2021.09.16

次世代のパティシエの右腕に!それが半製品の役目になるかも知れない【採用事例】

皆さん、こんにちは。

本ブログでは、ベーカリーやパティスリー特に個人店への取材が多いのですが、今回は少し切り口を変えてブライダル業界の企業内で運営されているパティスリーにフォーカスをあててみました。

ブライダル事業を中心に依頼を受けるパティシエは、様々な要望に応じたお菓子の製造を求められます。
各セクションのコンセプトも違えば、製造数も違ってきます。

都度要件が異なる中、材料の選定や作業工程はどうしているのか?

では実際にブライダル企業のパティシエに聞いてみました。

三重の工業団地内に突如現れる複合型パティスリー
さて、今回向かったのは三重県 津市。
三重県の県庁所在地でもある津市。
三重というと有名な観光地でもある伊勢神宮が思い浮かびますが、その伊勢市内から車で一時間ほどの場所に津市があります。
市街地から車を走らせて目的地に向かっていると、工業団地が広がってきました…
本当にこの先にブライダル施設があるの?と少々不安になりつつも進むと見えてきました!

いきなりヨーロピアンな雰囲気の施設が目の前に広がります。

▲施設外観。あまりの広さに施設全体を1枚の写真にはおさえられず…

今回お伺いしたのは、「パティスリー ラ パルムドール」さんです。
広大な敷地には、ブライダル施設、パティスリーやレストラン、ブーランジュリーが共存する複合型店舗となっています。
また通販サイトも運営されています。

▲パティスリーとブーランジュリー(店舗内)

開店間もない時間帯にも関わらず、お客様も続々と来られていました。


▲素敵な生菓子がショーケースに並ぶ


▲ハード系から総菜パンなどパンの種類も豊富

取材時はデザートブッフェはお休みの日でしたが、そのエリアもパチリ!
座席数も多く、満席になる事も多いそうで、コロナ禍でもその人気は衰えていないとのこと。


広大な施設に圧倒されつつ、撮影していると笑顔でシェフが迎え入れてくれました。

 

親から子供まで。一生愛され続けるお店それがパルムドールのコンセプト


パティスリー ラ パルムドール
シェフパティシエ 布施 文彦 氏

▼Profile
〇パティスリー ラ パルムドール 入社までの経歴
京都の大和学園で料理を専攻。
帝国ホテル出身の講師の影響で優雅な世界に行きたいという想いから、帝国ホテルで働きたいと思い始める。
その当時放映していた洋菓子をテーマにしたTV番組の影響もあり、料理ではなく徐々にお菓子への想いが強くなり、お菓子の世界を目指す。
2007年 帝国ホテル大阪にパティシエとして入社し、 7年半勤務。
その後、現在のパティスリー ラ パルムドール 入社し、現在シェフパティシエとして就く。
〇コンテストの受賞歴
2012年「トップオブ パティシエ イン アジア」日本予選で優勝、翌13年には同アジア大会で優勝を果たす。
2021年 弊社主催の「DLA naturalsチョコレートコンテスト」アシェットデセール部門で入賞。

―まずパティスリー ラ パルムドール について教えてください
弊社は、ワンスプロジェクトというコンセプトに基づいて運営をしております。

そのプロジェクトについてご説明すると、
「弊社でしかできない事をする」という事を第一前提とし、ユーザー様の日々の生活や記念日毎に弊社を利用していただけるように4つの取り組みをしおります。

①ワンスアウィーク(ブーランジュリー)
日々の生活でパンを召し上がっていただく 。

②ワンスアマンス(パティスリー)
毎月デザートブッフェをご利用いただく。

③ワンスアイヤー(レストラン)
記念日(誕生日など)にレストランで食事をしていただく。

④一生に一度(ブライダル)
結婚式を挙げていただく。

また、弊社で式を挙げていただいたお客様から誕生日ケーキのご依頼をいただいたり、お子様の挙式を挙げていただいたり、ブライダル1回だけの関係ではなく、何かをきっかけでご縁をいただいたお客様の生活の一部として、そしてお子様や親戚の方にもご利用いただけるようなサイクルがずっと続いて欲しいという想いを持って、常にお客様に満足してリピート利用していただけるようなサービスの提案をしております。

―実際にご利用いただいているお客様について教えてください
お客様の年齢層は40代~50代がメインで、土日になると少し年齢層が下がり30代~40代が多くなります。
男女比ですと女性の方が圧倒的に多く、大阪・兵庫・愛知・岐阜と近隣エリアの方だけでなく、東京・埼玉など遠方からお越しになる方も多いです。

―パティスリーでのお菓子についても教えてください
店舗でのお菓子の販売については、
生菓子:常時20~25種類
焼き菓子:20種類位(ギフト除く)

デザートブッフェでは、
生菓子:15~18種類
タルト:5~6種類
焼き菓子:20種類

数あるお菓子の中で、当店のスペシャリテは『ショコラグラッセ』になります。
この商品は、夏にチョコレートを食べてもらいたいというオーナーシェフの意向により開発された至高の一品です。
商品の開発までの道のりは長く、様々な種類のショコラテリーヌを取り寄せ、研究に研究を重ねて出来た商品です。

冷凍での販売も可能な商品のため、店舗販売のみならず、通販などでも販売が可能です。
コロナ禍で通販での需要が伸びつつある現在の製菓業界の傾向にも合致している商品ではないでしょうか。

その他にも地元の食材を使用した商品も開発しております。
最近では三重県で有名な伊勢茶というお茶を使用したオペラの提供も始めました。
伊勢茶は味と香りがとても良く、その特徴を生かした商品になっています。

▲ 伊勢茶を使用したオペラ(マルグリット クロカンシリーズとアエリオ使用)

セクションが多いブライダル業界の企業だからこそ分かる、製造現場でのメリットとは


ー企業内に様々なセクションがある中で働く事の大変さ、反対に良かったことはありますかそうですね、
大変な点をお伝えすると、様々なセクション(ブライダル、レストラン、ブーランジュリー、パティスリー)があることですね。
各セクションで運営スタイルや方針も違いますので、依頼される内容も異なってきます。
その異なる要望に柔軟に対応し、まず自分の頭の中で整理をします。
どういう事が求められ、コストはどれくらいか、納期など製造現場に指示する内容を明確に伝えないと、要望に沿った商品が製造できていないケースも考えられます。

これに対応するには、柔軟さと経験が必要だと思いますが、私は幸いにも以前ホテルで働いていた状況が今と似ている点もあり、その経験を今に生かしています。

大変な所はありますが、その経験を積む事はプラスになると思っています。

それぞれのセクションと打ち合わせをしている際に話の食い違いも多いのは事実です。
それが悪いということではなく、私は違う意見があるからこそ新しいアイデアに繋がることも多くあると考えております。

例えば、
レストランのシェフからコースのデザートの相談があった時に、コースのテーマやその時の季節、使用する食材、全体的にさっぱりした味わいなのか、濃厚な味わいの料理なのかによって最後にお出しするデザートも変わって来ると思います。
それを単に、パティスリーで製造している物をお出しすると、そのコーステーマと合っていない場合もありますし、シェフ(レストラン)からの要望にも沿わない可能性があります。
ひいては、召し上がるお客様の料理に対する感じ方も変わってくると思います。
ですので、しっかりとシェフから情報をヒアリングする力が自然と身に付くと思います。

さらに、普段の菓子の製造では使用しない食材を取り入れるきっかけも作る事が出来ます。
前菜でこの食材を使うならば、最後のデザートにも同じ食材を取り入れテーマ性を出す事もできますし、今まで使用した事がないからこそ新しいお菓子を開発するきっかけになることもあります。

そのセクションの異なるシェフとの会話では、ワインの事やチーズの事、お肉の事など、お菓子の製造をしているだけではなかなか得られない知識を習得できるメリットもあります。
これが先ほどの、普段使わない食材を使用した菓子の開発にもいつかつながると思っています。

ですので、他の従業員にもこのメリットをしっかり伝え、ポジティブに受け止めてもらえるようにしています。

その状況に応じた材料選定と製造スタイルは柔軟に


―パティスリーの運営、デザートブッフェ、ブライダル用の菓子製造など、多種多様な製造が求められると思います。製造効率や材料の選定、スタッフの連携は重要になりそうですが、特に材料の選定や効率化についてお聞かせ下さい
材料の選定に関しては、製造する商品とのバランスを見極めて選んでいます。
例えば、
一つの材料からバリエーションを増やす場合は、同じようなテイストのお菓子にならないように、商品によっては季節感を演出できる材料をプラスするなど、ベースのパーツを上手く流用して種類を増やすことで効率アップしています。

また、使う材料が偏らないように常に注意して製造をしています。
半製品で言うと、
プラリネなどは一から作った方が良いものもあれば、半製品を使った方が効率化が図れる場合もあります。
それは、使用するお菓子によっても使い分けをしております。

ブライダル、デザートブッフェなどで多くのバリエーションを作る必要があり且つ製造量が多い場合などシーンに応じて半製品を使用して効率化を図るケースもあります。

各セクションの仕事内容が異なる為、全て同じ条件にするのは大変ですが、今日はこの製造に余裕があるから違うところに力を入れようなどバランスをとり、その場その場に応じて材料を決めています。

ー効率化を進める上で、重要な半製品。マルグリット製品が一役買っているとの事ですが、製品を採用していただいている理由や、どんな商品にご使用されているかお聞かせ下さい
これはお世辞でも何でもなく、マルグリットの製品には本当に助けてもらっています。

▲取材当日の製造でもマルグリット製品が現場で大活躍

その中でも、クロカンシリーズは全種類使わせていただいています。
採用した理由としては、
私たちには作れない食感の良さと、保形性がある事です。
ビュッフェでお出しする商品はショーケースに置いている時間も長くなるケースもあり、その場合でも食感や保形性が維持できるのは非常に重要となる為、製造現場では大変重宝しています。

他にも、ヴェネチアーナ(イタリアンメレンゲミックス)、ロイヤルナップ(ナパージュ)も使用しています。
マルグリットが大好きですね(笑)
また、アエリオも採用させていただいております。

▲クロカンシリーズを使用した生ケーキ

▲ヴェネチアーナを使用した生ケーキ

各商品を使用させていただいておりますが、作業も簡略化できますし、尚且つ半製品なのに味も良いというのは、製造現場で働いているスタッフにとっても非常にありがたい事です。

今後、人手不足や時短が求められる製造現場では、効率化をより考えていかないと駄目な時代になってくると思います。
未来のパティスリーを考えた時に、マルグリットの製品は『次世代のパティシエの右腕になる』のではないでしょうか。

 

様々な経験をされてきた布施シェフの今後は…


将来的には自身の店を持ちたいですね。
自身の想いをしっかり表現したお菓子を作り、お客様へ良いものを届けたいです。
例えその想いが届かなかったとしても、その場合はアップデートを行い、一方通行にならないように、お客様と作り手(パティシエ)が良い関係を築けるようなお店にしたいと思います。

自店が上手く軌道に乗れば、様々な事にもチャレンジしたいですね。
例えば、
お菓子と健康
お菓子と花屋
など、お菓子を軸にして何かを掛け合わせて専門店にしたいと思っています。

もし将来自店を出してスタッフが雇えるようになったら、そのスタッフも満たされるような店になれば良いなと思います。

 

取材後記


取材を終えて…
筆者である私も、日仏商事という会社でひとつの部署に所属しています。
日々の仕事を思い返していると、あらゆる部署から様々な要望の依頼が来ていることに改めて気づきました。
その時にどうしているか。
それを考えた時に、布施シェフが言われていた一言一言が身に染みて分かってきた気がします。

忙しくなると仕事を抱え込んでしまいがちですが、そこで少し一呼吸をして、この仕事をするならどんなスキルが
いるのか、そして効率化するならどうする、同じ部署のメンバーに協力してもらうにはどうすべきか。

冷静に考えると、それが自分にとってプラスになる事が多いなと気づかされる取材でした。
それを気付かせてくれた布施シェフに感謝感謝です!

 

取材協力


パティスリー ラ パルムドール

住所:三重県津市あのつ台5丁目2-2(GoogleMapで見る
営業時間・定休日:以下公式サイトよりご確認ください
☞公式サイト
※この記事は2021年7月に取材した内容になります

 

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