2023/09/27

パンとオーブンとの相性を大切に。
こだわりが詰まったBoulangerie ADACHI 足立恵太氏にインタビュー!

Boulangerie ADACHI(ブーランジェリーアダチ)
オーナーシェフ
足立恵太 氏

ボンガード社100周年記念企画として、製品をお使いいただいている国内外の導入事例をご紹介します。

第4回目は、Boulangerie ADACHI 足立恵太氏にお話をお伺いしました!

Boulangerie ADACHI(ブーランジェリーアダチ)
オーナーシェフ
足立恵太 氏Boulangerie ADACHI(ブーランジェリーアダチ)
オーナーシェフ
足立恵太 氏

▼Profile
日本国内でいくつかのベーカリーに勤務したのち、渡仏し修行。
その後帰国し、静岡県の天城にて2015年 Boulangerie Pâtisserie ADACHI (ブーランジェリーパティスリーアダチ)をオープン。
天城から横浜への移転を経て、現在は静岡県の長泉に店名を「Boulangerie ADACHI(ブーランジェリー アダチ)」としてオープン。

 

-お店のコンセプトを教えていただけますか?
現在、店(静岡県長泉)で販売しているパンの基本は、自分がフランスで見てきた・作ってきたものや、フランス菓子のニュアンスからパンに置き換えた商品です。
フランスで見てきたものからはあまり逸脱しないように、複数あるレシピの中から、私なりのセレクトでパンとヴィエノワズリーとサンドイッチをメインに構成しています。

ブーランジュリーアダチ店内画像(パン)

▲足立さんこだわりのフランス仕込みのパンが並ぶ

-何度か移転をされていまのお店が3店舗目となりますが、お店のコンセプトに変化はありましたか。
天城や横浜でお店を構えていた時は、「ブーランジェリー・パティスリー」だったのでパンとお菓子の両方を置いていました。
しかし、今は「ブーランジェリー」のみになったので、パティスリーの要素が少なくなりましたが、どのお店も共通しているのは、「フランス」をイメージしていることです。
以前は、フランスのイメージを崩さないために、クロワッサン、パン・オ・ショコラ、パン・オ・レザンの3兄弟を置いたり、正統派なブーランジェリー・パティスリーを再現するために、お店のコンセプトに合わない商品は断念することも頻繁にありました。しかし、今はその縛りを無くし、柔軟に商品ラインナップを構成しています。

-今回は足立さんに3種類のパンをご用意いただきました。
セレクトしていただいたショーソン・オ・ポム、鴨の生ハムのサンドイッチ、フリュートはどのようなコンセプトで作られていますか。
お店のこだわりをよく表した商品を3つ紹介したいと思います。
まず、ショーソン・オ・ポムは、フィユタージュを美味しく作るため、小麦粉にこだわっています。本来はバゲット向きの小麦粉ですが、私の中ではバゲットよりもフィユタージュに向いていると思い、使い続けています。

ショーソン・オ・ポム

▲ショーソン・オ・ポム

理想的な粉、理想的な折り込みを経て、理想的な生地の上がりと表面の美しさ、サクッとした食感を意識しています。
ガルニチュール(フィリング)は、コンポートと生のリンゴを使用し、水分量を調整するなど、仕込みから焼成までのトータルバランスにこだわって作った商品です。

鴨の生ハムのサンドイッチ

▲鴨の生ハムのサンドイッチ

そして、鴨の生ハムサンドイッチは、リヨンにあるパティスリー トレトゥール(惣菜店)で見た商品をヒントに作りました。
マグレ・ド・カナール(鴨の胸肉)生ハムとフレッシュな青りんごが、シリアルとはちみつを練りこんだ生地に挟まっていて、それを食べた時に「再現したい」と思いました。
数種類の粉をミックスして試作を行い、納得のいく再現度まで苦労した思い出があります。
フランスならでは組み合わせが多くのお客様に気に入っていただけたようで、今ではお店の人気商品になっており、作ってよかったと思っている商品の1つです。

-先ほどサンドイッチをいただいたとき、日本にはない味の組み合わせが新鮮で、リピーターとして購入されるお客様の気持ちがわかりました。
甘さと塩味の組み合わせがフランスらしいですよね。フランス人はその組み合わせを好むイメージがあります。

フリュート

▲フリュート

最後に、フリュートは、オリーブオイルやバターを付けなくてもおいしいと感じられる商品を作りたかったので、粉や素材の味を引き出せるように工夫しました。
ちょうどいい甘みを感じられるように、フランス産の全粒粉とライ麦粉を独自にミックスして作っています。

-すべての商品にしっかりコンセプトがあるのですね。
そうですね。そこがお店の強みだと思っています。
当店のパンはすべて、スペシャリテです。
ラインナップはハード系、ヴィエノワズリー、パイ、サンドイッチとありますが、なんとなくで作っている商品は1つもありません。
バゲットもその他のパンもすべて美味しいと思ってもらえるように、こだわりを持って作っています。

 

憧れのオーブンメーカー ボンガード社Orionを導入して実感した良さとは?


-ボンガードとの出会いについて教えてください。
初めてボンガードのオーブンを使ったのがフランスで修行した時でした。その時に感じたのが「今まで使ったオーブンとは窯伸びが違う」ということでした。

-いろいろなお店で修行されて、さまざまなメーカーのオーブンを使われてきた足立さんが、移転に伴いボンガードのOrionを採用された理由はなんですか?
国内にある有名メーカーのオーブンはー通り使ってきましたが、バゲットをメインに焼成するのであればOrionが良いと思い、選びました。また、以前から、ボンガード社のオーブンを使いたいという憧れもあったからですね。

パンオーブンを操作しながら語る男性

▲実際に操作しながらボンガード社オーブンについて語る足立氏

-「窯伸びが良い」とさきほど言われていましたが、最近開催されたイベント出店で別機種のSoleoを使っていただきました。OrionとSoleo、両方使われてみて印象はいかがでしたか。
OrionとSoleo、まったく違うオーブンだと思いましたね。
普段考えることが無いのですが、イベント出店の際にオーブンの微妙な変化でパンの質が変わってしまうことを知り、私の作るパンはOrionに適したパンなんだと実感しました。
オーブンとパンには相性があると思っています。
オーブンの特性に応じたパンをセレクトして作ると「ちぐはぐ」にはならないと考えています。
なので、今の商品構成はオーブンが主軸になって決まっているといっても過言ではありません。

-Orionの気に入っている点はありますか?
一番気に入っているのが、焼成窯の奥行きが深いところです。
バゲットを1日に何回も焼成するので、横幅が広いことより奥行きのある方が温度が下がりにくく、蒸気が逃げにくいので助かります。

それと、自分の背丈にもちょうど良いなと思っています。背丈にあっているとサクサク業務が進むので、日々作業するうえで大事なところです。

パンオーブンで実際に作業する男性

▲奥行があり、蒸気や熱が逃げにくい構造

-今後オーブンを購入しようとしている方へアドバイスをお願いします。
自分が作りたいパンにあったオーブンを選んで欲しいですね。バゲットをメインに商品を作りたいと思っている方はボンガード社のオーブンが良いのではないでしょうか。
そうだからと言ってハード系以外が焼けないと勘違いしている人も多いですが、それは間違いです。
うちの店では、ハード系以外に、ヴィエノワズリーや焼き菓子もOrionで焼いています。
とくに焼き菓子はOrionで焼いた方が好きですね。平窯で焼いた方が、水分がちょうどよく抜けていい具合に焼けるので、どんなアイテムにも幅広く活用できるボンガード社のオーブンを私はオススメします。

-お店の今後の展望を教えて頂けますか。
モーニングやランチなどのイートインスペースを作りたいです。
パンって難しいじゃないですか。ご購入されたお客様が、いつ、どのシチュエーションで、どのように食べているのかが見えない。料理人やパティスリーと一番違うところかなと思っています。一所懸命作っているからこそ、やっぱり、一番良い状態でパンを食べてもらいたいので、お客様にしっかり伝える場として活用したいと考えています。

 

店舗情報


Boulangerie ADACHI (ブーランジェリー アダチ)

Boulangerie ADACHI (ブーランジェリー アダチ)
住所:静岡県駿東郡長泉町下長窪1175-11
TEL:055-955-7200
Instagram:https://www.instagram.com/boulangerieadachi/?hl=ja
Facebook :https://www.facebook.com/boulangeriepatisserieadachi/?locale=ja_JP

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