フランス産ラ・ヴィエットバターを使い続ける理由。そこには恩師の想いと店主のこだわりがあった
都会の閑静な住宅街の中にあるブーランジェリー&カフェ マンマーノ。
今年(2020年)で11年を迎える同店の店主、毛利さんの一番のこだわりは食材。
シェフ自らが原材料を選定し、食材を生かして作り上げるパンの数々。
中でも一番の人気商品はクロワッサン。
なんとクロワッサンには、開業当時から弊社が取り扱うラ・ヴィエットバターが使用されているとのこと!
フランス産バターに注目が集まる今、なぜ、ラ・ヴィエットバターを採用していただいているのか、お伺いしてきました。
目次
フランス修行時代に出場した大会が人気商品クロワッサンの始まり
今回お話を伺ったのは・・
ブーランジェリー&カフェ マンマーノ 毛利将人氏
小学6年の時、たまたま1階にパン屋があるマンションに移り住んだことがきっかけで、12歳から同氏が今でも師と仰ぐ某人気店のシェフからパン作りを教わる。
その頃から、スキージャンプに打ち込み、大学時代はナショナルチームで活躍。後に、パン作りの面白さや奥深さに開眼し、趣味ではなく実際に売り物のパンを同師の店で作り続け、21歳で渡仏。
その後、ベルギー、イタリアのベーカリーでも修行。パリに戻り5つ星の名門「ホテル・ド・クリヨン」の約300年の歴史の中で、日本人として初めての製パンシェフに就任。
また、帰国後もリーガロイヤルホテル東京で3年間シェフを務めパン一筋。2008年の12月、念願の店「ブーランジェリー&カフェ マンマーノ」をオープン。
使う素材にはすべてこだわる。毛利氏が考えたお店の構想とは
ーまずは、簡単にお店の紹介をお願いします
「マンマーノ」という名前の由来は、「手」を意味するフランス語の”Main”とイタリア語の”Mano”を掛け合わせた造語です。「手と手をつなぎたい」という想いで名付けました。
オールスクラッチで作りあげるパン作りのテーマは、『粉と水の融合』です。
小麦、バター、野菜、水に至るまで自分自身で厳選した食材を使用しています。その素材を生かした「より幸せにできるパン」を皆さまにお届けできるよう日々奮闘しています。
1番人気のパンはクロワッサンです。
私自身も、開業するにあたって「クロワッサンをメインにしたお店にしたい」という想いがあったため、構想通りお客様に評価していただけてとても嬉しいです。
フランス修行時代に出場した大会が人気商品クロワッサンの始まり
ー「クロワッサンをメインのお店にしたい」とのことですが、それに至ったきっかけは?
きっかけは、フランスの修行時代(23歳の時)に出場したコンテストです。
フランスへ渡り、当時お世話になったシェフに「自分の実力を知るいい機会になる。お前なら大丈夫だから大会に出なさい」とパリ市内のベーカリーで働く若手のお弟子さんが集まるコンテストを紹介されました。
出場した結果、パン部門では5位でしたが、ヴィエノワズリー部門で1位になり、総合3位の成績を残すことができました。
そのコンテストがあったので、自分の最も自信のある「クロワッサンをメインにしたい」という想いが生まれました。
今では、「マンマーノといえばクロワッサンだね」とお客様から言っていただけるほど浸透しています。
ーそのクロワッサンには、ラ・ヴィエットバターをご使用とのことですが、採用に至った経緯を教えてください
開業するにあたり、オーブン、材料を選定する際に恩師から日仏商事のことを紹介していただきました。
そこで、サンプルをいくつか手配した中にラヴィエットバターがあり、そのままの流れでクロワッサンの折り込みバターとして使うことを決めました。
一度、他社からフランス産バターを紹介されて切り替えたこともありましたが、1ヶ月ほど使ってみてラ・ヴィエットバターに戻しました。
ーラ・ヴィエットバターを再採用していただいた理由を教えてください
製造からの要望があり再採用をしました。
ラヴィエットバターは伸展性が良く、大変扱いやすいバターなのでとても作業効率が良かったのです。
再採用するにあたり、2kgのシートタイプがあることを知り、以前は500gのサイズを使用していたのですがシートタイプに切り替えました。
ークロワッサンは1日どのくらい売れるのですか?
平日だと約180個、土日になると約360個ほど売れています。
来店客数が平日で250~300人、土日で400~450人のため、多くの方にお買い求めいただいています。
その中でも、最近はSNS効果もありイートインメニューの朝食セットで召し上がるお客様が多いですね。
朝食セットはパンの盛り合わせ(お代わり自由)、スープ、サラダ、飲み物がついて1200円です。
クロワッサンだけはお代わり不可ですが、必ず1人1つクロワッサンを付けて提供しています。
単品だと少し高く感じますが、セットになるとお得感があるのか、多いときだと100名ほど朝食を食べに来店されます。
実際に朝食を食べた後、クロワッサンを気に入り、帰りに購入してくださる方も多いです。
ーラ・ヴィエットバターを使っていることに対してお客様の反応はありますか?
「ラ・ヴィエットバター」の名前で反応されるお客様は正直なところ少ないです。
しかし、特にこのあたりに住まれているお客様は健康志向が高く使っている食材に関心を持っている方が多いため、他のフランス産バターや国産バターとの違いについて尋ねられることもあります。
その時は、製法の違いや水分量の違いなどをお客様にご説明して、ご納得いただいてから購入してもらうようにしています。
今後の展望
ーお店の展望を教えてください
マンマーノのお店に並んでいる商品はすべて自分のこだわりを押し付けるのではなく、お客様の目線に立って何を求めているのかを市場調査した上で、当店なりにアレンジしています。
今後も、お客様の求めている商品を作り続けていきたいと思っています。
その為に、紹介していただいた材料を精査し、良いと思ったものを従業員に委ね、商品作りをしてもらっています。
その後、従業員の意見も聞きながら、お客様に喜んでもらえるようなマンマーノらしいパンに調えていきます。
多少、原価が高くなったとしても商品価値が上がれば必然的にお客様は購入してくださいます。
ですので、当店の作り上げる商品は材料を重視し、厳選した最高の原材料をきちんと生かせる製法で商品作りを進めてまいります。
そして、従業員がよりパンの知識や技術を向上させていける場を設けたいと考えています。
外部講習や展示会などの視察などももちろんですが、商品開発が集中してできたり、従業員同士でパンについての勉強会ができるようなラボを作りたいという想いもあります。
この11年間、商品力を中心にお店を展開してきました。
今後は商品力はもちろん、サービス面を強化しお客様の満足度向上に努めていきたいと思います。
編集後記
恩師からのお言葉を忠実に守り抜いたうえで、毛利さん自身の色に染め上げていくマンマーノのパン。
その一番人気の商品であるクロワッサンに、弊社が大きく寄与しているのはとても嬉しく思いました。
私も取材時にクロワッサンをいただきましたが、口に入れた瞬間にバターの香りが口いっぱいにひろがり、パリッとした食感がたまらず、一瞬でマンマーノのクロワッサンの虜になりました!
もちろん、クロワッサンのような定番の商品だけでなく、今後、毛利さんがこだわった材料を使って作りあげられる新商品にも大注目です。
取材協力
Boulangerie et Cafe Main Mano(ブーランジェリー&カフェ マンマーノ)
住所:東京都渋谷区西原3-6-5 MH代々木上原1F
TEL:03-6416-8022
営業時間:8:00~20:00(L.O.19:30)
定休日:火曜日定休
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☞公式YouTube (クロワッサンの作り方もご紹介されています)
※この記事は2020年3月に取材した内容になります
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