといいなとも思っています。「このパン美味しい!でもなんでだろう?」「ルヴァンが使われてるみたいだけれどルヴァンってなに?」って。
ルヴァンという存在を知って、他のルヴァンを使ったパンを食べてみたり、自家製ルヴァンを使っているパン屋さんを探したり。もっとパンの沼にハマって欲しいですね。

作業時間の短縮、品質の安定でセミインダストリーの悩みを解決


‐セミインダストリーにおける、フレキシ ルヴァンのメリットはなんでしょう?
とにかく美味しくなったこと以外だと、工程を減らせることですね。作業の負担と時間を減らせる。それに品質が安定して窯伸びも良くなったので、多少成形にムラがあっても焼成すると一定の形に整う。結果的にロスも減りました。特に工場だとパン作りの経験がないスタッフも多いですから。そこで一定の品質を確保できるのは大きいですね。

BOUL’ANGEで販売されているパン

▲BOUL’ANGEで販売されているパン

RITUELで販売されているパン

▲RITUELで販売されているパン

‐コスト的にはいかがでしょう?
使う量も少ないし、原価率はほとんど変わらないかな。誤差程度だと思います。

LV1 サフルヴァンとの併用で、様々なパンに応用できる


‐これまではLV1 サフルヴァンも使われていたそうですが、どの辺に違いを感じますか?
フレキシ ルヴァンは少量でもしっかり発酵するのが特性なので、逆に緩やかに発酵させたい時やバランスを取りたい時はLV1サフルヴァンを使っています。食パンとかはLV1 サフルヴァンの方が合うと思うけど、最近トレンドの味がしっかりした食パンだったらフレキシ ルヴァンかな。LV1 サフルヴァンの方がマイルドだから、若い人はフレキシ ルヴァン、高めの年齢層の方にはLV1 サフルヴァンが向いている印象がありますね。

‐イーストと併用もされているとお聞きしましたが。
最初はフレキシ ルヴァンだけで発酵させて作っていましたが、今は基本的にLV1 サフルヴァンとかサフのセミドライイースト ゴールドと併用しています。作りたいパンや欲しい仕上がりに合わせて、いろいろ使い方を変えています。

BOUL’ANGEで人気の「クロワッサンシリーズ」

▲BOUL’ANGEで人気の「クロワッサンシリーズ」

フレキシ ルヴァンがチャレンジを後押ししてくれる


メリットでいうと、もう 1つ。「管理がしやすく扱いやすいから、いろんなレシピにチャレンジしやすい!」こと。これにこれしたらどうなるのかなってアイデアもいっぱい出てくる。しかもアイデアが浮かんだ時に、すぐにテストができる。これは嬉しいですよ、可能性が広がる。自家製のルヴァンも6種類持っていますが、すぐには使えませんから。


扱いやすいので若手のスタッフでも使えますし、いろいろ試してみたらいいと思います。ここからルヴァンに興味を持って、自家製ルヴァンを立ち上げて使ってみてもいいですし。それで壁にぶつかって、試行錯誤してさらに経験を積むとか、若い人には、パンに夢と希望を持ち続けて欲しいと常々思っています。

‐今年の第11回LESAFFRE製パンコンテストで、フレキシ ルヴァンを含むリヴェンドシリーズが指定材料になっていますが、その点についてどう思われますか?
ルサッフルの製品がないとパンができないと言っても過言じゃないぐらい重要だし、フランスのメーカーだし、やっぱりコンテストとしても別格ですよね。そこでフレキシ ルヴァンのような新しい素材を使えるのは、面白いと思います。
ルサッフルのコンテストは若い世代にこそ挑戦してほしいと思うんですよね。どうしてもベテランの参加者が多い印象があるかと思うけど、そのベテランに話を聞けるチャンスでもあるわけですから。それにコンテストの緊張感を味わうのも、当日の会場や懇親会で世代を超えてパンについて語り合うのも、本当にいい経験になると思います。受賞できなくても、得るものがたくさんありますからね。パン職人として成長したい若い人にぴったりですよ。

まとめ


ハード系だけでなく様々なパンに活用できることや、セミインダストリーの現場で使用するメリットについても知ることができ、改めてフレキシルヴァンの革新性を感じました。
さらに今回の取材では、矢澤氏が理想とするパンへの想いや、次世代のパン職人の育成まで話が広がりました。その上で、フレキシルヴァンが日本のパン業界、そして日本の食文化にどのような影響を与えるのか、今後が楽しみになりました。

■第11回LESAFFRE製パンコンテストに関する詳細はこちら■

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取材協力


株式会社BAYCREW’S B.C. BAKERY

撮影協力:BOUL’ANGE(ブール・アンジュ)新宿4丁目店
住所:東京都新宿区新宿4-1-7 1階
営業時間:8:00~20:00
定休日:不定休
電話番号:03-6835-5306
HP:https://www.flavorworks.co.jp/boulange
Instagram:https://www.instagram.com/boulange.jp/

写真提供:RITUEL(リチュエル)
HP:https://www.rituel-flavorworks.com/
Instagram:https://www.instagram.com/rituel_japan/

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