2019.09.25

兵庫県の繁盛店『パティシエ エス コヤマ』に聞く。商品価値を高める為にすべきことは

兵庫県の郊外にある三田市。
そこに製菓業界の方なら知らない人はいないといっても過言ではない有名パティスリー「パティシエ エス コヤマ」様があります。

リニューアルされた本店(店内)

本店のパティスリーをはじめ、ショコラ専門店「Rozilla(ロジラ)」、2017年にオープンしたデコレーション&アニバーサリーケーキ専門店「夢先案内会社(ファンタジー・ディレクター)」、子供しか入店できない(小学校6年生以下)洋菓子店「未来製作所」など8つの店舗からなるスイーツのワンダーランドです。

ファンタジー・ディレクター

Rozilla

未来製作所

一般のお客様はもちろん、国内外の製菓関係者の見学も絶えない名店です。

何故そこまでの繁盛店になったのでしょうか。
今回は、オーナーの小山シェフに商品価値を高める為の秘訣をお聞きしてきました。

 

株式会社パティシエ エス コヤマ 代表取締役社長
小山 進 氏

▼インタビュー概要
2013年に弊社が取り扱う、イドロプロセス社のウォータージェットカッター「シェフカット」を導入いただきました。導入当時は、主にボンボンショコラのカットをメインに使用されていましたが、現在はショコラだけでなくデコレーションケーキの装飾品にも活用されています。
2017年にオープンしたデコレーション&アニバーサリーケーキ専門店「夢先案内会社」では、デコレーションの装飾を制作する為にシェフカットを使用する率も高いとのこと。
小山シェフの独創的な発想力とシェフカットの技術がいかにマッチして、商品価値を高めているのでしょうか。

 

ボンボンショコラをカットする為にシェフカットが必要だった


―シェフカットを導入したきっかけを教えていただけますでしょうか
導入検討をしている頃は、日仏商事が取り扱う商品を始め、何社かが同様のウォーターカッターを取り扱っていました。
どの商品にするか悩んでいるタイミングで、たまたまフランスに社員研修旅行で行った際にフィリップコンティチーニと会う機会があり、彼がたまたまイドロプロセスのシェフカットを駆使してお菓子作りをされていると聞いて導入を 決めました。

エスコヤマに導入されているシェフカット

 

―どんなお菓子をシェフカットで製造されていますか
主に製造しているのは、「ボンボンショコラ」、「デコレーションケーキの装飾」です。
導入当時は、ボンボンショコラのカットしか考えていませんでしたが、2017年にオープンした『ファンタジー・ ディレクター』で取り扱うデコレーションケーキの装飾の製造にも使い始め、徐々にボンボンショコラ以外での 使用頻度が高まっていきました。
今では定番商品の一部、オーダー商品のほとんどにシェフカットを使い装飾を製造しています。
シェフカットのおかげでこちらのお店の商品が成り立っているといっても過言ではありません。

ファンタジー・ディレクター店内

ショーケースにはデコレーションケーキがずらりと並ぶ

―『ファンタジー・ディレクター』でのシェフカットの稼働率は
先程もお伝えした通り、定番商品の一部の装飾を製造する際にシェフカットを使用しています。
特注のオーダーケーキに関しては使用頻度も高く、ほとんどの装飾にシェフカットを使用しています。
稼働率でいうと、ケーキが10台注文あればそのうちの2台はシェフカットで製造しているイメージです。
ただこれは時季によっても変動します。
年間を通して頻度が高くなるのはやはり冬場で、その理由としてフルーツの使用頻度が減る傾向にあり、装飾を使う率が多くなるからです。
特にクリスマス時季は、稼働率が一番高くなる時季といえます。

 

シェフカットはお客様にイメージを伝える為のテクニックマシン


―シェフカットで制作されたお菓子にはどんな付加価値がつけられましたか
お客様に「ひと目でケーキの世界観を理解していただけた」ことです。

その付加価値の説明をする前に、エスコヤマが考える世界観について少し説明します。
最近は、インクジェットタイプの可食印刷機があり、それを使い絵柄を印刷した平面のチョコレートをケーキの上にのせることがあると思います。
でも私は、その作業はプロの仕事として嫌でした。
リアルに絵柄を映し出すのは印刷機の力で、プロとしての技術的な要素は薄く感じていました。
それであれば、バタークリームで文字を書く方がプロの仕事だと思っています。

エスコヤマでは「飛び出す絵本」をコンセプトにデコレーションケーキを製造していますので、ファンタジー・ディレクターをオープンする前に、どのようにそのコンセプトを表現できるかずっと考えていました。

それを実現する為に一役買ったのが、シェフカットでした。
シェフカットを使うことで、平面ではなく立体的な装飾が作りやすくなり、よりリアルさを演出できるようになりました。
例えば、
木目を表現する際も、可食印刷機で木目を印刷して、それをカットして組み合わせることで本当の木のような演出ができます。

印刷するだけでなく、表現したい事や組み合わせを考えることで、職人としての技量もしっかり出せたと思います。
機械導入以前は、同様の作業をしようと思うと抜き型が必要でした。
これを考えると、機械の重要性が分かると思います。
このような創意工夫があったからこそ、平面では伝わりにくい装飾もリアルさを演出した事で、お客様がひと目で世界観を理解していただける商品づくりができました。

次の写真は、実際にシェフカットで装飾を制作されたデコレーションケーキの一例です。

大事なのはプランニング


-シェフカットを活用する上での注意点は
まずお伝えしたいのが、シェフカットを導入するだけでは意味がないこと。
エスコヤマで大事にしていることはプランニングです。
シェフカットがあれば、どんなに複雑な形状でもきれいにカットできるのがこの機械の良い所です。
ただ、そこには背景が必要だと思っています。
お客様がどんなことを要望され、どんなシーンで商品を使うかという背景を理解する事が大事です。
またどんなことをしたら喜んでいただけるか、感動されるか、驚かれるかということはこちらがいかにプランニングするかによって変わってきます。
その為に、エスコヤマでは専門のデザイン部門があり、プランニングしてデザインに落とし込んでいます。
ただ好きな形にカットするだけでは、意味が無いという事です。
機械の価値を高めるには、このプランニングがあるからこそ高められます。
機械を導入するだけでは、宝の持ち腐れになってしまいます。

-では誕生日ケーキを注文されたお客様がいた場合、どのようにしてプランニングされるのでしょうか。
またどのようにお客様の情報を収集し、ケーキのデザインに反映されるのでしょうか。
「ファンタジー・ディレクター」という店舗名は、「ファンタジーをディレクションする人」という意味合いがあります。
お客様の要望をお聞きし、その要望を具現化する為に創造してくのが私たちの仕事です。
その際に大事なのが、お客様が言われている事を全て盛り込めば100点という考え方はせず、その要望から取捨選択しデザイン、味に落とし込む事です。要するに引き算が大切ということです。

エスコヤマではどのようにヒアリングを行って、デザインに反映されているかというと、

▼①お客様からのヒアリング
一番重要なのがヒアリングです。
私の理想は、ヒアリングしながら頭でデザインを想像して欲しいのですが、慣れていない従業員はまだまだそのスキルが不足しています。
仮にヒアリング不足があった場合は、再度お客様に確認をすることもあります。
ヒアリング不足は、後の作業で困ることにもなります。
後の作業の段取りを考えて動くのも現場の職人のスキルになりますので、スキルアップする為にもヒアリングの練習は何度も行っています。
場合によっては、デザインに落とし込んだ後に再度お客様にヒアリングする事もあります。

▼②デザインラフ
ヒアリングした内容からデザインに落とし込んでいきます。

デザイン部門が制作したデザインラフ

▼③デザイン決定
デザインラフを確認し、各部門の担当者がミーティングをします。
納期、誰がどの作業をするか、不明点はないかなど口約束で進めず、各担当者が何を作りたいか理解をしているので、何かが不足してしまう事がなくなります。
この時点で、この装飾を作るにはシェフカットを使う必要があるなど、現場側に意見も聞く事ができます。

▼④製造
デザインが決まり、ようやく各担当者が製造にとりかかります。
ここで活躍するのがシェフカットです。

キツネ型にカットされたチョコレート

▼⑤納品
商品が完成し、お客様に納品となります。

 

シェフカットを使ってみて


-実際にシェフカットを使用した後に、製造現場に変化はありましたか
この機械を導入したことで、経験の浅い職人でもクリエイティブな考え方ができるようになってきました。
また単なるデコレーションケーキではなく「ファンタジー・ディレクター」がコンセプトにしている理想形を具現化でき、店舗の良さを引き出してくれた機械だと思います。
創造性を引き出してくれる機械といったらいいのでしょうか。

-機能面・作業面でのメリットは
エスコヤマのボンボンショコラは2層タイプが多く、プラリネも使います。
既製品のプラリネは使用せず、オリジナルでプラリネを作り食感を重視しているのですが、この場合ギッターではカットできないというのが現場の課題でした。
シェフカットを使えば問題なくカットできるようになりました。
当初は、水でカットするので湿気るのでは?という懸念がありましたがそれも問題ありませんでした。

また機能として良かったのが、1つのデザインを設定すれば、機械側で効率よくデザインの配置を自動設定してくれるので、製造ロスが減りました。
そしてモニターで作業中の経過やデザインイメージが表示されるので、作業の把握ができて良かったです。

 

最後に、今後の構想は


-シェフカットを使用して、今後こんなお菓子を製造してみたいなど、構想があれば教えてください
現在は、ケーキであればデコレーションケーキをメインにシェフカットを使って装飾をしていますが、今後はプチガトーにも面白い装飾を付けて行きたいです。
フランスではプチガトーに装飾を付けていることが多いので、それを参考に楽しい商品展開をしていきたいです。
まだまだ機械を使いこなせていないので、もっと活用できるようにしたいですね。

 

クリスマスケーキにもシェフカットが大活躍


今年のクリスマスケーキのデザインが完成したので見ますか?
その装飾の作成にもシェフカットが一役買っています。


※上記写真は一部のラインナップになります

 

取材後記


取材の中で、小山シェフがエスコヤマのデコレーションケーキのコンセプトが「飛び出す絵本」と言われていたことが印象的でした。
実際に、店舗で販売されているデコレーションケーキを見て納得しました。
ケーキがまるで舞台のように見え、舞台の上には立体感のある装飾が施され、主役達がそれぞれ主張していました。
それはまさに「飛び出す絵本」そのものでした。

しかも、シェフカット導入をきっかけに商品の付加価値がアップだけでなく、従業員の方の創造性向上やスキルアップ、また現場での作業効率UPにもつながっているとのことで弊社としても非常に嬉しく感じました。

これからも、独創的な小山シェフの考えとシェフカットがどのようにマリアージュしていくか目が離せません。

 

取材協力


パティシエ エス コヤマ
住所:兵庫県三田市ゆりのき台5丁目32-1
営業時間:10:00〜18:00
定休日:定休日カレンダーに準ずる
電話番号:079-564-3192
HP:http://www.es-koyama.com/
Facebookページ:https://www.facebook.com/eskoyama/

新サービス
パティシエ エス コヤマ様の人気商品がJR新神戸駅で購入可能!新サービスの詳細は以下URLからご覧ください。
https://www.es-koyama.com/topics/eskoyama/1823.html

関連URL
▼イドロプロセス シェフカット商品ページ
https://www.nichifutsu.co.jp/products/machine/chef-cut/

 

 

お問合せ

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