2021.12.28

お客様にいつも変わらぬベーカリーの味を
パン酵母を変えてみたら…安定した仕上がりが実現!【採用事例】

地域密着のベーカリーは、いつも買いに来てくれる常連のお客様がいらっしゃいます。バゲット、食パン、カンパーニュ…それぞれお気に入りがあって、毎日食べるパンを求めて来店してくれます。

そんな常連のお客様に、「いつも変わらぬ店の味を届けたい」とはいえ、パン生地は生き物、気温や湿度、天候によっても、ちょっとした発酵のタイミングや温度の差によっても、風味が変わってしまいます。安定して「変わらぬ店の味」を作るために、どんな工夫をしているのか尋ねてみました。

今回はパン酵母を「リロンデル1895」に変えることで、予想以上の成果があったというベーカリーをご紹介します。

Profile
1973年生まれ、熊本県出身。1991年株式会社神戸屋に入社、郊外型ベーカリーレストラン「神戸屋レストラン」の京都や神戸の店舗に約20年勤める。その後、焼きたてパンを提案する商品開発部に勤務。高付加価値の手作りパンを製造する工場立ち上げに関わった。2014年に独立して、豊中市にて「Le Boulanger YOSHIHIRO IKEDA」開業。


リロンデル1895ってどんなパン酵母?

リロンデル1895は、長時間発酵でパンを作る職人の要望により開発された画期的なパン酵母。ゆっくり発酵することで長時間発酵や冷蔵発酵で熟成の風味と旨味を造り出すことが出来ます。安定した発酵を持続し、より長い発酵と熟成が可能。

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60種類以上のパンが並ぶ地域の人気店

お店の扉を開けるとすぐ前にぎっしりとバリエーション豊かなパンが並びます

今回訪ねたのは、大阪府豊中市内にあるブーランジュリー「YOSHIHIRO IKEDA(ヨシヒロイケダ)」。シェフのお名前がそのまま店名になっています。2014年にオープンして以来、ご近所さんを中心にお子様連れのファミリー層から年配の方まで、幅広い層に人気のパン屋さんです。

店内には、60種類以上のパンが並び、定番の食パンやバゲットはもちろん、旬の素材を使った季節限定の商品も人気が高いとのこと。私たちが取材した11月は、おさつバターフランスや栗のパンやマロングラッセなどが並んでいました。この他、クッキーなどの焼き菓子も充実しています。

お店のHPやSNSは運営していませんが、阪神・阪急百貨店の催事や地元テレビ番組や雑誌の取材により、人気も上昇。情報を見て遠くから足を運んでくださるお客様も多いようです。

発酵がゆるやかになり、生地が安定

店内から厨房でパンが焼き上がる様子も見ることができます。シェフに直接パンについて尋ねるお客様も。

多くの個人店と同様に、一人で仕込みをしているシェフの悩みは「どうしても生地のブレが出てしまう」ということでした。

「季節や天候によってドライイーストの量の調整をしていたんです。0.2%とか0.3%とか。でも、そこまで正確に量る微量計がないのでやっぱりブレるんですよね。味や香りが微妙に変わってしまう。冷たい状態で練りたいので氷を入れてミキサーを回していて、パン屋あるあるだと思いますが、粉を冷やしても高速で7〜8分かけると温度がついてしまいます」

そんな時に出会ったパン酵母が、セミドライイーストの『リロンデル1895』。問屋さんから発売前の講習会を案内してもらい「これは良さそうだ!」と講習会に参加し、すぐに試作したそうです。

「リロンデル1895を実際に使ってみて発酵の調整、冷蔵段階での調整がしやすいと実感しました。今まで使っていたものに比べてすごく使いやすい。じんわり発酵を進めてくれるから、発酵し過ぎないことが一番の決め手ですね」

池田シェフのお店ではそれまで長時間発酵のオーバーナイト製法で作るパンが多く、時間がかかっていました。リロンデル1895なら安定してできるのでは、とバゲットで試用。これがうまくいき、他のハード系のパンも順次変えていきました。

リロンデル1895(セミドライイースト)を使用して作ったパン

「発酵を抑えられる、というのがとてもいいですね。以前は、捏ね上げ、練る時の温度と冷やす時の温度がばらついて、どうしてもブレてしまう。今までと同じ作り方でイーストをリロンデル1895に変えたら、すごく安定するようになりました。ポーリッシュ法で作っている店なら、特におすすめですね」

発酵が安定したので、若手職人にも仕込みを任せられる

リロンデル1895を採用したことで、生地の安定だけでなく、仕込みのスケジュールも変わってきたそうです。

「朝の段取りが全然違ってきました。すごくやりやすくなりました。それまでは僕一人で仕込みをしていて一日中休む間なし。今は、職人のスタッフにある程度任せて、その間は休憩しています。食パンは必ず私が仕込みますが、他の商品は職人スタッフに作業を割り振り、お店として安定して商品を作れるようになりました。水の量、氷の量を季節によってきちんと決めて、それで工程を決めたらあとは機械がやってくれるので、3、4年目のスタッフさんでも大丈夫です。あ、でも小麦粉を変えるなど材料の変更があったときは、さすがに全部自分でやりますけどね」

 

ベーカリーのより良い労働環境を目指して

「労働に対して、パンの値段が見合っていないですね。スーパーのパンも価格競争で安過ぎですよね。このままいくと日本に職人がいなくなるのでは?」と、池田シェフは危惧を抱かれていました。
お店に出す商品の価格については、「ある程度、原価計算をしますが、種類が多いので、ひと月のトータルで考えています。品質は維持したいから、原価を下げるのもなかなか難しいですね。材料の値上げがあった時の価格調整の幅も難しいです」と、現状を教えてくださいました。

池田シェフご自身は、「今は、いろんなパンを作って、うちのパンをたくさんの人に食べてもらいたい」と考えられています。

「百貨店に出しているのもそのためです。クリスマスのシュトーレンもすごい注文で大変ですけど。他にも作ってみたいものはたくさんある。スタッフに、もう並べられないので、じゃ何をやめますかって聞かれますけど。将来的には、年をとるとともに自分に合わせて営業時間を短くして、うちのパンを気に入ってくれているお客さんの分をのんびりと作っていきたいですね」

取材後記

店内に並ぶ様々な種類のパンにもシェフの創作意欲が感じられ、スタッフにも気軽に声をかける様子から忙しい中にも楽しい職場の雰囲気が感じられました。リロンデル1895採用のきっかけもそうですが、常に新しい製造法や材料に関心を持って、「良さそうと感じたら、まずは試してみる」というフットワークの良さが、お店の活気につながっているように思いました。

 

取材協力

Le Boulanger YOSHIHIRO IKEDA ル・ブーランジェ ヨシヒロイケダ

住所:大阪府豊中市本町6-7-9ツインワダ103(GoogleMapで見る
営業時間:7:30〜19:30(平日) 9:00〜19:30(土日祝)
定休日:金曜日

※この記事は2021年11月に取材した内容になります

 

リロンデル1895問い合わせ

 

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