2021.11.24

パティスリーでのパンの製造販売。効率的に安定した品質のパンを作るために、最適なパン酵母とは【クリオロ本店】

皆さん、パン酵母を選ぶとき、何を基準にしていますか?
パンを香り良く仕上げたい、品質の安定化を図りたいなどの目的を達成するために、慎重にパン酵母を選ばれていると思います。
そこで今回は、香りの良さと発酵力に定評のあるルサッフル社のセミドライイーストを使っているパティスリーを取材しました。パティスリーということでパンに割ける労力やスペースに限りがありながらも、毎年アイテムの充実を図り、毎日焼きたてのパンを並べることで、楽しみに来店する固定客が増えてきているそうです。

クリオロ本店
オーナーシェフ

サントス・アントワーヌ 氏

▼Profile
1969年フランス・プロヴァンス生まれ。ヨーロッパ各地で修行後24歳で来日し、テクニカルアドバイザーやシェフパティシエなどを務める。2000年4月に製菓学校「エコール・クリオロ」を創業、2003年に洋菓子店を開く。洋菓子の世界大会での受賞歴も華々しく、「世界パティスリー2009」で最優秀味覚賞受賞、パリのサロン・デュ・ショコラで2年連続金賞受賞など、世界的にも高い評価を得ています。
▼店舗概要
地下鉄有楽町線・副都心線で池袋駅から3つ目の小竹向原駅より徒歩3分、緑豊かな住宅街に佇むパティスリー「クリオロ本店」。2003年に隣駅の千川で開業した本店を、2016年5月に現在の場所に移転しました。
落ち着きあるインテリアの店内には、「上質だけど気取らない、身近な、楽しい時間をみなさまにお届けします」というコンセプトのもと、洋菓子だけでなく、毎朝店舗2階のラボで作られる焼き立てのパンや、コーヒー、紅茶、ワイン、ジャム、そのほかフランス産の食材、オリジナルのレトルトカレーなどを取り揃えています。

 


▲入り口横の窓ガラス越しにパンが並ぶのが見える


▲洋菓子・パンだけでなく、オリーブオイルやジャム、ワインなど様々な商品が並ぶ店内

 

ルサッフル社のセミドライイーストを使うことでパンの品質が安定

―本題に入る前に、こちらのお店についてご紹介をお願いします。約13年間営業された場所から、現在の場所に移転された理由をお教えください

はじめに本店を構えた場所は、千川駅(東京・豊島区)の近くだったのですが、すぐに手狭になったので、工場の機能だけを隣駅の要町に移しました。その体制で10年ほど続けましたが、工場の建物の老朽化が進んだことで、小竹向原駅からほど近い現在の場所に、店舗と工場の移転を決めました。

小竹向原は千川の隣駅なので、従業員が通勤するのに便利なんです。ほとんどの従業員がこの辺に住んでいるので、あまり離れた場所は考えられなかったですね。

ここは駅から近いですが、以前の建物が印刷所だったこともあり、人通りがあるかどうかということは、かなり気にしました。それで1年くらい、時間帯別に見に来て調べて、人通りがあることを確認しました。店舗を構えるにあたって、大事なことですからね。

オープン初日、開店を待つお客様の行列を見たときは、この場所で間違いなかったと思えました。そして最近は近所でマンション建設が進み、居住者がどんどん増えてきています。地元の方々が、頻繁に利用してくれています。

―「幻のチーズケーキ」や「ガイア」「モンブラン」「トレゾー」など、ネットやテレビでも話題の人気商品があるパティスリーですが、洋菓子だけでなく、パンも固定客がいらっしゃるほど好評ですね。パンはいつから製造販売されているのですか?

千川に本店をオープンした、最初のときからです。現在は毎日25種類くらい製造していますが、当時は「ブリオッシュ」や「クロワッサン」「コキアージュ」など4~5種類ほどしかなく、小さなショーケースに並べていました。

当店では「時代に合ったおいしいもので幸せに」という考えを基本にしています。ですので、商品は洋菓子以外にも、パンをはじめ、コーヒー、紅茶、オリーブオイル、ジャムやペースト、ワインなど、幅広くご提供しています。

パンは、リピーターの方が増えてきていて、「もしかしてパン屋さんだと思われているかも」と思うときがあるくらいなんですよ。ですので、パンは品揃えの面では、洋菓子に対してかなり少ないですが、かなり存在感のあるアイテムだと思っています。

売れ行きも好調で、最も売れたときは個数で言うと1日600個ほどで、ネット通販も100セット限定で行い、完売しました。パン担当のスタッフは2人だけでは大変でしたので、3人に増員しています。


▲「幻のチーズケーキ」など多種多彩なケーキが並ぶ


▲焼き菓子も豊富に揃う


▲パンは25種類。写真手前は「パン・ド・ミー」


▲コロナ対策として、パンを並べるケースは、カバー付きのものを採用。品揃えはヴィエノワズリーやソフト系が充実している


▲ホワイトソース、ハム、チーズが入った「コキアージュ」。クロワッサン生地を使用


▲「ブリオッシュ・オレンジ」は大きめのサイズで焼いている

―ルサッフル社のイーストを採用されている理由を教えてください

フランスにいたときも、使っていました。ルサッフル社は世界中で使われているイメージがありましたね。セミドライイーストが発売されて、これはすごく使いやすいと思った記憶があります。

日本に来て間もないときは、生イーストを使ったこともありましたが、千川で開業して割とすぐにルサッフル社のセミドライイーストに切り替えました。

現在もすべてのパンに使っていて、ハード系はセミドライのレッド、ブリオッシュなど甘いパンや食パンはゴールドという風に使い分けています。

生イーストは発酵力が不安定だと感じることがありましたが、セミドライイーストはとても安定しています。セミドライにしてから、パンの品質のブレが無くなりました。以前ルサッフルのインスタントイーストを使っていた時もあったのですが、セミドライイーストの方がさらに香り高いパンに仕上がると感じました。

また、生地に対する溶けやすさなど、作業効率の良さだけでなく、価格が割安なのもいいと思います。

クリスマス時期に販売するシュトーレンにも、セミドライイーストを使っています。

パンの製造方法は冷蔵法または冷凍法で、朝に成形して午前中にすべて焼き上げています。

例えば「パン・ド・ミー」は冷蔵法で、前日仕込みの生地を朝成形して、午前10時の開店に合わせて焼きたてが並べられるようにしています。

パン製造のための厨房スペースが8㎡とかなり狭いので、生地の仕込みから焼き上げまで、省スペースで効率的に行っていく必要があります。

スタッフの労働環境をより良くしていきたいという目的のためには、この製造方法とスケジュールが合っていると思っています。これにもセミドライイーストの安定した発酵力が欠かせませんね。


▲パン製造に使用(ユーロフール社コンベクションオーブン)


▲パン製造に使用(ボンガードの固定窯)


▲パン製造に使用(ボンガード社ラミノア)


▲パン製造に使用(ボンガード社スパイラルミキサー)

―パティスリーのパンとして、どのような特徴を持たせていますか

濃厚でリッチな味わいが特徴です。パティスリーでも使っている高品質な材料を使っていて、中に入れるクリームなどは、パティシエが作っています。使うバターの量も多いですね。

また、近隣にハード系が評判のお店があるのですが、他店とのすみ分けを考え、当店ではソフトな食感のパンやヴィエノワズリーを充実させるようにしています。

季節商品になりますが、桜や抹茶のフレーバーのクリームパンも作っています。洋菓子でもそうで、ロールケーキやショートケーキなどはフランスに無いから作らないということは通用しません。

実は昔、これらは作っていませんでした。お客様の要望に応えて作るようにしたら、来店客数が増えていったんですね。パンも、お客様の要望に合わせて、開発していきたいと思っています。
今年、新商品として発売したハード系は、カンパーニュ生地を使っているのですが、皮がパリッと薄めで中はしっとりした食感が特徴です。(現在は販売終了)ハード系でも、ソフトで食べやすくするように心掛けています。

▲カンパーニュ生地を使用したハード系は食べやすい食感になるように開発

▲仲の良い雰囲気のサントスシェフとパン製造スタッフ。集合すればすぐに、今後開発していきたいパンの話で盛り上がる。写真左の佐藤さんは、最近クマの形をした菓子パン「ヌヌースパン」を開発。「ケーキと同じで、見た目も楽しんでもらえて、手に取りたいと思えるパンを創っていきたいです

▲「ヌヌースパン」(左)は、同店の看板商品のひとつ「ヌヌース・ジュニア」(右)のクマをモチーフに開発。写真の「ヌヌース・ジュニア」の表情は季節で変わる。

編集後記


世界レベルのケーキやチョコレートが並ぶパティスリーで、パンの製造販売まで手掛けるというのは、お客様の期待値も高い分、おいしさはもちろんのこと、安定した品質を維持していくことが不可欠です。また厨房は、幅広い種類の洋菓子を製造するため、パン製造に割けるスペースはわずかしか取れません。

そのような限られた状況の中で高品質のパンを提供するためには、最良のパン酵母を選ぶことが重要なカギとなるのではないでしょうか。

ルサッフル社のセミドライイーストは、安定した発酵力と発酵本来の豊かな香り、溶解性の良さという特徴があります。これらのことを評価して活用してくださっていることを大変ありがたく思っています。

パティスリーで商品の幅を広げたいと思われている方、パンの品質安定を一層図りたいと思われている方は、この機会にセミドライイーストをお試しされてみてはいかがでしょうか。

取材協力

▲2017年のエイプリルフールに登場したレトルトカレーを、今年、商品として実現。

※この記事は2021年7月に取材した内容になります

 

クリオロ本店
住所:東京都板橋区向原3-9-2
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TEL:03-3958-7058
営業時間:10:00~18:00
定休日:火曜日(祝日の場合は営業)
HP:https://ecolecriollo.com/shop-honten/

 

関連リンク

 

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