2023/06/30

ミシュラン星獲得オーナーが愛用する
シルパット™、シルパン™の魅力とは? 

シルパット™とシルパン™

そもそもシルパット™️・シルパン™️とは?
─職人の職人による職人のためのベーキングシート─


1965年の誕生から半世紀以上を経た現在でも、製菓・製パン業界の国際的なスタンダードであり続けるシルパット™️やシルパン™️。この「生地のくっつかないベーキングシート」を発明したのはある一人のフランス人パン職人、ムッシュ ギ・ドゥマールでした。

シリコンとグラスファイバーというユニークな素材の組み合わせから、ムッシュは発明品に「シルパット™️」と名付け、彼の焼くバゲットは、このシートを使い始めて間もなく「フランスで一番」と評されるようになります。

「生地のくっつかないベーキングシート」の揺るぎないオリジナル、それはなんと言ってもメゾンドゥマールなのです。

あるフランス人職人の情熱が生み出したシルパット™とシルパン™️。
日本の職人たちは、それらをどのように活用しているのでしょうか?
今回は、銀座の人気フレンチ「レストラン ラフィナージュ」のオーナーシェフ 高良 康之(たから やすゆき)氏の厨房にお邪魔し、フランス修行時代に出会って以来、長年お付き合いいただいているシルパット™️やシルパン™️の魅力について伺いました。


高良康之シェフ

▼Profile
高良 康之|Yasuyuki Takara
ホテルメトロポリタン勤務を経て、1989年渡仏。パリ・サヴォワ地方などフランス各地で2年間研鑚を積む。
帰国後は、赤坂「ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トーキョー」副料理長、日比谷「南部亭」料理長を歴任し、2002年「ブラッスリー・レカン」オープンに伴い、料理長に就任。「銀座レカン」総料理長を経て、2018年10月、銀座5丁目に自身の店「レストラン ラフィナージュ」をオープン。


 

高良シェフが愛用するスチームコンベクションオーブンのよきパートナー


シルパン™️を使う高良シェフ

ミシュラン星付きレストランを切り盛りするにふさわしい華のある雰囲気と、職人としての威厳を兼ね備えた、とても魅力的なお人柄を持つ高良氏。
高校を卒業してすぐホテル メトロポリタンの厨房に飛び込み、洗い場からキャリアをスタートさせたのは1980年代のことでした。当時はとにかく現場で身体を動かしつつ、自身の試行錯誤や先輩のアドバイスなどから仕事を学んでいく日々。
世界中の情報やトレンドを一瞬で届けてくれるインターネットやSNSもまだなく、感覚を広げて技術を向上させるには、自ら積極的においしいものとの出会いを求め、考え、トライ&エラーを繰り返しながら自分なりの正解を見つけていくしかなかった時代です。

そんな「自分で汗を流す」ことを大切にしてきた高良氏ですが、人手不足をはじめとする業界の問題を考えたとき、進化した調理器具を使って作業性をよくすることは、必要不可欠だと言います。

例えば、現在のラフィナージュでも、同時に複数の作業が進められるスチームコンベクションオーブンはなくてはならない存在。またオーブンのパートナー、メゾンドゥマールのシルパン™️シルパット™️も少数精鋭の厨房を支える重要なアイテムとなっています。

 

生地の表面をキャッチして 美しくサクサクに仕上がるシルパン™️


シルパン™️を使ったサブレ

日比谷「南部亭」での修業時代、高良氏が自ら焼き、お客様にサービスしていた様々な種類のクッキー。
当時は焼き上がったディアマンが台形に広がってしまい、素朴な雰囲気になりすぎる悩みがありましたが、その頃は「そういう生地だから」ということで妥協するしかありませんでした。
しかし、後にシルパン™️と出会うことで問題が解決。シルパン™️の表面に生地が引っかかってきれいに立ち上がるため、クッキーの生地が台形になったり、ヴィエノワズリーがべたっと山なりに崩れることもなくなりました。

「一番のメリットは型が要らないところ。生地を丸くカットして、焼き上げるだけで丸形になる。」

シルパン™️と他のシートとの比較図

また、タルトに関しても「お客さんから『フルーツのケーキを』って言われたんで、シルパン™️を使ってタルトを焼いたんです。シルパン™️だとピケもタルトストーン要らないんですよね。びっくりしました。」と、高良シェフは言います。

乗せて焼くだけで成形した通りの形にでき上がるシルパン™️は、効率化と美しい仕上がりを同時に叶えてくれる、現場にとっても嬉しいアイテムのようです。

使い捨てベーキングペーパーと比較したときの最大の違いは、食品を焼成したときにヨレがないこと。

「水分が多いものを紙の中に絞り込んで焼こうとすると、紙がヨレるんです。そのため紙と触れ合っている生地の底面にシワができてしまいます。これでは上下裏表のない焼き菓子を作るときに、見た目が悪くなる。
その点、シルパン™️は焼成したときにヨレがないんです。あと、生地の下のほうに水分や油がたまらないんですよね。」
水分や油分の抜けのよさがもたらすクロワッサンやパイのサクサクの焼き上がりも、高い評価をいただくことができました。

シルパット™️の最大のメリットは
剥がれのよさと、やはり水分でヨレないこと


シルパット™️を使用したマカロン

高良氏にとって、シルパット™️の最大のメリットは剥がれのよさだと言います。
「僕らが仕事を教えてもらった頃のマカロンは、焼き終わったら熱い天板の上に水を流して、その蒸気でベーキングペーパーから(マカロンを)外していく。
ねっちりしている生地なんで、紙が外れづらいんですよ。焼きあがってそのまま置いておくと、紙ごと取れちゃって。シルパット™を使用してからはそれがないです。焼きあがった後は外せばいいだけなんで、作業も楽だし失敗の数も減るし。すごくいいと思いますね。」

シルパット™、シルパン™のお手入れ

使用後はスポンジでサッと洗い、棚にかけて自然乾燥。

またパイの底面は野菜のジュースなどがたまって火が通りにくいもの。「シルパット™でやると、すっと取れるんで。」焦げ付きやくっつきを気にせずしっかり焼き込めると言います。
使い捨てのベーキングペーパーよりもはるかに扱いやすく、経済的な面でも収納や手間の観点から見ても、シルパン™やシルパット™を買ってしまったほうが楽だというお話でした。

時代を超えて、よりよい仕事をしたい
職人たちに選ばれ続けるシルパット™、シルパン™


高良シェフへのインタビューの様子

現在は専門学校で教鞭も執る高良氏。取材の合間、強い好奇心と情熱でプロの道を探究する学生たちの話題になるとふっと表情がやわらぎます。
シルパン™️やシルパット™️をはじめとする調理器具の世界は年々進化を遂げていますが、それらは単にこういった「若い職人をダメにする」手抜きアイテムなのでしょうか?
一定のコストや時間内で完成度の高いものづくりが求められるプロにとって、失敗による廃棄や使い捨て商品の使用など、無駄を排除してくれる高機能でコスパの高い器具の助けは、もはや欠かせないものです。

高良氏がメゾンドゥマールの製品を愛用していた理由も、現在の職人より遥かに多くの時間とエネルギーを仕事に注いできた氏ならではの、たくさんの経験から選択された結果だったと言えるでしょう。

シートの枠に印字された「Fabriqué en France (Made in France)」の写真

シートの枠に印字された「Fabriqué en France (Made in France)」は品質保証のみならず「よりよい仕事をしたい」という想いから革新をもたらした、ひとりのパン職人へのオマージュでもあります。

この願いから誕生したシルパン™️やシルパット™️は職人たちの成長を奪うものではなく、むしろ新しいアイデアや技術探究の時間を創出したり、少人数での開業を支えてくれるパートナーとして、今後もあらゆる世代から選ばれ続けて行くのではないでしょうか。

シルパット™、シルパン™にホテルパン1/1サイズ登場!

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