2019.01.24

(前編)フランスの新年のお菓子『ガレット デ ロワ』についてレポート【パティシエ通信Vol.10】


皆様遅くなりましたがBonne année !!パティシエ通信の岸です!

気付けば、1月も終わりではありますが素敵な新年を迎えられていますでしょうか?

パティシエの皆さんは、年末年始関係なく進物用に焼き菓子が売れたり、新年の集まりで生菓子が売れたり、バレンタインデーに向けてチョコレートを準備したりと、ノエルに引き続き忙しい日々が続いていると思います。

フランスでも同様で、
・ノエルのビュッシュ ド ノエル
・大晦日のアントルメ
・エピファニーのガレット デ ロワ
と私が働いているお店の厨房は休む暇もなく、バタバタしています。

その中でも1月に販売するガレット デ ロワの時季が一番忙しく、その月はガレット デ ロワの売り上げでお店が成り立っているといってもいいくらいです。
来店されるお客様のほとんどがガレット デ ロワを購入されます。

最近、日本でも取り扱い店舗が増えつつありますが、まだまだ認知度は低いお菓子ではないでしょうか。

では本場フランスでは?
となりますが、それはそれは古い歴史があるお菓子で今なおしっかりとフランスの宗教文化と歴史を感じる伝統菓子の1つとして存在しております。

今回のレポートは、前編・後編の連載で
前編:ガレット デ ロワの歴史と現在のパティスリーでの在り方
後編:ガレット デ ロワの製造現場とフランスでのガレット デ ロワの考え方
についてご紹介したいと思います。

 

ガレット デ ロワのはじまりは??


そもそもガレット デ ロワとは??
日本語に直訳すると「王さまのお菓子」!!

このお菓子はエピファニー(公現祭)である1月6日にちなんだお菓子ですが、現代では6日に関係なく1月中ずっと販売されています。

でもこのお菓子とエピファニーは元々は何の由来もないお菓子だったんです。
紆余曲折はありますが、簡単にまとめるとこういうことになります。

エピファニーとは、
東方の三博士がキリストを拝むためにやってきたことを記念する日。
三博士の目の前に、キリスト教が出現した日といわれています。

ガレット デ ロワとは、
ローマ時代まで遡り、農耕の神であるサートゥルヌスを祭るお祝いの期間に食べられたお菓子で、この中に入っていたそら豆を引いた者は奴隷でも主人に願いを叶えさせることが出来たそうな…。

ローマ時代ではそら豆は色々な投票の場で使われていたそうです。
そら豆!?そう、あのフェーブです!

ガレット デ ロワの中に入っているあのフェーブですよ。
元々は本物のそら豆を使っていたのですが、後にこれがコインになり、エピファニーにちなんだ陶器の形(キリストの赤ちゃんなど)に変化し、今となっては全くエピファニーに関係のない、なんでもありな陶器(店のロゴや今年流行った何か)の形になっております…。

キリスト生誕のお祝いの場面をモチーフにしたフェーブ

そしてローマから時代は流れて中世になり、カトリック教会がこの二つのお祭りをミックスして今日の形態になったといわれています…。
エピファニー自体現代のフランスではそれほど宗教色の強い祝日ではなく、フランスでは国民の祝日ではありません。
フランス人にとっては、家族や友達が新年に集まった時にワイワイ食べる、当たり付(フェーブ)のお菓子という感覚のようです。

 

フランスのパティスリーでの取り組み状況って?


私がフランスに来て1年目の時、働きだして1ヶ月でシェフ ド トゥール(生地製造責任者)に就任しました。
そう、これが大変でした…

トゥールというポジションはヴィエノワズリーはもちろん、キッシュ、フィユタージュやシュクレなどの生地全般を担当する部署で日本人が一番手薄な分野で学ぶことだらけでした。

そして何を隠そう、ガレット デ ロワはこのポジションの真骨頂のお菓子!!
それはもう大変でした…

夏からガレット デ ロワのために1パトン5kgほどのフィユタージュ(折込のパイ生地)を製造し始めます。
11月末までには、300パトンはストックしておかなければいけません。
そして12月からはひたすらガレットガレットガレット…呪いにかけられたように、ひたすらガレット デ ロワの製造をします。

トゥールはノエルなんか見てません!!
横でアントルメを製造しているスタッフがビュッシュ ド ノエルをめちゃくちゃ仕込んでいても、こちらは更にその先行ってますから!という状況です…笑

フランスで一番ガレット デ ロワが売れるのが、エピファニーのある1月第1週目の土日で、私の働いているフレッソンでは1日最高350台売れます。
パティスリーブーランジュリー(ケーキとパンを両方売る店)は1台の価格も安く、もっとたくさん売るそうです。
前回のパティシエ通信のスーパースイーツの続きになりますが、やはりスーパーでも安く大量に売られています。

スーパーで販売されているガレット デ ロワ

更に前にレポートしましたBio特集の続きにもなりますが、Bioのガレット デ ロワもあるんですよ!
さすがオーガニック先進国です。

前編はここまでです。
今回は、ガレット デ ロワの簡単な歴史紹介とパティスリーでの取り組み状況についてご紹介しましたが、次回、後編ではガレット デ ロワの製造現場とフランスでのガレット デ ロワの考え方についてご紹介します。

後編は明後日(1月26日)に配信予定です、お楽しみに!!

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