2024/01/10

フランス通信vol.05 ナントの街で愛されるヴァンサン・ゲルレ (Vincent GUERLAIS)

ナント市は、パリからTGV特急にて2時間半のところにある、大西洋にほど近いロワール・アトランティック県の中心地です。

ナントはフランス人なら誰でも知っている2つのビスケットメーカーの発祥の地としても知られています。LU(リュ)の通称で知られるルフェーヴル=ユティル社と、BN(ベーエヌ)として知られるビスキュイテリー・ナンテーズ社。

LUのプティ・ブール(左)とBNのチョコサンドビスケット(右)

▲LUのプティ・ブール(左)とBNのチョコサンドビスケット(右)

創業当時のルフェーヴル=ユティル社の工場の一部が保存されており、工場に付属していた塔はブルターニュ公爵のお城の近くにあり、街のシンボルマーク的な存在になっています。

ルフェーヴル=ユティル社の工場跡地の塔

▲ルフェーヴル=ユティル社の工場跡地の塔

19世紀の歴史的建造物を利用したショッピング・アーケード「パッサージュ・ポムレ(Passage Pommeraye)」

▲19世紀の歴史的建造物を利用したショッピング・アーケード「パッサージュ・ポムレ(Passage Pommeraye)」

噴水のある広場や歴史的なアーケードなど、風情のある建築も多いナント市で、ヴァンサン・ゲルレは、ナントの最高のパティスリーとして市民に愛され、定着しています。
中心部や郊外に6店舗を営み、パティスリー、ショコラからクロワッサンまで、市民のニーズに応えて浸透しています。

ナント中心部にあるヴァンサン・ゲルレのお店

▲ナント中心部にあるヴァンサン・ゲルレのお店

ゲルレ氏は、22歳の時にこのナント市にお店を開きました。
LUのビスケットにちなんだチョコレートコーティングのプティ・ブールは、ゲルレ氏の人気商品の一つ。子供の頃、プティ・ブール・ビスケットにミルクチョコレートをのせてよく食べていたという想い出を形にしたそうで、特大サイズのものもあります。

棚に並んだプティ・ブールのラインナップ(上の2段)

▲棚に並んだプティ・ブールのラインナップ(上の2段)

LUのプティ・ブール

▲LUのプティ・ブール

ショコラの味も本格的です。2017年からは原料のカカオ豆から選んだこだわりのショコラ製造も開始。産地により色や風味が違うカカオの探求のため、毎年カカオの原産地にも行くそうです。
アマチュアマカロンコンクールの創始者でもあり、2018年からは、ルレ・デセール協会の会長を務めています。
弟子のイヴァン・シュヴァリエ氏は、ヴァンサン・ゲルレで長年働いている間にゲルレ氏の右腕となり、ゲルレ氏の支援を得て、2022年にはショコラティエ部門のMOFを取得しました。
このように、ゲルレ氏は人を育て、リーダーとして牽引する人格者でもあります。

サロン・デュ・ショコラでのヴァンサン・ゲルレ氏

▲サロン・デュ・ショコラでのヴァンサン・ゲルレ氏

パリのサロン・デュ・ショコラにも、毎年出展していますが、フレッシュな生菓子はナント市の直営店でのみ取り扱っています。
ナントを訪れて初めて食べられるパティスリー。仕上げの美しさ、美味しさを楽しめます。

ヴァンサン・ゲルレのアントルメ

▲ヴァンサン・ゲルレのアントルメ

ゲルレ氏のプチガトーが食べられるのはナントの直営店のみ

▲ゲルレ氏のプチガトーが食べられるのはナントの直営店のみ

2022年からは、ナント市から15kmのところにあるエルドル川のほとりにティーサロンを併設した素敵なレストラン館「マノワール・クロディーヌ(Manoir Claudine)」も営んでいます。
ナントに行く機会があれば、是非訪れてみてください。

ヴァンサン・ゲルレ公式HP:https://www.vincentguerlais.com/
マノワール・クロディーヌ公式HP:https://www.manoirclaudine.com/

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