2023/03/28

『卵不使用ガトーショコラ』三大アレルゲンの一つ、卵が入らないお菓子のレシピを考えてみました!

卵不使用ガトーショコラ

卵が食べられない方も、寂しい思いをされることなくケーキを楽しんで頂けるように・・・パティスリーでどのような取り組みが出来るでしょうか。

ケーキのスポンジ生地や、クッキー生地、パイやシュー生地、カスタードクリームなど、卵はお菓子を作る上で無くてはならない大事な材料です。 しかし、卵は食物アレルギーの三大アレルゲンの一つでもあるため『卵不使用のケーキ』を探している方も少なくありません。実際にこうしたニーズに応えるため、食物アレルギー対応ケーキを考え販売を始めたというお店も少しずつですが増えているようです。

アレルギーに限らず宗教上の理由などで食事に制限のある方など、様々な立場の方を想定したレシピを提案することで、「全ての方が共に同じお菓子を楽しめる場面が増えたら…」との想いから、弊社研究開発課ではレシピ開発を進めています。今回は卵不使用のレシピをご紹介します。

卵もベーキングパウダーも使わないで、生地にボリュームを出すには?

『卵も添加物も加えないレシピ開発』という企画のため、卵だけでなく、ベーキングパウダーも使用せず、生地にボリュームを出すのにとても苦労しました。

今回のようなスポンジ状の生地を仕込む場合、卵が担う役割としては「気泡性」、「熱凝固性」、「乳化性」と、コクや風味向上などが考えられます。

これらの役割を代用する材料や方法を調べるなかで、マクロビオティックのレシピで卵の代用として豆乳を泡立てて使用している例を知り、参考にさせて頂きました。

弊社研究開発スタッフ豆乳は、冷たいまま泡立てるとすぐに泡が消えてしまいますが、湯煎で温めながら泡立てると、きめ細かなムース状の泡になります。また、使用する豆乳選びも大切なポイントです。

濃い無調整豆乳で大豆固形分11〜12%のものを使用すると、泡立ちが良く安定することがテストしていくうちにわかりました。 しかし、このように泡立てた豆乳のムースは卵と異なり繊細な泡なので、他の材料を加えていくと、どんどん泡が消えてしまいます。

そのため、製造時は泡が消えないよう手早く合わせることがポイントです。

また、蓋をして焼成することで生地の乾燥を防ぎ、もちっとした食感のチョコレート生地が出来上がりました。

カカオマスを加え濃厚さと食感を。糖分の代わりにラムレーズンで、洗練された味わいに。

生地にチョコレートを混ぜ込むと泡が消え、生地がだれてしまうため、粒のままのカカオマスを加えて濃厚さと食感を加えました。 また、糖分の代わりにラムレーズンを加えて甘味と食感を加えたところ、ラム酒の香りと複雑な甘味で、より洗練された味わいの生地に仕上がりました。

甘みを和らげながらカカオの風味や色を強く出せるカカオマス『グランカラク』

世界最古のラム蒸留所で製造されるラム酒『マウントゲイ55°』
ラム酒の歴史が始まった、カリブ諸島で生まれた『イルデュヴァン54°』

【レシピ】卵不使用ガトーショコラ

卵不使用ガトーショコラ
卵の代わりに豆乳を湯せんにかけながら泡立て、きめの細かい繊細な泡をつくり、残りの材料と合わせて焼き上げました。 糖は白砂糖を使わず、カソナードとはちみつを組み合わせました。 白砂糖の入らないカカオマスを粒のまま生地に混ぜることで、チョコレートの濃厚さと食感のアクセントを加えました。

ページ先頭へ戻る