フランス通信vol.03 フランス人に浸透していく日本の文化と味。パリにコンセプトストア「iRASSHAi(イラッシャイ)」がオープン
2023年8月、パリに「iRASSHAi(いらっしゃい)」というコンセプトストアがオープンしました。
パリの中心地に2年前に出来た現代アートミュージアム「Bourse de Commerce-Pinault Collection(ブルス ドゥ コメルス-ピノーコレクション)」。の横という立地で、日本好きのフランス人はもちろん、文化やアートに関心の高い人たちが通います。
経営者はフランス人の二人組。
旅行会社Japan Experienceの共同経営者、Xavier MARCHAND氏とThierry MAINCENT氏が立ち上げました。
コロナによるロックダウン中、大好きな日本へ行けなくなったことがきっかけとなり、「パリで日本を体験してもらえる場所を」と作られたのが「iRASSHAi」です。
総面積800㎡とかなり広いスペースには、大きく分けて雑貨・食材コーナー、レストラン、カフェの3つのスペースがあり、それぞれ「Le KISSATEN(喫茶店)」、「Le SHOKUDO(食堂)」など、日本好きの外国人たちの心をくすぐるネーミング。
食材は、ラムネやお菓子といったポップなものから、茅乃舎のだしや一保堂のお茶といった、こだわりの高級食材まで幅広い 品揃え。
パリには他にもいくつか日本食材を扱うお店がありますが、それらに比べると、味噌や米もワンランク上の品揃えで、日本人にとっても納得のラインナップになっています。
カフェコーナー「Le KISSATEN」では、コーヒーの他、日本茶や和菓子を提供しています。さらに軽食のおにぎりやタマゴサンドなど。タマゴサンドはそのまま「TAMAGO SANDO」とメニューに書かれていて、これだとフランス語の話せない日本人の観光客の方も安心です。
このカフェは夜になると「Le IZAKAYA(居酒屋)」に変わり、和風のカクテルや日本酒などを楽しむことができます。
「Le SHOKUDO(食堂)」 で提供するのは、カツカレーやナスの田楽、定番の定食と、まさに日本の食堂そのままの味を楽しむことができます。
iRASSHAi(イラッシャイ)
https://irasshai.co/
住所/ 40 rue du Louvre 75001
パリで人気の「UMAMI MATCHA CAFÉ (ウマミ マッチャ カフェ) 」
パリには「iRASSHAi」のほかにも日本をコンセプトにしたお店があります。
そのひとつが「UMAMI MATCHA CAFÉ (ウマミ マッチャ カフェ) 」。
こだわり日本食材をフランスに輸入するUMAMIという会社が2016年に始めたお店で、名前のとおり、抹茶味のスイーツやドリンクが充実しているカフェです。ランチは和食系のメニュー。
店の一角に、こだわり食材コーナーも併設しています。
このカフェのあるレピュブリック広場の裏通りは少し落ち着ける雰囲気もあり、平日の午後もパリジャンとパリジェンヌの憩いの場となっています。
UMAMI MATCHA CAFÉ(ウマミ マッチャ カフェ)
https://umamiparis.com/matchacafe/
住所/22 rue Béranger 75003
昔にくらべると、日本食もずいぶん浸透してきました。今ではパリにはおにぎり専門店まであり、おにぎりを片手に街を歩くパリジャンの姿を見かけることも。
ここまで日本の食文化が浸透してきた背景には、マンガやアニメなどが親しまれてきたこともありますが、健康志向の高まりを受け、日本のお味噌や納豆などの発酵食品が注目されてきたことが挙げられます。
家庭でもお味噌汁を作 ったり、巻き寿司を器用に作れるフランス人も増えたなか、良い食材を使って本格的なレシピに挑戦したい人たちの支持を得て人気は高まる一方のようです。
また、パリの日本食材ショップは日本人にとってもありがたいもの。
パリに旅行に来て何日か経って日本食が恋しくなったときには「iRASSHAi」や「UMAMI MATCHA CAFÉ」に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。