2019/11/15

日本とは違う??パリのカフェ事情について調べてみました【パティシエ通信Vol.14】

パリのカフェ

Bonjour こんばんは。パリジェンヌの岸です!
失礼しました…パティシエ通信の岸です(笑)

早いものでもう11月。今年もあと1ヶ月しかない。
日本はようやく肌寒くなってきた頃でしょうか?

フランスは、9月中旬くらいから寒くなったり暑くなったりを繰り返しながら、10月には薄手のコートやマフラーを羽織らないと朝晩は後悔するほど寒かったです。
でも人によっては、10月でも半袖・サンダルの人もいれば真冬みたいにダウンジャケットの人もいるので「人種によって体感温度が違うのか…?」と考えつつ毎日メトロに乗って通勤しております。

フランスは、昨今の日本と違い秋らしい気候や春らしい気候が2ヶ月以上続くので私が子供の頃の日本(昭和の日本)を思い出します。
あ、歳がバレる(汗)
この気候に金木犀の香りがあれば完全に古き良き日本の秋なんですけどねぇ…。
さてさて、秋といえばスポーツ、読書、黄昏、芸術そして食欲ですよね。
今回のテーマは…
読書もでき、食事もでき、たそがれることもできる、「カフェ情報」をお伝えします。
今回は、芸術の秋にちなんで芸術の都パリのカフェに行って来ました~。

 

日本でお馴染みのあのカフェも!パリ市内のカフェに行ってみました


日本人女子は大好きですよね「カフェ」??私もその一人です。
何だかオシャレで、海外の流行りのスイーツはカフェからやって来る的なイメージ持っている私。
そんな私が大好きなカフェですが、パリにも様々な形態のカフェがあります。

最新のカフェや老舗のカフェ、ブラッスリー、猫カフェなどなど種類は数え切れず。

日本ではお馴染みの猫カフェですが、フランスではとても新しい形態らしく、ここ2年でまだ2、3店舗しかないそうです。

パリの猫カフェ

▲外からでも猫カフェと分かる猫のイラストの看板が目をひく

パリの猫カフェ

▲猫ちゃんがこっちを見てる~可愛いい。実は猫好きの私

そして、日本でも流行りのタピオカドリンク。
ありましたフランスにも(笑)
フランスではこのタピオカドリンクの事を「ババルティー」と呼んでいます。
店員さんは台湾系のアジアンなので本場のタピオカドリンク店に来た雰囲気を味わえます。
フランスにもタピオカドリンクブームが来ているのか、「タピってる」市民を良く見かけます(笑)

フランスのタピオカドリンク「ババルティー」

▲流行りにのっかって「タピって」みました(笑)

うんうん、タピドリ美味しいやん!!
って「タピってる」場合じゃない、ちゃんとレポートしないと(汗)

カフェ好きでいきなりカフェをどんどん紹介しようとしてしまいましたが、少しフランスでのカフェの歴史についてご紹介しますね。

 

フランスのカフェの歴史は古かった


フランスはカフェの本場。
やはり本場だけあって、歴史はとても古く17世紀後半にまで遡ります。
カフェは、歴史上名高い芸術家や文豪、政治家達と深い関係があり、ただお茶を飲む場ではなく、討論を繰り広げ、思想を高め合い、志を分かち合ったりと色んな分野の歴史を動かした聖地のような場所でした。
時代によっては社交の場に変わることもあって、動乱の時代も華やかな時代もカフェはパリの中で生き続けてきました。
そして今もその歴史の舞台になったカフェ達は存在していて、たくさんの観光客や地元の人々に愛され続けています。
カフェの発祥と言われているパリの「オデオン」から始まり「モンマルトル」→「モンパルナス」→「サン ジェルマン デ プレ」と、パリの中でも時代や時の人達と共に栄える場所も移り変わっていきました。

パリ市内でカフェの歴史巡りをされるのも面白いと思いますよ。

▲パリ最古のカフェ・レストランとして有名な「LE PROCOPE」(1686年頃にオープン)

▲パリ最古のカフェ・レストランとして有名な「LE PROCOPE」(1686年頃にオープン)

 

フランスでは定番!カフェでお酒が飲めるのも魅力


フランスではほとんどのカフェでお酒が飲める

フランスのカフェは、歴史の古さはもちろんカフェでのスタイルも日本と少し違います。
日本のカフェはスイーツ中心だと思います。
喫茶店だとモーニングやランチもあると思いますが、いずれにしても明るいうちに訪れるイメージで、夜だったとしても食後のデザートやコーヒーで立ち寄るのが定番のスタイルだと思います。

そう大きく違うのは、フランスのカフェには、お酒があること!
最近では日本でもお酒が飲めるカフェがあるとは思いますが、フランスではほとんどのカフェでお酒が飲めるんです。

実際にカフェに行くと、みんな普通にお昼からお酒を飲んでいます。しかもカフェで。
ワイン大国のフランス、そら飲みますよね。
余談ですが、私の勤務先の食堂にも缶ビールやたまにワインが置かれています…
いつ飲むのか聞きたい…笑、飲みたい…笑

次の写真は私がマレ地区に行った際に立ち寄った「Le DRAPEAU」というカフェ。
店内は、落ち着いた雰囲気で、まるでバーにいるような雰囲気。

マレ地区に行った際に立ち寄った「Le DRAPEAU」というカフェ

このように、ワインやビールが飲めます。

ワインやビールが飲めます

もちろんお酒だけでなく食事メニューもあり、サンドイッチのような軽食から肉や魚などのしっかりしたお食事メニューもあります。

食事メニューもあり
お食事メニューもあります

更にスイーツメニューもあるので、今いちカフェとブラッスリーの境目が分かりません。
フランス人の友達に聞いても、その境目はないような、よく分かってないような答えでした。
要はカフェにもお酒や料理があって、ブラッスリーにもスイーツやヴィエノワズリーがあると言うことなのです。

となると、1日の流れはこうなります。
●朝 :petit déjeuner(朝食)
●午前中:憩いの場
●昼 :déjeuner(昼食)
●午後 :お茶タイム
●夕方 :アペリティフ(食前酒)
●夜 :dîner (夕食)夜20時ごろ

フランス人は、アペリティフの時間をとても大切にします。
ホームパーティーでも外食でも夕食前はほぼ必ずアペリティフタイムを作ります。
慣れていなかった時は「え…いつ食事が始まるの?もしかしてこれが夕食?」と戸惑いました…笑
深夜までデザートやコーヒー、お酒を飲んでいます。
このように1日を通して全く違う顔を見せるのがフランスのカフェ&ブラッスリーなのです。

昼間のカフェの様子

▲昼間のカフェの様子

夜のカフェの様子

▲夜のカフェの様子

日本のカフェは、どちらかと言うとフランスのサロン ド テに近いと思います。

 

そもそもフランスのサロン ド テとは?


サロン ド テとはそのままティールームのこと。
フランスで有名店と言えばアンジェリーナやラデュレなどなど。
クロックムッシュなどの軽食はあるものの、あくまで主役はスイーツ&ティー♪
基本、お酒はありません。

ですのでカフェよりかは優雅な雰囲気が漂っており、また観光客にも人気なため、カフェが至るところにあるのに対し、サロン ド テは立地の良い人気スポットに多く見られます。

その分価格はカフェに比べてお高めです。
ちなみに最近私の一番のお気に入りサロン ド テは『マミー ガトー』というお店。
アットホームで暖かい まさにマミーな空間のサロンなんです。

マミーと言っても田舎風ではなく可愛くて洗練されていてオシャレなパリ風です。
フランス版温故知新という感じでしょうか…?

●Mamie Gateaux(マミーガトー)

ということで、マミーガトーに行ったのでご紹介します。
外観はグレーを基調とし、レトロな雰囲気ですね~。

Mamie Gateaux(マミーガトー)

さすが人気店。ほぼ満席でしたが、たまたま行った時に空席があったのですぐに座れました。

Mamie Gateaux(マミーガトー)
Mamie Gateaux(マミーガトー)
Mamie Gateaux(マミーガトー)

早速、ケーキやスコーン、紅茶を頼み まったりとした時間を過ごします。
あ~この時間最高~。

Mamie Gateaux(マミーガトー)

どのケーキを食べても本当に美味しんです。
パリに来られたら是非行ってみて下さいね。

●インスタ映え系カフェ

フランス人も例に漏れずインスタ映える物がお好きなようで、映えるカフェメニューのあるお店には行列ができています…
私は映える物には興味ないのですが、この際なので行ってみました(笑)

レピュブリック広場近くの「season」というカフェでいただいた映える系メニュー達。

レピュブリック広場近くの「season」

▲カラフルなバーガーとパンケーキ

レピュブリック広場近くの「season」

▲映えるカプチーノ

日本人は何でもパシャパシャ写真を撮りますが、その様子はフランス人的には奇妙に見えるらしく、よく笑われます。
が、このお店では珍しく浮きませんでした(笑)

 

カフェとサロン ド テのメニューを比較してみました


初めてフランスに来た時は食事メニューを渡されても、英語かフランス語か聞かれても「読めませーーーん!」
と言う状態でしたが、初めから自然に読めたのが唯一デザートメニューでした(パティシエなので)。
では早速メニューを見ていきましょう。

▼カフェ

カフェのメニュー

ブラッスリーやカフェのメニューはアイス、クレープ、クレームブリュレなど、レストランデセールに近いメニューが多いです。

 

▼サロン ド テ
サロン ド テのメニュー

サロンのメニューはパティスリーのガトーが置かれております。
そしてショーケースがあり実物を見て決めることが出来ます。
さらにブラッスリーの店員さんはギャルソンと言う男性のウェイターが多いのに対しサロンは女性の店員さんが多い気がしました。

ホテルのサロン ド テも必見です
パリにはフランスのホテルに与えられる格付け最高位「パラス」の称号を持つホテルが11軒あり、私もその1つの「ル ブリストル パリ」に勤めております。
ホテルのシェフ達は交友関係があり最新の情報や技術を共有する一方で、各々のラボでは常に新しいアイディアや技術を生み出すべく絶え間なく試作や実験が繰り返されています。

新しい物がパリから多く発信されるのも頷けます。
そのシェフ達がクリエイトする最新のスイーツが各ホテルのサロンで味わえるのです!!

サロンでいただけるアフタヌーンティ

▲サロンでいただけるアフタヌーンティ

ル ブリストルのプティガトー

▲ル ブリストルのプティガトー

 

取材を終えて


今回の取材で思ったこと。
めちゃくちゃ面白かった~(笑)
私自身、パリに来たら追求したかったことだったので、心に火が付いたようなワクワク感がありました。
これをきっかけに本一冊書けるくらい調べていってパリのカフェマニアになろうかと思います。
カフェ、ブラッスリーはお店ごとに趣があって歴史を感じ、なおかつその雰囲気が好きです。
お茶しながら見える建物自体にも歴史がありさらに雰囲気を盛ってくれます。

サロンは店それぞれに特徴があってコンセプトが伝わってきます。
両者全く違う魅力があるので、私は会う人やその日の気分で使い分けてます。

そうそう私がフランスに来て知ったのですが、暑い日に「あ~アイスコーヒー飲みてぇ~」となった時に、カフェでアイスコーヒーを探しても無いんです…フランスには。
今回のカフェ巡りをした際に各店でメニューを見ましたがやはり無い。

たまにアイスとホットと書かれたメニューがあるので、「あるやん!」と思い頼んでみると。
冷たい牛乳と熱いエスプレッソが別々に出てきて、自分で混ぜてね的な…笑
結果、ヌルくなるやつでした。 氷を別で頼むこともできますが、面倒ですよね。 アイスコーヒーを飲みたかったら全世界にあるチェーン店に行くことをオススメします。

パリに来られたら有名パティスリーを巡る日以外にカフェ、ブラッスリーを巡るぶらり旅も盛り込んでみて下さいね~。

ではでは
À bientôt

 

関連URL


フランス通信vol.1 フランス人は太陽とおしゃべりが大好き!夏の風物詩「アペロ」

▼岸さんが働いているお店(カフェ アントニア)
https://www.oetkercollection.com/fr/hotels/le-bristol-paris/restaurants-et-bar/restaurants/cafe-antonia/

▼岸さんブログ(個人)
https://ameblo.jp/piiiiiiisan/

▼パティシエ通信(過去配信記事)
https://www.nichifutsu.co.jp/magazine/tag/patissier-communication/

ページ先頭へ戻る