2021.02.10

忍法 隠れ身の術!忍者の町 滋賀県甲賀にある隠れ家ベーカリー ウルーウール。この人気店見つけられるか【採用事例】

皆さん、こんにちは。

いざ独立してお店を出店したいと思った時、皆さんはどんな場所にお店を構えたいですか?
駅チカ、駅ナカ、幹線道路沿い、商業施設内、住宅街などなど。
まずは、人が多く行き交うエリアへの出店を考える方も多いはず。

ただ最近はスモールビジネスの定着や運営スタイルも変化し、出店場所にも変化が起き始めている気がします。
例えば、オンライン販売、フードデリバリーを活用した運営、そしてSNSでのPR活動による集客など、必ずしも目立つ場所にお店が無くても運営が成立する時代はもう始まっているのかも知れません。

さて今回は、地方に店舗を構え、周囲は田んぼが広がり、幹線道路にも面していない場所にも関わらず、観光客がわざわざ立ち寄る事も多い人気ベーカリー。
立地条件だけが人気店になる理由ではない!それを証明する為に、いざ取材に向かいます。

 

まさに隠れ家!里山の一角にある人気店はパンとお花が楽しめるベーカリー!?


さて、今回向かったのは、忍者や信楽焼で有名な滋賀県 甲賀市。
2019年に放映されたNHK「連続テレビ小説」の『スカーレット』は、甲賀市信楽地域を舞台として放送されました。
そんな甲賀市ですが、弊社の本社がある神戸からは何と車で2時間かかります。

なかなか遠いですが、取材先へと車を走らせました。

神戸、大阪を抜け、目的地のある高速の降り口に近づいてくると、今までの市街地の景色からは一変し、木々が生い茂る山ばかりに。
そして、高速を降りナビ通り進んでいると、田んぼや工場ばかりでたまに民家がある程度。
う~ん、本当にお店はあるのか…

んっ?あれは?お店の案内看板かな。

▲道路脇に設置されたお店の案内看板。意識していなかったら、見逃してしまいそう

看板を見つけ、何とかお店に辿り着ける安心感と共にワクワク感が。
そして、さらに進むと。
さすが、忍者の町甲賀市。『飛び出し坊や』まで忍者でした(笑)
あっ、飛び出し坊やは今回取材した滋賀県で発案されたという諸説があり、設置数も日本一と言われているんですよ(余談でした)。

▲忍者の飛び出し坊や。さすが忍者の町

▲ナビが示したお店の場所は車が一台やっと通れそうなこの細い道…

里山に面した一画に、今回の目的地「ウルー ウール」さんがありました!!素敵な外観ですね。
事前情報では、こちらのお店ではパンだけでなくお花も楽しめるお店との事。一体どういう店なのか。
では、オーナーの橋本さんにお話をお伺いします。

 

本場フランスのガレットコンクール入賞者が運営するフレンチスタイルベーカリー


La faire heureux heure(ラ フェール ウルー ウール)オーナーシェフ
橋本 昌弘 氏

▼Profile
20歳~20歳半ばまで滋賀県のクラブハリエのベーカリー部門にて勤務。
その後、ハイアットリージェンシー京都にて働く。
2008年、北米ワイルドブルーベリー協会主催のコンテストにてシュトーレンのレシピで優秀賞を受賞。
2011年、甲賀市にアトリエをかまえる(ウルーウールの前身)。
2014年、「ウルーウール」として屋号を変更し、パンの販売をスタート。
2017年、『クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ』が主催する第15回ガレット・デ・ロワコンテスト一般部門にて
優勝し、フランス大会への参加権を得る。
2019年、Chambre professionnelle des artisans boulangers-pâtissiers主催のフランスで開催される2019年ガレット・デ・
ロワコンクールへのエキジビションに参加し、7位に入賞。

―簡単にお店の紹介をお願いします
来店されるお客様がに、フランスのベーカリーに来たような雰囲気を味わってほしいという想いから、当店で販売しているパンはハード系を中心としたラインナップにしています。

来店されるお客様は女性客も多く、甘い系のパンも人気です。
中でも旬のフルーツを使用したデニッシュ、クロワッサンなどを買われる方が多い印象です。

ラインナップは、パンは40種位、お菓子は10種位あり、その中でも季節限定メニューの旬の果物や野菜を使用したパンも人気ですね。
地元の農家とも提携し、新鮮な素材が仕入れられるのはこの場所で運営しているメリットではないでしょうか。
農家さんと直接話をして、食材について相談ができるので、そこで生産者の熱い想いを聞くと、商品に素材を使うときに下手な商品は出せません。
私が作るパンを通じて、素材の良さ、生産者の想いがしっかり伝わればと思います。

▲野菜を使用したパンも多い

幹線道路にも面していない里山に開業した理由は?そしてどんなお客さんが来ますか


この場所は、妻の実家の土地を活用して開業をしました。
妻は、フラワーコーディネーターをしておりこちらの店を開業する前から、この場所でフラワーレッスンや、企業から依頼されてお花の写真を撮影するなど、アトリエとして使用していました。

いざ開業をしようと思った時に、先ほどお話しました、生産者と近い場所、そしてお花とベーカリーというマッチングが非常に素敵だと思い、パンとお花が楽しめる複合型店舗として開業しました。
ですので、当店ではパンの販売日とフラワーレッスンの日と、同じ店で運営日を変えて行っています。

来店されるお客様は平日は地元の方が多く、フラワーレッスンに来られる方も来店されるので、良い相乗効果になっています。
Instagramでも、パンの写真ををアップするようにしているのですが、その効果もあり土日祝は、県外から来られる方(主に女性)も多くいらっしゃいます。
場所は分かりにくいですが、皆さん頑張って地図と睨めっこしながら来ていただいているんではないかと思います。

 

限られた販売日とラインナップの多さ。少人数でその運営をカバーできる理由は


―お店は水、木、金、土曜日のみの営業。しかも少人数で手のこんだパンを製造するのは大変ではないですか
当店では、基本的にオーバーナイト製法で長時間発酵をさせて生地を仕込んでいます。
その製法を取り入れることで、休日が多くラインナップ豊富でも製造スケジュールが組みやすいです。その際に活躍しているのがリロンデル1895です。

以前は、サフのインスタント赤を使用して長時間発酵させていたのですが、どうしても過発酵になってしまう傾向が見られ、それを解決するのに悩んでいました。

そこでリロンデル1895に切り替えたことでその悩みは一気に吹き飛びました。

―パン酵母を切り替えたきっかけ、そして切り替えする事に抵抗はありませんでしたか
きっかけは、私の師匠でもある名古屋の「boulangerie L’Equipe de Koganei」の小金井シェフがリロンデル1895を使って製造をしていることをInstagramで紹介されており、それを見て使ってみたいと思い、すぐに取引のある問屋さんに連絡をしました。

信頼してる師匠が使っていたこともありましたし、試しにリロンデル1895を使用して、自分が思い描くパンができたので、切り替えに対しての抵抗は全くありませんでした。

―「リロンデル1895」を使って感じたことは
実際にリロンデル1895使用したパンは、非常に美味しくなったことを実感し、現在も継続して使用しています。
製造しているほとんどの商品に使用しています。

商品の一部ですが、まだ全てリロンデル1895には切り替えはしていません。
例えば、
クロワッサンは、生イーストとリロンデル1895を50:50で配合して使用しています。
生イーストだけですとボリュームが出すぎてしまうし、リロンデル1895のみだとボリュームは少々控えめになります。
その中間を上手く調整して、ボリュームは出しつつも、層はしっかりとさせる事ができました。
それ以外の、ハード系や食パンは主にリロンデル1895を使用しています。

本場フランスのガレット デ ロワコンテストで7位入賞


―フランスでのコンテスト参加の時のお話とお店でのガレット デ ロワへの取り組みについて教えてください
フランスでのコンテストでは、生地は日本で作って持ち込みをしました。
現地に着いて、初めて使う厨房と機材で仕上げと焼成をしたのですが、そこで使った窯の温度がなかなか上がらず苦戦したのを覚えています。
それでも何とか仕上げをして、最善を尽くしました。
その結果、当時日本人では歴代2番目の7位入賞をしました。

現場で、苦戦しながらも頑張った甲斐がありました。

当店では、それ以降毎年ガレット デ ロワを販売していますが人気商品です。
来年のガレット デ ロワには地元信楽の信楽焼のフェーブを添えて販売予定です。
※取材当時は2020年12月の為、2021年のガレット デ ロワの販売のお話になります。

▲コンテスト入賞の際のディプロム

▲信楽焼で作られたオリジナルフェーブ

今後のお店の展望は?


そうですね、現在はハード系を中心としたパンが多いですが、今後はお子様にも食べていただけるような
パンのラインナップも考えていきたいですね。

後は、お店裏の里山で栽培しているフルーツや野菜、ハーブ等を使用した商品を販売したり、空いている
土地を活用してカフェを新設したりもしたいですね。
でもまだこの土地で営業ができるかは調整中です。

▲ハーブや栗の木

▲取材当時は柚子が最盛期に

取材後記


記事冒頭に記載した、出店場所の選定ですが、この記事を見て皆さんはどう思われましたか?
人が多く行き交う場所で、販売するのも一つの運営スタイルです。
今回のウルー ウールさんのように幹線道路に面していない里山の一画にお店を構えるも一つの運営スタイルです。
コンテスト入賞によるシェフの功績や知名度はもちろん、SNSやHPを活用した集客を上手く活用すれば、場所に関係なくお客様が来店する人気店になれる一例のご紹介でした。
そして何よりも地元農家とのつながりや、自分の土地で栽培した素材はやはりこのスタイルで無いと実現しない話ですね。

地元が地方で、Uターンしてゆっくりお店をしたい。
無店舗で通販に特化したベーカリーをしたい。
デジタルに強い次世代製菓製パン職人が新たな道を拓いて、また違ったスタイルで運営する店が増えてくるのもそう遠くはないかも知れませんね。

 

取材協力


La faire heureux heure(ラ フェール ウルー ウール)
住所:滋賀県甲賀市甲南町野川1972(GoogleMapで見る
TEL:0748-70-2459
※営業時間・定休日に関する情報は店舗HPまたはSNSをご参照ください
HP:http://heureux-heure.net/
Facebook:https://www.facebook.com/LaFaireHeureuxHeure
instagram:https://www.instagram.com/heureux.heure.pan.k/?hl=ja
※この記事は2020年11月に取材した内容になります

 

リロンデル1895問い合わせ

 

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