2021/05/13

製菓製パンに関連する日々の活動やテスト結果をご紹介します ユーロモルト編【研究開発課レポート】


弊社の研究開発課では、お客様からの様々なお問い合わせに対応するべく、日々テストを行っています。
今回皆様にご紹介するのはディアマルテリア・イタリアーナの『ユーロモルト』です。
モルトエキスを配合することで、パン生地の物性やパンの品質が改良されます。

ユーロモルトに含まれる酵素/アミラーゼによってでん粉が分解され、生地中の糖分が増加することにより、酵母によるアルコール発酵が進みガス発生量が増えると同時にメイラード反応が起こり、色付きが向上します。

▲ボウルに移したユーロモルト

 

ユーロモルトを使うことで得られる5つのこと


①生地の伸び
でん粉が分解されることにより生地の伸展性が増加します。
生地の伸びが良くなることで、クロワッサンやパイ生地の油脂折り込み時、生地を伸ばしたり薄くしたりする成形時の作業性が向上します。
クロワッサンやパイ生地に対粉0.5%配合すると、折り込み時の作業性も向上し、更に製品のボリュームもアップします。
ベーグルやカイザーゼンメル、グリッシーニなどの硬めの生地に対粉0.5%配合した場合、成形もしやすく、製品の形も均一化することができます。


▲ベーグル

▲カイザーゼンメル

▲クロワッサン

②パンの色付き
以下の画像は、ユーロモルトを対粉0.5%添加し、それ以外の配合・工程を全て同じ条件でテストした時の画像です。
ユーロモルト添加の効果として、でんぷんが糖に分解されパンの焼き色がつきやすくなります。

③パンのボリューム
②の画像同様、ユーロモルトを対粉0.5%添加し、それ以外の配合・工程を全て同じ条件でテストした時、
ユーロモルト添加の効果として、酵母の働きの安定化と活発化によるガス発生量の増加、生地の伸展性向上により、パンのボリュームがアップします。

パン・ド・ミなどの食パン各種に対粉0.3~0.5%添加した場合は、焼成時に窯伸びしやすくなり、パイルが出たボリュームのある製品となります。

④風味と食感
モルトエキスの香ばしい風味と甘みが加わり、焼き色がつきやすくなることで歯切れのいい食感が得られます。
またパンだけでなく、焼き菓子を製造する際にもモルトを使用することで同様の効果が得られます。

⑤老化抑制
分解によってでん粉が軟化し、糊化したでん粉の再結晶を遅延され、パンの老化を抑制します。

ユーロモルトに粉末タイプが新登場


新商品であるユーロモルトブリオもお勧めです。
ユーロモルトブリオはモルトエキスを特殊な乾燥方法で粉末化した製品です。
ユーロモルトと同じ酵素力価で同様の効果を得られ、より扱い易くなりました。

計量が容易で、非常に溶解性が高いため、ミキシングの際も生地での分散性と溶解性が高くなります。
乾燥している為、水分量を増やす必要が無く、またパン・菓子類以外の様々な製品に活用できます。

このような商品を揃えるたびに研究開発課では製品テストを行い、お客様にとって有益な情報となるよう活動しています。
いろんな材料が持つ効果、それらを配合に加える意味合いなどを検証し情報を提供することでお客様の商品が安定し良い商品になると考えています。
「もう少し詳しく知りたい」「こういう場合はどうなるの?」などのご質問やご質問があればお気軽にご連絡ください。

 

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