2020/02/12

カフェオーナーにおすすめ!所沢の香りの魔術師が選ぶ、コーヒーと一緒に提供したいお菓子とは

リメナスコーヒー

皆さんこんにちは、N&Fマガジン編集部です!

いよいよ冬らしく本格的に寒くなってきましたね。
これだけ寒くなると、体があったまるホットコーヒーが恋しくなる今日この頃。

筆者は、コーヒーが好きで豆を挽いてドリップをしコーヒーを淹れるのが好きなのですが、この時季になるとコーヒーの消費量も必然的に増える気がします。
コーヒーと合わせて消費量が増えるのが、焼き菓子やチョコレート。

ホットコーヒーとお菓子ってなんでこんなに相性が良いんでしょうね。

ということで、今回のテーマは『コーヒーに合うお菓子』です。

実際、コーヒースタンドやカフェではどんなお菓子メニューがラインナップされているの?
またどんなお菓子がコーヒーと相性が良いの?

と色々疑問がわいてきたので、実際にカフェに行ってお話をお伺いしました。
しかもそのカフェには「香りの魔術師」がいるとの情報を聞きつけました。
コーヒーとお菓子の関係、さらに香りとの関係は?
何だかワクワクしてきましたね。早速、そのカフェに向かいます。

目次


知る人ぞ知る!所沢にはコーヒーストリートがあった

香りの専門家が営むカフェにはこだわりが凝縮していた…

こだわりのコーヒーと合わせたいお菓子は

 

知る人ぞ知る!所沢にはコーヒーストリートがあった


所沢駅

今回マガジン編集部が向かったのは埼玉県の所沢市。
東京駅から電車で約1時間程。
池袋へも急行で25分圏内でアクセスができる便利なベッドタウンエリアです。

所沢市というと、
埼玉西武ライオンズの本拠地でもある西武ドームや日本で最初の陸軍飛行場が開設されるなど、「航空発祥の地」としての歴史を持つ街。

所沢駅前の航空発祥の地のモニュメント

所沢駅前の航空発祥の地のモニュメント

所沢駅をあとにし、賑わうメインストリートを進みます。
そのストリートから少し入ると車がギリギリ交互通行できる細い路地裏があります。
目的地のカフェに着くまでに、コーヒー屋さんが既に2店舗もありました。
コーヒー好きの間では、所沢の『コーヒーストリート』と呼ばれているそうです。

そして、さらに進むと目的地でもあるコーヒーショップが見えてきました。

リメナスコーヒー

非常にモダンでかっこいいお店ですね。
このコーヒーショップに香りの魔術師がいるのか!?
ワクワクしながら入店しました。

入店すると、コーヒーの良い香りが!
そして、様々な種類の豆が棚に並んでいました。

自家焙煎されたこだわりの豆

自家焙煎されたこだわりの豆の販売。豆を求め来店する常連も多い

カレーパウダー

えっカレーパウダー?オーナーおすすめのカレーパウダーも販売

リメナスコーヒー

店舗奥にはイートインスペースを設けています。 この場所を使い、コーヒーセミナーを開催する事もあるそうです。

魔術師がおすすめする、コーヒーやお菓子は一体何なんでしょう。
オーナーさんに詳しくお話を聞いてみましょう。

 

香りの専門家が営むカフェにはこだわりが凝縮していた…


リメナスコーヒー オーナー
元明 健二 氏

リメナスコーヒー オーナー
元明 健二 氏

▼オーナープロフィール
前職では乳業メーカーの研究所に勤務し、冷凍食品、デザート、飲料などを工場で製造するレシピの開発やフレーバリスト(調香師)として香りの研究に従事。
同社でコーヒー関連の商品開発にも携わり、コーヒーのエキスの抽出量の条件設定も行っていました。
退職後は、SCAJ講習会や競技会などで知識や技術を深め2013年にはJCRC予選で全国第3位、試合で4位を獲得。
その後、自身の自家焙煎珈琲ショップ「リメナスコーヒー」を2016年9月にオープン。
2019年4月に所沢市日吉町6-7に移転し現在に至る

 

―最初にお店についてご紹介ください
まずコンセプトですが豆のラインナップをご覧いただければリメナスコーヒーの特徴が分かります。

リメナスコーヒー ラインナップ表

浅煎りから深煎りまで豆のラインナップがぎっしり掲載されたラインナップ表

当店は、浅煎りから深煎りまでの豆全般を扱っています。
最近のコーヒー業界では、浅煎り派と深煎り派に分かれる傾向があるのですが、当店ではコーヒーの豆が表現しう
る味を全てお客様に提供したいという思いがあり、浅煎りから深煎りまで網羅するラインナップにしています。

―ラインナップ豊富な豆ですが、豆選びへのこだわりを教えてください

リメナスコーヒー オーナー
元明 健二 氏

お客様がコーヒーを飲んで感動する、味わいが特徴的な物を選ぶようにしています。
前職で香りの試験をする事も多く、その経験を生かしているのも特徴の一つです。
焙煎度合い、淹れた時の香りをチェックし、実際にお客様が飲んだ時にどう感じるかを見極めています。
例えば、
ヴァレンタインブレンドという豆をこの時季限定で販売しているのですが、この豆は、チョコレートの食べ合わせをイメージし、チョコレートの味わいが口の中で広がるようにしています。
豆の種類は豊富ですが、1つ1つ個性があるので、どれを飲んでも飽きないようにしています。
リピーターの方が多いのも、毎回新しい発見があるからかもしれません。

―LIMENASCOFFEE(リメナスコーヒー)という名前も香りの要素が含まれていると聞きましたが

リメナスコーヒー

店名の由来は、
ラテン語のLIMEN(ライメン)とNASAL(ネーザル)を組み合わせた造語です。
それぞれの単語の意味をご説明すると。
・LIMEN
これを訳すと閾値(いきち)という意味になります。
聞きなれない言葉ですよね。
ご説明すると、何らかの因子が生体の反応を引き起こす際に必要な値を意味します。

・NASAL
これは感覚器官でもある鼻から得る感覚をさします。
1000種類以上の香りの種類がある中で、香りの感じ方や濃度も違います。
その閾値を感じる事ができる唯一の感覚器官が鼻です。

実はコーヒーも1000近い香気物質でバランスが成り立っています。
私がびっくりするのはその数ある物質の中、豆の好みやバランスの違いをお客様自身で判断されていることです。
私はお客様が豆を選ばれる際に、自身の経験を生かし香りという切り口で、豆のすばらしさ、豆選びのサポートができればと思っています。

お店の名前にはそんな深い意味が込められています。

―こだわりの豆を提供する際の器具にもこだわりがあると聞きましたが
そうですね。
エスプレッソのマシンは、世界のバリスタの大会で使われているイタリア製の標準機を使用し、その他の器具にもこだわっています。

リメナスコーヒー

バリスタ大会の標準機。システム化され味のブレがないとのこと

ただ当店の場合は、豆の販売がメインになります。
お店だけでなく、お客様自身が自宅でも美味しいコーヒーを飲んでいただけるように、特別な機械は使わず、
あえて家庭用の器具を使っています。
そうすることで、ご自宅でも美味しくコーヒーが淹れられるようにお客様にレクチャーができるからです。

リメナスコーヒー
-来店されるお客様の層は
当店では、老若男女問わずご来店されます。
一見客よりも、定期的に通っていただいているリピーターの方が多い印象はあります。
通販で豆を買われている方でも、たまにお店に来られたりと、リアル店舗はお客様とコミュニケー
ションを取る重要な場所になっています。

 

こだわりのコーヒーと合わせたいお菓子は


-こちらのお店ではコーヒーと共にお菓子も販売されていますが、お菓子を販売されている理由は
単純に私が、コーヒーとお菓子を食べるのが好きだからです(笑)
ですので、店舗設計する際にお菓子を販売するためのショーケースを備え付けようと思い、小さいショーケースを設置しました。

-販売されているお菓子の中で弊社のカヌレ・マドレーヌを採用いただきましたが、その理由は
決め手は味でした。
前職で冷凍食品(お菓子)の開発をしていたこともあり、配合を考えるのは非常に大変であることは理解していました。
その中で、今回採用したカヌレとマドレーヌは冷凍食品でありながら、食感もよく味わいが非常に良かったです。
初めて試食した際に、よく考えられたレシピだなと感心しました。

-現場でのオペレーションのメリットはありますか
現場でのオペレーションのメリットは多くあります。
例えば、
・廃棄ロスが少ない
まだまだお菓子の販売を始めて期間が短く、1日に何個販売できるかが読めない状況です。
採用商品は冷凍商品ですので、その日の注文状況に合わせて必要分だけを焼成して在庫ができます。
そのおかげで、廃棄ロスもありません。
完成品を仕入れた場合は、賞味期限も短く、売れなかった場合は廃棄する事になりコスト的にもロスになります。

・少人数で製造可能
お店では一人で作業をしていますので、お菓子の製造に注力するのは正直厳しい状況です。
採用商品は冷凍のまま焼成をするだけですので、オペレーションも簡単です。

・安定した品質
冷凍商品で完成品となれば毎回同じ品質で提供できるのはもちろんですが、製造の簡単さは非常にメリットになります。
今後、私以外の方にお店を任せた場合に、経験が浅くても同じ品質を保てるのはいいですね。

-カヌレとマドレーヌと相性のよいコーヒーをご紹介いただけますか

リメナスコーヒー オーナー
元明 健二 氏

▼カヌレ
カヌレはラム酒の香りがしっかりしているので、爽やかな香りをより広げるために、浅煎りのコーヒーをおすすめします。
その中でもおすすめの豆は、「ケニア」と「ブルンジ」です。
この2つの豆は、非常にフルーティーで爽やかな味わいのコーヒーですので、お菓子の爽やかな香りと口の中に広がるラムの味を引きたててくれます。

テイクアウトでも買っていかれる方、カヌレが元々お好きで注文される方もいます。

私も、カヌレを自身で製造して販売しようと思っていましたが、カヌレの製造は本当に手間がかかりますので、なかなか製造に着手できませんでした。
そんななかこの商品に出会い、こんな手軽に本格的なカヌレが提供できるのは本当に嬉しいです。

マドレーヌ

▼マドレーヌ
マドレーヌは、バターの香りがしっかりして濃厚な味わいですので、深煎りのコーヒーをおすすめします。
その中でもおすすめの豆は、「モカブレンド」と「デカフェブレンド」、「ボルドーブレンド」です。
この3つの豆は、カカオ感・チョコレート感を感じる豆で味も濃厚です。
バターの香り、味わいが強いマドレーヌに負けないしっかりしたコーヒーで、濃厚なお菓子と非常に相性が良いです。
日本で販売されているマドレーヌは甘い物が多いのですが、このマドレーヌは、甘すぎずほどよく塩味があるのがいいです。
塩分がしっかりしていることで、バターの味も生きてきていますね。
日本では食べられないフランスを感じるマドレーヌだと思います。
本当に、素晴らしいレシピのマドレーヌですね。

マドレーヌ

-コーヒーを提供される際に、違う形状のカップでコーヒーを提供されていますが、何故ですか
実は、これは私のこだわりの一つなんです。
同じコーヒーでも、カップの口の大きさやカップのシェイプ度合いで苦みや味わいの感じ方が違ってきます。
これも香りが関係しています。
カップの口径が大きい小さいで、鼻に入ってくる香りの量も変わり、感じる味わいが変わってくるんです。
容器は、セラミックとプラスチックカップでも変わってきます。
常連の方でお時間がある方は、テイクアウト用のプラスチックカップだけでなく、セラミックカップでも試飲していただく事もあります。

香りって面白いでしょ。

リメナスコーヒー オーナー
元明 健二 氏

取材後記


取材を終えて感じた事は、
コーヒーやお菓子を美味しくいただくために香りが重要な役割を担っていたこと。
ただ素人の私達がすぐにこの香りの要素を理解するのは難しいですね。
そんな時に好みや一緒に食べたいお菓子に合わせて豆をおすすめしていただけるリメナスコーヒーさんのようなお店があるのは心強いですね。
普段何げなく豆を買って、コーヒーを飲んで、お菓子を食べていましたが、香りを意識するとまた違った発見があるかもしれません。
1000以上もある香気物質から最適なコーヒーを見極め、食べ合わせるお菓子の良さをより引き出す!
まさに香りの魔術師がだからこそできる、魔術なのかもしれません。

 

取材協力


リメナスコーヒー

リメナスコーヒー

自家製キャラメルを使ったキャラメルマキアート

リメナスコーヒー

トニックソーダとエスプレッソをブレンドしたエスプレッソトニック

『リメナスコーヒー』
住所 :埼玉県所沢市日吉町6-7
営業時間 12時00分~19時00分
定休日:不定休
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採用商品情報

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