西宮 夙川にあるガレット専門店「クレープリー・ルポ」。本場フランスのコンクールで認められた騎士の称号を持つ職人が作るガレットを味わう
皆さん、こんにちは。
2月2日は「シャンドルール」の日!
フランスでは、この日はクレープが主役で自宅や専門店でクレープをいただくのが主流です。
シャンドルールの日については、過去に本ブログで配信しました、
「クレープが主役!?フランスの「シャンドルールの日」について調べてみました【パティシエ通信Vol.11】」
にて紹介しています。
さて、今回は「シャンドルール」の日にちなんで、日本でも本場さながらのガレットやクレープをいただける専門店のご紹介です。
クレープ専門店は、日本でも見かけることはありますが、フランスで食べられているそば粉を使用したガレット専門店はまだまだ日本では少ないです。
そんなガレット専門店が日仏商事の本社(神戸)からも近い西宮にあるとの事!
という事で、実際にお店にお伺いして、ガレット専門店を開業した理由や、本場のガレットを提供できる秘密など色々とお聞きしてきました。
兵庫県西宮市にあった!本格ガレット専門店
弊社の本社がある神戸 三宮から車または電車を利用しても約30分程でいける西宮市の夙川。
最寄りの駅周辺は、個人店の飲食店やパティスリー、ベーカリーもあり、少し歩けば閑静な住宅街が広がります。
その駅から徒歩で5分ほど歩くと、今回の目的地でもあるガレット専門店「クレープリー・ルポ」さんがあります。
徒歩でお店を目指すと、周りは閑静な住宅ばかり。
目的地に向けてさらに進むと、フランス国旗と鮮やかなブルーの外観のお店が!
外に設置された黒板には、ガレットのメニューが色々と書かれていますね~。そう今回の目的地はここです!
メニューを見ているだけでお腹が空いて来ました。
空腹をおさえつつ、店内へ。
では、オーナークレピエ(クレープ職人)の菊田さんにお話しを聞いてみます。
Crêperie Repos オーナークレピエ
菊田 雄祐 氏
▼Profile
前職は、飲食とは関係のない会社で営業や宣伝企画などの部署で働く。
親戚がフランスに住んでおり、その当時フランスに遊びに行ったりしていたことから、フランスの食文化に触れる機会も多く、そこで本場のガレットに出会う。
今までの経験を生かし、2013年にガレット専門店「クレープリー・ルポ」を開業。
2018年には、毎年9月にクレープの本場フランス・ブルターニュ地方のピプリアックという街で開催される、ガレットコンテスト「Concours National de la meilleure galette 2018」に日本で初めてガレット専門店の出場が認められ、特別賞受賞。
そしてピプリアガレット協会からシュヴァリエ(騎士)の称号を授与される。
特別賞の受賞、シュヴァリエの称号授与、ともに日本人初の快挙となる。
―始めにお店の紹介をお願いします。ガレット専門店にした理由も教えてください。
日本でも珍しいガレット専門店というのが一番の特長です。
フレンチの一品でガレットを提供されているところはありますが、専門店として提供している所はまだまだ少なく、日本ではガレットの認知度が低いと感じています。
日本でそば粉を使った料理と言うと、ガレットではなくやはり麺状のそばが一般的ではないでしょうか。
私がフランスで本場のガレットを食べた際に、麺以外にこんな食べ方があるんだ、そしていろんな具材とそば生地との相性の良さに驚き、その美味しさに感動しました。
ガレットの魅力をたくさんの人に知ってもらいたい、日本のそば粉を使用したガレットを追求してみたい!そんな思いでこの店をオープンしました。
―お店のメニューについて教えてください。また季節限定メニューなどがあればご紹介下さい
そうですね、当店のラインナップは、
ガレット:10~15種位(デザート含む)
クレープ:10~15種位
季節限定商品も随時ラインナップに追加しています。
クリスマスには、ローストチキンのガレット(次の写真)を限定メニューとして提供する予定です。
―様々なメニューがあると思いますが、その中で人気ベスト3を教えてください。
1位:ガレットコンプレット
メニューに迷われているお客様がいらっしゃったら、まずこれを勧めています。
2位:キーマカレー
当店オリジナルでスパイスを配合したカレーで、ご飯も入っているボリューム満点な一品です。
粉ものに炭水化物という組み合わせは、関西人なら分かる組み合わせですね。
3位:ガレット・オ・ショコラ(デザート)
サレ系以外にもデザートで人気があるのがこのショコラノワールです。
女性のお客様も多いですので、デザート系を一緒に頼まれる方も多いです。
―様々なメニューを作る際に重要な材料ですが、材料選びについて教えてください
ガレット作りに一番重要なそば粉には、国産のそば粉を使っています。
日本のそば粉で、日本ならではのガレットを作りたいと思ったからです。
食感はフランスで食べるものより少しパリッとした食感にさせていますが、そうすることで国産の蕎麦ならではの「そばの香り」がしっかり感じられます。
本場フランスのガレットを食べたいと思うと少し違う印象を持たれるかも知れませんが、フランスでも食べられない、そして日本では当店でしか食べられない当店オリジナルガレットということで、差別化を図っています。
ですので、今後ガレット専門店が増えたとしても、当店の特長はしっかり出せると思います。
実際フランスのガレットコンクールでも、あえて日本のそば粉を使い、そのチャレンジは現地でも驚きと称賛の声
が上がり、フランスの有力紙ウエストフランス社(ouest france)に掲載されるなど、大きな話題となりました。
―メニューが豊富なのはお客さんとしては嬉しい事ですが、一人で全てオペレーションするのは大変ではないですか
正直大変です。
特に一番混み合うお昼の時間帯は、喋る暇もない位ですね。
使用する材料の下準備をしてスムーズに調理ができるようにしています。
最近さらにオペレーションをスムーズにするために採用を決めたのが日仏商事さんのCSMのデリスインスタントやDLAナチュラルズのフルッタデコールです。
デリスインスタントで作るカスタードは、本当に手軽に作れるので助かっています。
お昼の時間にどうしてもカスタードが足りなくなった時でもすぐに追加で仕込みができます。
必要な分しか作らないので、ロスはゼロです。
もう一点採用のきっかけになったのが、この商品には卵が含まれていない事です。
卵アレルギーの方に対応する為、当店のガレット用の生地には卵を入れていません。
麺状のそばで十割そばってあると思いますが、当店のガレット生地はそば粉と水、塩だけしか使っていないので、お客様に説明するときは十割ガレットと言ってます
この商品を使用したカスタードであれば、卵アレルギーの方でも提供ができます。
フルッタデコールは、種類が豊富ですし先ほどのカスタードと同様、少量での使用が可能なのが嬉しいですね。
今後季節限定メニューとして、色々なフルーツを使ってみたいです。
―材料選びも大事ですが、ガレットを作る際に重要なクレープマシンへのこだわりはありますか
もちろんあります。
実は、少し前まで五徳の上に、丸型にカットした鉄板をのせてガレットを焼いていました。
ですが、私が2018年に出たコンクールで会場で用意されていたクレープマシンを使用して衝撃を受けたのを今でも覚えています。
というのも、元々使っていた鉄板は30分以上熱して油を塗り、また熱しての繰り返しをして使わないと、鉄板に油がのってくれないんです。
大会に出た際に、こんなに時間をかけて準備をする事ができるのか?と不安になり、予備の鉄板まで持っていったくらいです。
ですが、その大会で準備されていた、本場フランスのクレープマシン クランプーズを初めて使用した時に、何て焼成がしやすいんだ…しかも非常に扱いやすい…今まで使っていた鉄板と全く別物でした。
そんな経験から、自分の店でも使いたいと思い、クランプーズのクレープマシンを3台導入する事を決めました。
―実際にクランプーズのクレープマシンを使った感想を教えてください
鉄板の表面に溝があることで、均一に焼けて、焼きむらのない仕上がりになります。
また、今までと違い蓄熱性が非常に良いので温度調整もしやすいです。
また焼き上がりが非常に早く、今まで使っていた鉄板と比べると半分近く焼成時間が短縮できました。
今までは、生地にさし粉をしている間に、鉄板に乗せた生地が少しそるくらいでしたが、クランプーズの場合は、焼いてしばらくしたら、もう生地はそり始めています。
今までは生地がそるまでに、他の準備をしていましたが、今はそれができないくらい焼成時間が短くなっています。
そのおかげで、調理時間の短縮につながり、使用する材料がすぐに使えるようにオペレーションを見直すきっかけにもなりました。
1人で接客と調理をしているので、クランプーズのクレープマシンを導入することでオペレーション速度が向上したのは良かったです。
飲食店には辛い新型コロナウイルスの影響は…
売り上げへの影響は出てますね。
当店から近い夙川が桜の名所で、花見客が多くなる3月後半は繁忙期になりますが、2020年の3月末は全くお客さんが来ない日もありましたし、3月、4月、5月は売り上げ表を2度見するくらいの状況でしたね。
そんな状況下でしたが、クラウドファンディングで資金を集めたりと色々と新しい取り組みもしました。
その資金でクレープマシンを購入し、よりクオリティの高いメニュー作りができる体制になりました。
なんとかこの状況を打開しないとと思い、新しい商品の提供スタイルも検討しています。
最初はテイクアウトで、自宅で食べてもらえるような商品も検討しましたが、どうしても自宅までの時間を考えると食感(特に再加熱された場合)が変わってしまいます。
ですので、今考えているのは渡してすぐに食べていただける、手に持って帰っていただくテイクアウトメニューです。
ここで、活躍するのが今回導入を決めたクランプーズのクレープマシンです。
テイクアウトで注文されたお客様の待ち時間を減らすには、やはり焼成時間の短縮は不可欠です。
今後の展開について
今後は、店内で行うイベントも再開したい(ライブや切り絵展、写真展など)ですが、コロナ禍がいつまで続くかというのもありますね…。
先ほどお話しました、テイクアウトメニューの準備が上手くいけば、イベントへの出展や以前からキッチンカー
での販売に興味がありましたので、今の時間を使い新しい取り組みの検討をしたいですね。
いずれの販売をする場合もガス式の機材はNGなので、クランプーズの電気式クレープマシンは使えますね。
※切り絵展は2月24日から再開予定。開催の詳細は店舗運営SNS等をご参照ください
取材後記
日本人初のコンクール出場、そして入賞や騎士の称号をお持ちの菊田さん。
今まで飲食業界にいらっしゃったわけでもないのに、この快挙は素晴らしいとしか言いようがありません。
本場フランスのガレットなのにどこか日本へのリスペクトを感じるクレープリー・ルポさんのガレットを是非皆さんも食してみてくださいね。
そして、2月2日のシャンドルールの日をもっと盛り上げていきましょう。
取材協力
住所:兵庫県西宮市相生町7-12(GoogleMapで見る)
TEL:0798-20-4741
営業時間:11:30~22:00(最終入店20:00)
定休日:火曜日
HP:https://www.shukugawa-repos.com/
Facebook:https://www.facebook.com/CreperieRepos/
※この記事は2020年11月に取材した内容になります